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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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<教室日記>2013・6・4(火) |

会員 河合 剛 木炭デッサン <教室日記> (会員展後)
教室は、会員展終了後、5連休。 5週目はお休みのためである。 28日の火曜日は、5週目ではないが、5月の連休休みの時に調整して、5連休にした。 今回のお休みはありがたい。 会員展は、大きなイベントの一つ。 準備のための様々な雑用に追われながら、25日・26日の会員展当日は、神経を張りっぱなし。 気を張っているので、その時には気がつかないが、終わってみると、体にドッと疲れが溜まっているのが分かる。 やはり、疲れるのである。
26日の会員展二日目の時に、会員のKさんが会場にやってきた。 60代半ば過ぎのおじ様だが、「湯沢温泉スケッチコンクール」で、佳作入賞したとのこと。 確か、そのコンクールでは、二度目の受賞。 受賞したスケッチは、水彩スケッチで、教室で描いたもの。 私もあれこれアドバイスした。 「先生に報告したくて」 と、言って、絵を見せてくれた。 展示会場にいた他の人にも、見せている。 やはり、うれしいのだろう。 おめでとう!
28日の日に、今度は教室助手の一戸さんが、佳作を取ったと、電話してきた。 彼女は、30代で青森県出身。 私の三番目の弟子である。 東京都美術館で開催される「新象展」に100号を出品した。 自宅制作なので、「とにかく、派手にやれ!」 「地味にしてはいけない」 と、アドバイスした。 展覧会は、ケンカの場。 自分の世界を表現したいと思っても、地味になったら、誰も見てくれない。 そこが、個展とは違う。 個展会場では、自分の絵しかないので、皆、きちっと見てくれる。
展覧会会場では、目に付いたものしか見てくれない。 と、思っていい。 だから、アピールした者勝ち。 良くも悪くもそういう場所。 「新象展」初出品で、佳作とは、幸先がいい。 結果発表に相当驚いたらしく、電話の向こうの声は、少し震えた涙声だった。 あとで、分かったことだが、ホルベイン画材賞もとって、ダブル受賞だった。 これも、おめでとう! よかったね。
おめでたいことは、続くのかもしれない。 31日には、同じく30代会員の女性、Sさんが、上野の森美術館で開催する「自然を描く展」で、入選したとの知らせが入った。 やはり、私が細かく面倒みた作品である。 これもまたまた、おめでとう!
教室でも、コンクール、公募展に出品する人が増えてきた。 いい傾向である。 ドンドン出品してもらいたい。 教室展示とは違う世界を見ることは、勉強になるし、刺激も違う。 制作の工夫も違ってくる。 何でもそうだが、絵も経験第一。 一つ描いて一つ学ぶ。 その繰り返し。 そうやって、前に進む。 気がつくと、結構遠い所まで行ったことが分かる。 それが、その人の足跡であり、歴史である。 それが、自信に繋がっていく。 自信がつくと、趣味の絵でも目的意識が生まれ、達成意識へと繋がる。 そうなると、その人の絵を通した人生ができ上がってくる。
「絵を描いてきて良かった」 と、必ず思うはず。
5連休中の28日月曜日に、秋葉原で大学時代の友達と飲んだ。 多田という男で、横浜市に結構広い家を建てた。 立派なものだ。 大学生の時に下宿から下宿の引越しを手伝ったが、本とコタツぶとんと簡単な調理道具だけが、彼の持ち物だった。 リヤカー一台で事足りた。 私は、親元にいたせいか、私より荷物が少なかった。
頭は悪くない。 むしろ、いいほうだ。 理論家で分析家だが、典型的な無趣味の男。 その彼が、来年3月に仕事を辞める。 何十年と勤め上げ、暇がやっとできる。 さて、それで困っている。 何を趣味にしたらいいのか、分からないと言う。
酒も飲む。 ゴルフもする。 マージャンもする。 本もよく読む。 しかし、どれも、夢中になるほどではない。 お酒命ならそれはそれで幸せ。 現に、大の日本酒党で、糖尿病になっても、酒を止めなかった人がいた。 医者に禁酒を命じられたが、酒を飲めないなら死んだほうがましと、薬を飲みながら、日本酒を愛飲し続けて大往生した。 高校の同級だった田口の親父様がそうだった。 酒なしで生きていても、意味がなかったのだろう。
考えてみると、私も趣味らしい趣味がない。 絵を描くことを最優先してきたので、趣味は必要なかった。 しかし、絵を描くという目的意識があるため、退屈とは無縁である。 多田は、仕事が趣味だったのかもしれない。 団塊の世代の大きなジレンマである。 趣味を仕事にしたために、仕事を離れた途端、路上に放りだされたように困惑する。 よく聞く話だ。
色々とアドバイスしたが、「ウーン」 と歯切れの悪い返事ばかり。 で、とうとう、方針を変えた。 頭のいい男なので、その場限りの慰めは不要。 正直に言うことにした。
「探しても何も見つからないぞ」 「だって、昔からそうだったから」 「学生時代から、酒を飲み、マージャンをして、パチンコをしていた」 「そうやって、何十年も過ごしてきて、一体何が見つかる?」 「新しいことは、前にはないよ」 「未来にはない」 「過去にこそある」 「過去を振り返って、情熱を感じることが見つけられなかったら、今後も見つからない」 「それが答え」 「だから、そう結論付けたら、空しくなるだろう」 「空しくて堪らなくなったら、その時こそ何か見つかるかもね」
「お前、眠れなくなるようなことを言うなあ~」 そう言って、多田は帰って行った。
絵を描こうとしている人、絵を描いている人。 何かの経験を積むことが、人生を豊かにする。 だから、やり始めたことは、簡単には辞めないこと。 このこと、極めて大事なことだが、さて、何人が実践できるだろうか。
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テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術
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