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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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<教室日記>2012・9・25(火) |

通信講座水彩画見本
<教室日記>
土曜教室の R ちゃんは、小学2年生。 頭のいい元気な女の子である。 背が高く、とても2年生には見えない。 私立の小学校に通っている。 土曜教室には、R ちゃんと同じ学校の女の子が他に二人いる。
ここのところ、家のお出掛けが重なり、2回連続でお休みしているので、コンクールの絵が、下書きのまま残っている。 来週も学校の行事でお休みの連絡が入っているので、このままだと、絵は完成しないままシメキリが来る。 下書きのままでも出品するが、可哀相に思えた。 先週の土曜日の子供教室で、このことが話題になった。 R ちゃんと同じ学校の4年生の M ちゃんが、やはり、学校の行事で来週休むため、早々とコンクールの絵を仕上げた。
「先生、あと何したらいい?」 と聞いてきた。 まだ、授業終了まで45分もある。 「M ちゃん! ちょうどいい! R ちゃんの絵を色鉛筆でいいから塗ってあげて」 と言った。
「やだ!」 「やってよ! R ちゃんも喜ぶよ」 「先生が塗ればいいじゃない」 「そうだ! そうだ! 先生が塗ればいい」 と、他の子までも言いだした。 他に女の子が、6人いる。 「先生は、塗る人じゃないの 塗らせる人なの」 と言ったが、無視された。
「責任重大だから、やりたくないよね」 M ちゃんと大の仲良しで、同じ4年生の K ちゃんが、横から言った。
そういう考え方をするのかと思った。 女の子は微妙である。 これが、男の子なら面白がって、メチャクチャに塗るところだ。 仕方なく、R ちゃんの四つ切の画用紙を広げた。 海のコンクールなので、海の中を魚がたくさん泳いでいる。 一番大きな魚を塗り出したら、子供たちが集まってきた。
「先生! 何でオレンジで塗るの?」 「変だよ」 R ちゃんと仲良しの Ki ちゃんが、言い出す。 「いいの! オレンジならきれいでしょう」
「先生! 塗り方雑!」 「塗り方雑だよ」 と、M ちゃんまでが言いだした。
「先生が普通に塗ったら、上手過ぎるでしょ」 「だから、小学2年生風に塗ってるんだよ」 「雑!」 「Rちゃんは、もっと上手い!」
ケチをつけられながら、続いてタコを茶で塗り始めた。
「先生! タコは赤だよ。 何で茶なの?」 Ki ちゃんが言い出す。 今度は、タコの色にクレーム。
「タコは茹でると、赤くなるの」 「茹でたタコが泳いでるワケないでしょ」 「タコは赤!」 2年生の Ki ちゃんは、タコは赤いと言って譲らない。 仕方なく、茶に塗ったタコの上から赤を塗った。 変な色になった。 もう知らない! タコの次は、小魚を塗ることにした。 「先生! なんでその魚、青で塗るの?」 「R ちゃんなら黄色で塗ると思う」 と、M ちゃん。 「そうだ! そうだ! R ちゃんが可哀相だ」 と、K ちゃんが同意する。 嫌なコンビだ。 集中攻撃をくらっている。
「もう、うるさいな! じゃあ、そっちの魚塗ってよ」
M ちゃんと、K ちゃんが反対側から手伝い出す。
「先生 ヘタだね。 塗り方ヘタ過ぎ!」 K ちゃんにブツブツ言われた。
「R ちゃんの絵を塗ったこと、R ちゃんに言わないで 学校で会った時に」 と、M ちゃんに言った。
女の子の気持ちは、微妙である。 知らなければ、知らないに越したことはない。 口止めできるとは、思わなかったが、一応言ってみた。
「どうして?」 と、聞いた。 「なんとなく」 「じゃあ言う」 「言わないで」 「言う」
M ちゃんが背景を青色で塗りだした。 海の中の色。 やけに丁寧に塗っている。 自分の絵の時には、これほど丁寧に塗らないのに。 面白い心理だと思った。 途中で私は、抜け出したが、子供たちは何も言わずに塗っている。
結局、まんまと子供たちに塗らせることに成功。 先生の勝ち! ただし、ヘタに塗ったのは、丁寧に塗らせるためではなかった。 本当に、小学2年生用だったのだが、子供たちが言うほど、丁寧には、普段塗らないはず。 絶対。 それには自信がある。
「まったく調子いいだから」
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テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術
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