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アート21教室日記
田屋優・・・・・・画家、現代美術作家  西船橋の絵画教室、研究所主宰               (掲載内容の無断転用禁止)
プロフィール

田屋優

Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。
  画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。
 
「西船絵画教室アート21
 アート21研究所」
http://www.art21japan.jp/

 南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
  

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<教室日記>2013・9・24(火)
坂元京子・油彩0.7

会員 坂元京子 油彩画
<教室日記>
(会員作品紹介―9)

  先日の土曜日に、K君がひょっこり教室に現れた。 午後7時過ぎだっただろうか。 受講予約はないので、受講のためではない。 最近、携帯を壊してしまい、新しく買い求めた。 それで、携帯アドレスを教えてくれと、パソコンメールしていたのである。 
  
  まだアドレス登録していないとのことで、教室の隅で入力。 慣れないアイホン操作で時間が掛かった。 
  その後、せっかく来たのだから、次回作のモチーフを検討したいと言い、瓶とか貝とかをモチーフ棚からあれこれ集めだす。 久しぶりの鉛筆デッサンだ。 

  彼は土曜受講なので、瓶と貝は他の人とダブる可能性がある。 そのため、ダブらないものを教えた。あれこれ組み合わせているうちに、漂流物のような組み合わせになった。 浜辺に打ち上げられる漂流物である。 
  まだ、誰も挑戦していない縄の網付きのガラスのブイやヤシの実、流木、ヒトデ、貝、瀬戸物の瓶。 それを2枚のランチョマットの上に置いてみた。 スケールで覗くと、面白い漂流物セットができ上がっていた。  
  K君はとても面白がり、

「なんか、意欲が湧いてきました」 「やる気でるなー」

  と、言って、ご満悦。 

K君は、ここのところさぼりがちなので、いい刺激になったのかもしれない。 
  しかし、漂流物セットに抵抗を見せなかったのが、ちょっと不思議だった。 ブイや流木は、私が面白がって出したもの。 普通は、腰を引く。 厄介なモチーフだからだ。
 
  今までにブイを描こうとした人はない。 ブイだけを描いても相当複雑で面倒。 皆、嫌がった。 K君は、描けると思ったのだろう。 それが、在籍4年半の自信なのかも。 知らないうちに、それだけの力を付けたんだなア―と、今更ながら、感心してしまった。


  さて、作品紹介である。 作品紹介9人目は、坂元京子さんの油彩画。 
坂元さんも二人いて、ヨミ方は、サカモトで同じだが、こちらのサカモトさんは、本が、元という字を描く。 つまり、坂本ではなく坂元。 
  在籍年数は5年2ケ月。 教室入会時にすでに油絵の経験があり、外部経験が3年以上と、入会時のアンケートに記載されている。 つまり、中級者である。 

  坂元さんは、高校の時に油絵経験があって、また、描いてみたくなったというのが、教室に入ってきた理由のようであるが、やはり、経験者だなと思ったのは、まず、描き始めに画面作りをしたこと。 

  たいていは、まず輪郭線を描く。 それから塗り込んでいくのだが、これは、水彩画を描く時のクセのようなもの。 水彩画では、鉛筆で輪郭線を描き、それからその線を目安として、塗り始める。 
  水彩画は、油絵と比べると薄塗りなので、そういう描き方が有効であるが、油絵は、もっと濃厚なので、その描き方だと、画面が薄くなりがち。

  相当、慣れていれば、簡単な輪郭線を描き、そのあと、濃厚にできるのだが、経験があまりない人は、画面作りをして、描くことをお勧めする。 ただ、一つ問題があって、初心者にはこの画面作りが理解できないこと。 
  画面作りとは、制作をしやすいように、画面のアッチコッチに色をふり、まず、雰囲気作りをすることであるが、中々、描き始めの方には理解しづらいようである。

  原因は、小学校から中学、高校と続く美術教育の中で、画面作りという経験がないためだと思う。 輪郭線教育を受けている。 坂元さんは、たぶん、高校の時に、おそらく、美術部でこの画面作りを習ったんだと思う。 若い時に頭に入れたので、しっかりと頭に入った。 

  だから、わが教室でも、輪郭線から描き始めることを、勧めてはいないが、良しとしている。 しょうがないのである。 油絵の経験を積む前に、硬くなった頭から輪郭線を追い出すのは時間が掛かる。 追い出す前に、画面作りを理解しないまま、辞めてしまうのが関の山だろう。 
  それでは、何も得るものがない。 それで、少しづつ頭の中を入れ替える方法をとっている。 


  坂元さんの今回の油彩画の見所は、なんと言っても、この満開の桜だろう。 近景で桜の満開をアピールしている。 そして、奥行き感。 奥まで続く感じを上手くさばいている。 一番奥には山が薄くあり、遠景の距離を限定している。 
  山の手前には、どこまでも続きそうな桜の木が何本も植わっている。 こんな、ステキな場所でお花見ができたら、さぞ、いい気分だろう。 そんな気持ちにしてくれる。

  日本の田舎の景色だと、必ずと言っていいほど山が登場する。 日本の国土の狭さもあり、関東平野以外、どこに行っても山だらけである。 
  しかし、風景画を描く上で、この山が、遠景の距離を限定することに役立っている。 

  どういうことかと言えば、景色は限定された空間を描くことだと言えば、いいだろうか。 地平線まで続く景色が、はたして、魅力的か、ということ。 
  日本で地平線まで見える場所は限られるが、海なら水平線まで見えてしまう。 水平線丸見え。 だから、空と海を描く人は少ない。 絵にならないからだ。 間が抜けてしまう。 
  それで、近景、中景を入れて、海の広さは狭めて、遠景としての海を効果的に配置する。 それが、普通のやり方になる。 

  坂元さんの絵は、近景からきれいに遠景まで続いている。 近近景(左下の枝)・近景(上の桜)・中中景・中景(真ん中の広場)・中遠景(奥の桜の木)・遠景(山)といった具合。 それが、いい感じに描けているが、絵を見てお分かりだと思うが、描くにはそれなりの腕が必要。 難しいのである。 
  特に、中中景・中景のさばきがいい。 この絵でいいのは、桜より真ん中の遠近の出し方が、素晴らしいと私は思う。 ここのところが、坂元さんが中級者である所以だ。 

  以前にもこういう遠近が連続した風景を描いたことがある。 その時は、彼岸花が咲いている景色であったが、手前から奥へと続き、突き当たりは森になっている。 その絵も彼岸花が手前から奥へと続く様子を上手くさばいていた。 
  最近、この絵を展覧会出品して見事入選した。 

審査員も見るところは、ちゃんと見ている。 それが中級者の実力ということでしょう。
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テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術

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