<始めに、お断りして置くが、これは、全五章の連載である。一日一章、全五日間のつもりであったが、最初の一章が、すでに1000字を超えたため、二つに分けており、二章以降も不明なので、何日かかるか不明になった。あしからず>
一般に絵を始めるなら、まずは、デッサンからと皆考える。デッサンが基本だと言う。果たしてそうか?
これが、結構難しい問題を抱えている まず、デッサンとは、いかなるものか、を考えてみよう。 わが「大人コース」の人で、デッサンを勉強したほうがいいのにと、思う人も確かに何人かいる。どうして必要かといえば、画面が見づらいこと、バランスが悪いこと、角度がマチマチであること、が挙げられる。
絵は基本的にメッセージである。自分の感じたこと、感動、イメージを第三者に伝えるのが、絵の役割である。それには、素直に伝えなくてはならない。その伝達を邪魔するものは、排除するのが、絵の制作上の基本的考え方になる。画面が見づらい云々では、困る。そのためには、デッサンをやって補うのも、方法である。
デッサンの効能ともいえる基本的要素は色々ある。構図の問題、バランスの問題、形の把握、人物の骨格及び肉付き、画面上の表情のつけ方、濃淡のバランス、製作過程の反復エトセトラ。様々な要素は、デッサンを勉強することで、絵の制作上、得るものが大きいと言わざるを得ない。
また、デッサンは、実体に限りなく近づける作業でもある。写実であるから、見たものをそのまま、描く。そのまま、描くのであるが、これが、簡単ではない。なぜなら、ここには、カラクリがある。 見て、手が描く。順番でいうと、このように、思える。
しかし、一つ抜けている。見て、脳が認識して、手が描く。となる。つまり、目はものを考えない。見るだけ。見たものを脳に伝えるだけである。脳が考え、認識する。当たり前だと、思うかもしれないが、実はカラクリは、この脳にある。(つづく)
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