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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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アート講義(番外編・総合) ‘11/10/11(火) |
<仕上げー2>
前回は、仕上げに入った場合の、絵のチェックの仕方について述べたが、もう一つチェックの仕方があるので、ご紹介しよう。 これについても、以前書いたことであるが、ためになることなので、繰り返すことにする。
さて、前回、絵のチェックは、こうすると良いという話をした。 できるだけ客観的に見るための要領である。 今回は、クオリテイーチェックの仕方をご紹介する。 クオリテイーなので、作品の質をチェックするということになる。 初心者には、質までは恐れ多いと思うかも知れないが、知っていて損はない。
やり方は、いたって簡単。 他の絵と比べるというやり方をする。 比較して確認する。
そもそも、制作は思い込みが描かせるものなので、作者は制作終盤になると、相当思い込みも激しくなり、絵を見る目も曇りがちである。 つまり、描いた絵と、自分の中の思い込んだイメージを足して絵を確認するということが、起きる場合がある。 これは、結構慣れた人でも起きる現象であるので、結構厄介だと言える。
最近、そういう典型的な例に出会った。 ある人(男の人)が、私に絵を見せた。 絵の経験は、15年以上のベテランで、丹念に描き込んだ作品は見栄えが良い。 その人が、家族旅行した際に、宿のそばにある海岸を、朝早く一人で散歩したらしい。 静かで穏やかな景色だったのであろう、それを写真に撮り、あとで、一枚の水彩画にした。 その絵の感想を聞かれたのである。 正直、これが何とも寂しい絵であった。 寂しいというのは、孤独という意味でなく、絵が寂しい。 イメージだけで、見る要素が少ないというか、普通はもっと色々描くだろうと思うような絵であった。
本人は、結構良い感じに描けていると思ったのだが、家族には不評。 それで、私に感想を聞くことになった。 まあ、これが思い込みの為せるワザというもの。
さて、どう思い込んだのだろうか。
つまり、前述したように描いた絵と、自分の中の思い込んだイメージを足して絵を確認していたのである。 彼の頭の中には、その時の情景がまだ残っている。 それで、描いた絵を見ると、潮の香りや、波の音、朝の爽やかな空気などが、感じられるのだろうと思う。 そのため、彼にとっては、その情景は克明である必要がない。 描いた絵と頭の中のイメージを足すと、ちょうど良かったのだろう。
しかし、それでは、第三者が見たら、何か足りないと思うわけだ。
さて、話を戻そう こういう場合、他の絵と比べてみる。 キチッと描かれている絵であれば、何でも良い。 カレンダーに付いている名画シリーズでも良いし、切り抜きでも良い。 比べてみると、目が醒める。 本人は、そこで「あれー!」と思うわけである。
要領としては、他の絵をジーと見る。 よく描かれているなとか、良い感じだなとか、できるだけその絵のことを考える。 それから、自分の絵をパッと見る。 それだけで、十分。 間違いは一目瞭然であろう。
前回の「仕上げ」では、できるだけ客観的に自分の絵を見る説明をしたが、万一ほとんど客観的に見たとしても、クオリーテイーは、別の話なので、前回のやり方と、今回のやり方の両方を仕上げと思ってもらいたい。 まとめると、できるだけ客観的な状況下で回数チェックし、他の絵と比べて、さらにチェックすること。 それが「仕上げ」という作業と覚えよう。
これなら大丈夫というところまでチェックし、また、そこまで神経質になれたら、絵は相当上手くなっていくと、約束できる。 だがしかし、そこまで神経質に考えられなかったら、先は長いと考えよう。 いつかそういう時が来ることを期待して、のんびりやりましょう。
田屋のアート講義は、‘09/4/23(木)を以って終了しました。
「研究所レベル」・「大人コース(中・上級)レベル」・「大人コース(初級)レベル」・「キッズコース」・「高齢者のための絵画指導」の五講義(各60テーマ)は、左欄のカテゴリーで、閲覧出来ます。
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