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アート21教室日記
田屋優・・・・・・画家、現代美術作家  西船橋の絵画教室、研究所主宰               (掲載内容の無断転用禁止)
プロフィール

田屋優

Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。
  画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。
 
「西船絵画教室アート21
 アート21研究所」
http://www.art21japan.jp/

 南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
  

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<教室日記>2013・12・3(火)
<教室日記>
(画面の作り方)

  先週の土曜日は忙しかった。 
毎月、29日から31日の5週目は、教室休講であるが、10月末の土曜日にキッズコースの教室展があったための調整で、11月30日の土曜日は開講した。

  土曜日は毎週忙しいが、30日は特に忙しい感じがした。 午前10時から午後1時までの大人教室は、満員。 月末なので月謝を払う人が多い。 そのため、経理事務と雑用、そして絵の指導に追われて、そのまま、1時から4時までの子供教室に突入した。
 
  1時近くになると続々と子供たちが集まり始める。 大人教室と子供教室ではテーブルの並びが違うので、セットし直していると、早くしろと言わんばかりに、子供たちが見ている。 
  セット終了とともに座り始め、

「今日、何やるの?」

  と一斉に言われる。 

そういえば、その前の大人教室が忙しかったため、子供教室の前準備が十分でなかった。 言われて、やり始めるので、

「早くして!」 とか、

「私、何やるの?」 とか、

  あちらこちらから苦情が殺到。 
出だしから、追われに追われた。 
  よりによって、欠席者ゼロ。 全員がいる。 20人近い子供を二コマで3時間相手にしなければならない。 学校と違って、絵の教室は、皆バラバラな作業をしていることが多い。 そのため、前準備は欠かせないが、今日はそれがない。 ヨーい、ドン! で始めたため、トンでもなく忙しい。 
  泣いている暇はない。 また、よりによって月謝の日。 準備しまくり、雑用しまくり。 
結局、10時から4時まで、6時間。 休みなしで、働き続けた。  

  午後4時。 子供たちが帰って行く。 

「終わった!!」 

  4時からまた大人教室。 しかし、珍しく、受講者は二人だけ。 いつも満員が常。 今日だけは助かったと思った。 
  今、描きかけの絵がある。 だから、朝、来るときから4時になったら、絵をのんびり描くつもりで来た。 生徒さんは二人。 のんびりできる。 
  しかし、予定は、あくまで未定。 絵を描く気力は、その時すでになし。 ただただ、疲れた。 

  午後7時半、二人目の生徒さんが帰った。 お仕事終了。 
後片付けをして、さっさと帰る。 駅の向こう側の自宅目指して歩く。 お酒を飲んでないのに、若干ふらついているような気がした。

  なんで、そんなに疲れたか、理由がある。 睡眠不足。 昨夜、「ホーンテッド」という恐怖映画を午前3時半過ぎまで見ていた。 
  土曜の次の日曜は、教室はお休み。 一日頑張ればお休みなので、睡眠不足覚悟で最後まで見てしまった。 午前8時起床であるが、眠りが浅く、3時間くらいの睡眠であった。 自業自得と計算違いのダブルセット。 

  ちなみに、「ホーンテッド」は、「たたり」という映画のリメイク版。 
タタったのかもしれない。 アチャー!


  さて、久しぶりに、アート講義をしようと思う。 
今回の話は、画面の作り方についてだが、大変に長い文章なので、二週に分けることにする。 興味のある方には面白いと思うが、そうでない方は、パスすることをお勧めする。 


  テーマの「画面の作り方」とは、なんぞや? というところから始めよう。
 
「画面の作り方」とは、作品を作る上での、基本的な考え方の説明である。 大変重要な説明であるが、なぜか、具体的な作品の作り方の本を見たことがない。 

  なぜだろう? 

色使いや、構図の説明、遠近法をちょっとかじるくらいはあるのだが、そういうものは、制作上の基礎知識であり、それを以って作品が作れるものではない。
  また、制作過程を紹介しながら、作品制作の解説するものもあるが、あれも分かりづらい。 大雑把過ぎるのである。 肝心なことは語らず、サラッと流している。 それでは、説明したことにならない。 もっと、細かく、もっと踏み込む必要がある。 

  そこで、今回、もっと踏み込んだ作品制作の解説をしてみることにする。 皆さんが理解できるか、どうかは保障できない。 というより、分かってもらうための解説ではない。
  ではなく、そういう解説が他にないので、解説するということ。 作品制作を進行する時に、作者がどういうことを考え、また、どういうことをポイントとするのか、そういう説明になる。 あとは、皆さん各自で考えてもらいたい。 


  さて、絵画教室に来る方のほぼ100%の人が、作品作りについては、知識がない。 絵の経験が3年以上ある方も来るが、技術を身に付けたくて来る。 と、言っていいだろう。
  デッサンが上手く描ければ、イコール絵が描けると考えているようだ。 しかし、これは単なる勘違いで、デッサンが上手く描ければ、デッサンが上手くなっただけで、絵、つまり作品が描ける保障は残念ながらないのである。 

  私は、デッサンなどの基本的な技術を描写技術と名付けている。 では、この描写技術を大工さんの仕事に例えてみよう。 さて、どうなるか。 
  大工さんの基本的な技術を考えた場合、釘の打ち方・のこぎりの引き方・カンナのかけ方などが頭に浮かぶ。 やはり、基本中の基本だろうと思う。 今では、それらの技術も機械で処理するだろうが、単なる例えだと思ってほしい。 
  
  大工さんは、家を一軒建てるのが仕事である。 したがって、釘の打ち方や、のこぎりの引き方の技術をマスターしたからといって、家が建つものではないことは、お分かりだろう。 家を一軒建てるには、別な知識が必要だ。 
  
  絵の話に戻すと、家を一軒建てることは、作品を一つ完成させることと同じ。 作品を一つ作るためには、作品作りという別な知識が必要ということ。 この知識を技術として捉え、私はこの技術を制作技術と呼んでいる。  つまり、一つの作品を完成させるには、描写技術と制作技術の両方が必要という話である。 

  今回の話は、「画面の作り方」がテーマだが、この制作技術の話と考えて頂きたい。 デッサンしてる人も、水彩画や油彩画の模写をしている人も、長く続けていれば、必ず、自分の作品を描きたくなるもの。 そういう時に、これからの話が役に立つ。 
 
  その前に、制作技術の基本的な知識をご紹介する。
まず、一つは、「人は、画面を見る時に、右から左に向かって見る傾向がある」 ということ。 紙面の関係で、詳しい説明は省くが、人は無意識にそういう見方をする。 

  また、もう一つは、画面上の役割の話。 
ヨコにした長四角に対角線を引く。 バッテンになった対角線の交わる所が中心。 つまり、ド真ん中。 あと上下左右の三角形がある。 この各々の三角形に役割があるということ。 
  具体的には、右は、華やかさ・賑わい、左はボリューム、上も華やかさ・賑わい、下がボリュームといった具合。  

  まあ、こういったことが、基礎知識なので、このことを頭に入れておいてほしい。 でないと、これからの話が分からなくなる。


1204池可会員展ハガキ作品

  
  さて、上の参考作品は、教室会員 I さんの「ガジユマルの木」のアクリル画である。 
この作品は、会員展の案内ハガキに掲載したもので、画面の作りが非常によくできている。 私も気に入っている作品なので、あえて、この作品を通して画面作りの秘密を解き明かそう。 

  まず、パッと見の印象から行こう。 パットと見ると、非常に木の逞しさが伝わってくる力強い絵だ。 自然の力というか、何百年も生き抜いて来た生命力がビシビシ伝わってくる。 
  絵として見た場合、画面の構築の仕方に感心する。 ビジュアルの法則に適った見やすく、そして、ドシッとした迫力は、圧巻である。
 
  この木は、沖縄県の島々に自生するガジュマルという木だ。 主に、南西諸島に分布する、とても、ユニークな木で、幹が多数分岐して繁茂し、気根を地面に向けて何本もたらす。 気根が地面に到達すると幹と区別がつかなくなるというもの。 
  そのため、1本の木が、複雑な様相を呈している。 それを、 I さんは写真に撮り、絵にした。 そうとう写真に近かづけて描いているが、やはり、画面上の帳尻は、どうしても必要になる。 

  ご覧のように木自体は、日陰になっている。 隙間から見える遠景から考えると、いい天気なようだ。光と陰。 そして、生命力。 それが、この絵のテーマと考えられる。

池可番号振

 
  そこで、本題に入ろう。 上の写真には番号が振ってある。  は、一番右側の部分を示しているが、前述の画面上の基礎知識では、ここが画面の始まりになる。 始まりなので、目が通りやすくする必要があるため、遠景が薄く見えるようにして、空間を作り、画面の入り口付近をゆったりと見せている。

   は、細い木が何本も描き込んであり、 を受け継いでいる。 実は、この細い木が効果的で、反対側の左側にあるような太い木だとうるさくなってしまう。 実際の写真の木が細かったのであろうが、もし、左側にあるような太い木だったら、少し細く描くよう努力する所である。
 
  始めの目の通り道としての効果は他にもある。  と  の下に楕円状の丸が三つあり、これも通りやすくする効果を生んでいる。 ここが明るいので、目が通りやすいということ。
  また、 と  の上の部分に、いくつもの木の隙間があり、これも、入り口をゆったりする効果がある。逆に、反対側の左側には、ほとんどない。 実際の木には、隙間はあちらこちらにあるはず。 明らかに調整がなされている。 左を抑えとした「左抑え」の画面構成だ。 

  「左抑え」は、目の終点が左にあるため、よくある抑え方である。 また、ボリュームを出す上でも、左抑えだと都合がいい。 したがって、ほとんどの絵は、左抑えだと言える。 
  今回の絵も右の始まりは、目が通りやすく、大きな塊や暗い障害物がない。 そして、終点の左側は、がっちりと抑え込んでいる。 そのため、画面のすわりが良くなっている。 

  余談だが、洋画の画面の考え方は、まず、画面のすわり。 それから細部に移っていく。 それが、洋画の考え方であるし、描き方でもある。 だから、画面のすわりを一番最初に考える。 
  アマチュアと呼ばれる方々は、画面のすわりを一番最初に考えない。 中途半端なところから入り、中途半端なまま進行していく。 そして、最後のほうで、やっとすわりの悪さに気付き、何とかしようとする。 

  何とかなる場合もあるが、ならない場合もある。 最後に帳尻を合わせようとすること自体、難しいのに、あえて、一番難しい方法で絵を描こうとしていることになる。 そして、必ず絵は難しいと言う。
  絵が難しいのではなく、難しい描き方をしたのである。
絵の難しさは、他にも色々ある。 だから、最初に難しい問題を抱えない。 もっとも描きやすい合理的な方法でアプローチするのが、絵の基本的な描き方である。

  また、余談をもう一つ。
油絵具で絵を描いたからといって、必ずしも洋画を描いたことにはならないということ。 油絵具は単なる道具。 したがって、日本画で使用する泥絵具で洋画を描くこともできる。 

  ここら辺が世間一般では、勘違いされている。 使う絵具でジャンル分けする。
これは、認識違い。 考え方でジャンルが決まると覚えよう。 洋画の考え方で描かれたものが洋画。 日本画の考え方で描かれたものが日本画。 現代美術の考え方で描かれたものが、現代美術になる。

  自己流で油絵を描いている人の個展に行ったことがあるが、本人は油絵を描いているので、洋画を描いているつもりでいるが、洋画の考え方が反映されていないので、洋画とは言えないと思ったことがある。  
  それを注意してあげるほど、私もお節介ではないので、黙って帰ってきたが、おそらく、勘違いしたまま、絵を描き続けるのだろう。 

(来週に続く・・・・・) 
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テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術

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