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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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<教室日記>2014・5・6(火) |
「教室日記」 (逃げるが勝ち)
私が、制作する時に、一番大切にしていることは、画面を常に、勘が働く画面にして置くこと。 私の絵は、勘が全てなので、制作作業前半の色振りも、大雑把のように見えて、意外と神経質に色を撒く。 次に繋がる画面にできないと、そこで、失敗が確定してしまうからである。 そして、画面がイッパイイッパイになったら、そこで、色振り終了。
そのころには、画面は、ほとんど、シッチャカメッチャカになっている。 それから、その画面をどうやって、整理するか考え抜く。
人それぞれ、制作スタイルがある。 しかし、どういうわけか、メチャクチャな絵のまま完成する人がいる。 それを発表する。 こういう制作スタイルは、理解に苦しむ。
以前、知り合いで、ヒドイ絵を描く人がいた。 当時、50代の女性。 その時、私より10才は上だった。 油絵で100号サイズの絵を描き、毎年、展覧会に出品していた。 その人が、銀座で個展をした。 案内ハガキが来たので、仕方なしに見に行った。 もともとは、女房殿の知り合いだが、女房殿は、
「あの人の絵は、好きではないので、見に行ってくれ」
と、言って逃げてしまった。
どんな、絵を描くのかは、知っていた。 だから、行きたくなかった。 一番困ったのは、本人は、プロだと思っていること。
「プロだから」
と、公言していた。
しかし、残念ながら、純アマチュア。 アマチュアが、いけないのじゃない。 プロのなんたるかを知らないで、勘違いを吹聴するのがいけない。 誰も注意しないのかと思えるほど、ヒドイ絵だった。 それでも、先生に付いて学んだと言うから、これは、その先生の罪なのか、本人が頑固なのかは、不明。
絵では、してはいけないルールがある。 絵は、人に何かを伝えるためにある。 だから、伝達を邪魔するものは、画面上から排除するのが、絵の基本的な描き方。 そのため、してはいけないルールがある。 当り前のこと。
その人は、してはいけないことを、ほとんど全部やっていた。 絵が窮屈、無駄なものを描き込み過ぎ、色合いを考えていない、構図は全く意図が不明等等・・・。 私の師匠だったら、その絵を一目見た瞬間、個展会場から一目散に逃げ出しただろう。 シャープな男なので、逃げ足は速い。
哀れな私は、すぐには逃げ出せなかった。 それほどの失礼をする度胸のない自分を責めながら、15分は、個展会場にいた。 本人からコメントを求められ、これまた、万事休す。 10才も年上の独身女性が、命(?)を掛けた作品を前に、言ってはいけないことがある。
正直に言うこと。
正直者が、ウソを付く瞬間である。
以後、その人の絵は見に行ってない。 招待状は、しばらく、毎年送られて来た。 人が完全に勘違いすると、他の者にとって、それは、恐怖そのものになることがある。 では、なぜ、本人に言わないか?
それは、言えない。 なぜなら、完全に勘違いしているので、ホントのことを言っても、理解しない。 言えば、恨まれるだけ。
君子、危うきに近寄らず。 ただ、逃げるのみ。
これが、一番、賢い。
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テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術
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