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アート21教室日記
田屋優・・・・・・画家、現代美術作家  西船橋の絵画教室、研究所主宰               (掲載内容の無断転用禁止)
プロフィール

田屋優

Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。
  画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。
 
「西船絵画教室アート21
 アート21研究所」
http://www.art21japan.jp/

 南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
  

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<教室日記>2013・3・5(火)
Nデッサンテキスト5基礎摸写見本画・水差しと布-1

通信講座デッサン見本

<教室日記>
(足し算と引き算)

  文化には、足し算的考え方と、引き算的考え方の二つがある。  
このことは、以前にも書いたが、だいぶ前なので、知らない人も多いだろう。 それで、また、内容をちょっと変えて書くことにする。

  文化とは、洗練を伴うので、より洗練するためには、プラスしていく方向か、マイナスしていく方向かのどちらかを目指すため、真ん中がない。 
  足し算文化は、世界中のあらゆる国々を挙げられる。 しかし、引き算文化は、日本だけだろう。 引き算をする文化を、日本以外で聞いたことはない。  
  世界的に見ても、引き算文化は、非常にユニーク。 つまり、引いたところに美を見出すということ。
  こういう考え方をする民族はいない。 世界一短い文学と言われる俳句を生み出した国である。 引いて引いて、これ以上引くことができない最小かつ簡潔な感覚に美を求める。 
  
  今でもこの感覚は、日本の土壌の基本的な感覚としてあるので、我々は、この感覚を 基本的に身につけていることになる。 日本の土壌、日本の社会構造が生み出すものなので、国籍を問わず、日本育ちなら、この感覚は、理解できるはず。
 
  仮に、日本育ちを全て日本人という言い方をすると、日本人なら、京都のお寺の庭を見て、その簡潔さは理解できると思う。 「意味分かんねー!」 という高校生は、たぶん、いないだろう。 好きか嫌いかは、別にして、なぜ、簡潔なのかは分かるはず。 それが、文化的感覚というもの。

  金沢に日本画を描く西洋人がいて、その制作や作品をテレビで紹介していた。 どこか、変だとその作品を見て思った。 ハッキリ言って、西洋的な足し算思考で、引き算の真似事をしている絵というのが、印象。 
  つまり、日本人ではないので、引き算思考がない。 引き算の本場で、引き算の真似事をして何になるのだろうか。
  その画家が目指すべきは、引き算を理解しようとする姿勢ではないのか。 

美術も当然ながら、足し算と引き算がある。 西洋美術が足し算で、日本美術は、基本的に引き算。 日本美術とは、日本画を指すのではなく、日本人が描く絵の総称。 

  さて、そこでややっこしい問題が待っている。 

西洋美術の足し算を習った日本人画家は、足し算思考を理解しようと努力しなければならないかという問題。
  私の知る限り、西洋美術を学んだ者が、このことを話題にしたことはない。 仮に、西洋美術の代表的絵具を油絵具だとして、油絵具の描き方を講釈する日本人は多い。 西洋美術の考え方も同じく語られる。 しかし、根底に流れる足し算思考を講釈する画家はいない。

  日本に来たエセ画家の悪口は、私に限らず皆言うと思う。 しかし、それなら、こちらも同じドロをかぶることになる。 なぜ、足し算思考を理解しようと考えないのか?

  日本画を描く西洋人に話しを戻してみよう。 彼の立場になって考えたとすると、彼は、日本の引き算文化に非常に興味を感じたのだろう。 面白いと思った。 そこで、まね事をしだした。 彼は、足し算文化圏なので、引き算は理解できない。 そのため、足し算をしながら、引き算もした。

  しかし、このことは、かって西洋でも行われたことである。 足し算をしながら、引き算もする。 ヨーロッパにおいて、特に19世紀のパリにおいて、引き算が流行った。 日本の浮世絵が西洋美術に与えた影響である。 これを印象派と言っていいだろう。 印象派の定義は、他にあるが、絵の仕上げが引き算になっているのが、一つの特徴だと私は思う。 
  
  よく分からない方のために、説明しよう。 

足し算的な思考で、絵を描くと、これでもか、これでもかと、積み上げていくやり方になる。 コップに水を足して、こぼれる寸前まで水を足すのが、足し算のやり方。 いっぱい、いっぱいに描いていく。 世界中の歴史的な建造物、絵画が、いっぱい、いっぱいの装飾品や描写スタイルであることは、皆さん、誰もがご存知のとおり。 バッキンガム宮殿の内装の華やかさは、足し算文化の極致だろう。

  これに、引き換え、引き算文化の簡素で、簡潔な佇まいや、ガランと大きく空間を取って描かれた屏風絵など、実に、シンプルこの上ない。 

  フル・イズ・ベストか、シンプル・イズ・ベストかは、単なる文化の違い。 そのため、フル・イズ・ベストだと思っていた人々が、シンプル・イズ・ベストに出会うと驚くのである。 この影響を受け、フルが少しへこむ。 それが、印象派というわけ。 

  しかし、印象派の画家達は、日本の引き算文化の物まねとは、言われない。 なぜだろうか?

  それは、引き算を自分たちの足し算と融合させて、新しいものを生み出したからである。 つまり、引き算の上っ面だけで終わると、物まねになり、取り込んで発展させると文化になる。 
  印象派の画家達は、取り込んで発展させたので、物まねに終わらなかった。 彼らにとって、引き算文化を理解する必要は、初めからなかった。 刺激を受けたことで、十分だった。 
  これと同じことが、日本人の画家にも言える。 足し算文化を理解する必要はない。 影響を受け、取り込んで、発展させることに意味がある。 だから、足し算文化を講釈する日本人画家がいないわけ。 あとは、作家性の問題になる。 

  金沢の画家も、引き算を理解する必要はなかった。 彼がすべきことは、引き算文化を取り込んで発展させることだった。
  残念ながら、作家性において未熟だったのである。 


<ボランテイア活動をしています>
公益NPO各団体の支持を得た活動です。

通信講座テキスト一部を実費(500円)で、提供します。
対象者:おおむね60才以上の方・障害のある方・12才以上大学生まで。
● デッサン講座・水彩画講座・パステル画講座
● お問い合わせ : taya@art21japan.jp (コピーして下さい) 
● 注意     :教室お問合せと混同するので、件名は「ボランテイアお問合せ」でお願いします。
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テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術

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