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アート21教室日記
田屋優・・・・・・画家、現代美術作家  西船橋の絵画教室、研究所主宰               (掲載内容の無断転用禁止)
プロフィール

田屋優

Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。
  画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。
 
「西船絵画教室アート21
 アート21研究所」
http://www.art21japan.jp/

 南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
  

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<教室日記>2015・11・10(火)
15菅原麻里絵・縮小
会員 菅原麻里絵 デッサン

「教室日記」
(作者作品紹介―12)


  もう11月。

キッズ教室の発表会も終わって、教室行事も、「秋の特別教室」を残すのみとなった。 
  今年もいよいよ、終盤。 


庭のアサガオが、まだ咲いている。
  長く伸び過ぎたツルを始末したいけど、咲いてしまうので、掃除できないと女房殿がボヤく。


CIMG9121.jpg


  さて、作者作品紹介12回目は、菅原麻里絵さんのデッサンである。

菅原さんは、2013年の7月入会の20代。 
  お試しをデッサン始め、そのままデッサンを続けて2年と5ケ月経つ。
デッサン街道邁進中の人だ。 

  そういう人は、結構多い。 デッサンは、ハッキリとした順番があるので、一つづつ階段を登るようにクリアしていくのが、面白いのかもしれない。 

  今は、貝の三つ目を描いているので、残り一つで、基礎デッサンコースを終了する。 さらにデッサンを続ければ、そのあとが、いよいよ石膏デッサン。 


  基礎デッサンは単品描きなので、ほとんど構図がない。 
しかし、その次のデッサンコースになって初めて構図が発生する。 また、石膏デッサンは、石膏像デッサンなので、人体になる。 

  人体を描くということは、人体の骨格を描くということなので、ここで、難易度が急にアップする。

たいてい、ここで皆尻込みする。 

  デッサンコースの始まりは、足の石膏デッサン。 これが、なかなかカタチが取れない。
  やっと、クリアして次がアグリッパ。 ここで、また尻込み。 

アグリッパの難易度は高くないが、いかにもローマ人といった顔、カタチがこれもなかなか描けない。 
  そして、次がメジチ。 これも難しい。 メジチは顔を捻っているので、描く人も顔を捻る。


「上手く、描けない!!」


  なんども描き直しが続く。 メジチが難しくて、ここでデッサンコースを止めた人もいる。 


  ここまでが、いわゆる首像。 この次に胸像を二つやってデッサンコースが終了する。

  ここまでくれば、デッサンとしては十分であるが、さらに、もっともっとと、希望する人のための石膏像がある。 

  このブログで何度もご紹介しているジョルジョとビーナスである。


ジョルジョとビーナスは、難易度が高過ぎるので、任意としている。

  過去にも何度も挑戦した人はいたが、まともに描けた人は、一人もいない。


ジョルジョで三段跳びに難易度が上がり、さらに、ビーナスで三段跳びする。 
  その難しさは、語るに難しい。





  さて、今回ご紹介のデッサンは、菅原さんの今年の会員展出品作品である。 2点出品のうちの1点。 

  教室で、「ホラ貝」と呼んでいる貝である。

ご覧のように、しっかりとした「ほら貝」として描かれている。 
  デッサンとしての押し出しもいいし、カタチもどっしりと描かれている。
 
  この貝は、半開きに開いた口(入り口)とその下の唇、そして、口の上のゴツゴツ部分の三つの要素から成り立っている。 

  それぞれ質感が違い、また表情も違う。 そのため、その描き分けが、描く者を悩ます。




  菅原さんは、昨年の会員展が初出品で、この時は、ボトルのデッサンを2点出品した。 この時点で、ボトル3本をクリアし、会員展後に貝に移った。

  貝も三つ描くが、一つ目は、「巻貝」と名付けた貝である。 
ここで、注目したいのは、この「巻貝」から菅原さんのデッサンが変わってきた。 
  デイテールに拘り始めたのである。

それというのも、どうも他の生徒さんに刺激を受けたらしい。

  菅原さんと同じように、デッサンをしている20代の S さんという女性がおり、ほぼ同じ時期に入会している。
  S さんのほうが、数ヶ月早く入会。 
そのため、S さんのほうが菅原さんより、デッサンではちょっと先を行っている。 


  生徒さんのデッサン板は、窓側の隅に何枚も立て掛けており、デッサンする人は、その中から、自分の板を探して、作業を開始する。 
  自分の板を探すためには、他の人のデッサンも目につく。
それで、 S さんのデッサンを前から意識していたようだ。



「先生! S さんのデッサンは、凄いですね」



  こういうことが、教室ではよくある。 
他の人を意識し、また影響を受ける。 

  面白いことに、S さんも菅原さんの名前を知っていた。 デッサン用紙に名前が書いてあるので、気になる人の名前は覚えてしまう。
  意識していたのである。
 
そうやって、話をしたことがない人と、絵を通じてコンタクトする。 教室という学びの場の一番いい所かもしれない。



  S さんがある時に言った。



「私のは、なぜか、ドンドン細かくなってしまうけど・・・」


「菅原さんのデッサンこそデッサンらしいですよね」


「私も、あういうふうに描けるといいのだけど・・・」





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