(つづき)
そして、問題の空、郊外もしくは、街中でも、景色を広範囲にとると、空は入る。入った場合、どのくらい入れるか、検討しよう。
さて、地上近くの<かたまり>であるが、絵で大事なのは、<かたまり>の配置と、方向性である。これは、静物画にもいえることであるが、同じ方向に偏らないことが、肝要である。なぜなら、単調になるから。景色もしかり。
目線より上の景色、下の景色は、当然、景色の分岐点になり、様相も変わる。そこに<かたまり>例えば海、川、、森、建物、家屋などが、どう関わるか、そして、どのような方向性があるか、を探ること。
これは、言い換えれば、景色のハーモニーを探すということである。散乱した景色の中に、調和を見出す。風景画とは、この組み合わせの妙味を描くということである。風景画の一番面白いところでもある。
景色は、静物画を描くときのような、配置とか、組み合わせを考えなくていい。静物画の能動的制作は、これは、これで、面白いが、景色は受動的制作に面白さがある。
そこに、あるものの配置を換えられないが、多種多様な、形の展開、色、奥行き、組み合わせのパターンを、選ぶことができる。そして、その選び方は、大きく言えば、地球規模である。
ここを描こうと思える場所、ここがいいと思える場所を見付けること。風景画は場所を見付けたら、半分できたようなものであると考えよう。本当はそうではなくとも、そのくらい重要である。
だから、スケールで覗きながら、街中でも郊外でも、歩いてみよう。スケールで景色を切り取ると、意外なものが、面白いことに気が付くと思う。
郊外ばかりではない。自分の周りにあるのも景色である。心地良いハーモニーは、意外な所にあったりもする。
そうやって、面白い組み合わせ、心地良い組み合わせを探し見つけ出そうとすることを、景色を読むという。
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