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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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アート講義(番外編・総合) ‘11/10/4(火) |
<仕上げ> 7回目のアート講義は、仕上げについて。
以前「研究上レベル」でも仕上げについて述べたので、興味のある方は、そちらも読んで頂けると、分かりやすいかもしれない。
さて、おそらく、ほとんどの絵画教室では、仕上げはやらないと思う。 仕上げと言う言葉自体先生は、使わないのではないかと思う。 理由は至って簡単で、面倒だからである。 仕上げは、もっとも難しい作業である上に、説明が難しく、さらに、非常に感覚的な作業であるため、仕上げを教えだしたら、マンツーマンにならざるを得ない。 それが、面倒なので、仕上げは教えずに、先生の「ハイ!OK」で済ませてしまう。 たぶん、当たっている。 自分で学べというのが、先生の言い分だろう。
そのせいか、他の絵画教室経験のある生徒さんが、一様に仕上げについて何も知らなかった。 仕上げという言葉自体知らない。 まあ、教え方は人それぞれで、私がとやかく言う問題ではないので、先に進む。
なぜ、仕上げが難しいか。
簡単に言って、仕上げは幕引きなので、タイミングが難しい。
しかし、タイミングだけなら、それほど難しくはない。 このタイミングの判断を邪魔するものが、二つあるので、ややっこしい。 一つが欲望・願望、二つ目が客観性の欠如。
分かりやすく説明すると、まず一つ目は、絵をもっと良くしようとする欲望や願望が、タイミングの足を引っ張る。 初心者には、ほとんど無縁と言っていいが、絵の経験5年から10年以上になると、こういう現象が起こる。 二つ目が、客観性の欠如。 その絵に付き合い過ぎたために、自分の絵が分からなくなってしまう状態を指す。 つまり、第三者的に自分の絵が見れなくなってしまうのである。 これは、誰でも陥るので、初心者にも当てはまる。
さて、この厄介な二つに対処する方法だが、一つ目の欲望・願望に関しては、対処法はない。 本人の気持ちなので、どうすることもできない。 したがって、仕上げ方は、二つ目の客観性の欠如に対する要領の話になる。 いかにして、客観的に見るか? である。
できるだけ客観的に見る状況を作ると言うのが、答えになる。 本当は2、3年絵を寝かすのが、一番良い。 2、3年その絵から離れれば、ほぼ間違いなく、絵を見た時の状況は、第三者に近いものがある。 しかし、制作の現場で毎回それはできないので、その絵のことをできるだけ頭から切り離す状況を作るということになる。
具体的に言うと、絵をチェックする時に、絵を見ながら後ろに下がってはいけない。 絵をチェックする時は、絵から離れて、後ろに下って見ることは、皆するであろう。 そういう時に、見ながら下ったのでは、絵のことが、頭から離れない。 下がる時は、後ろ向きに、できるだけ絵のことは、考えずに、また見ないようにして下る。 他のものをじっと見るのも良い。 それから、1回だけ、絵をパッと見る。 その時に感じたこと、印象は、第三者が見た時に少しは近いだろうということ。
初心者は、「ウソでしょう?」と思うかもしれないが、制作の現場では、そういう面倒なことをする。
また、仕上げは描くというより整理なので、仕上げに入ったら、急がないこと。 急いでもどうしようもない。 私は、仕上げに入ったら、買い物に行くとか、用事を済ませてしまうことが多い。 戻って来た時に、パッと見て直し、また出掛ける。
まあ、いずれにしろ完璧な方法はないと言って良い。 だから、納得のいくまで、パッと見るを繰り返す。 3日で描いた絵を仕上げに入ったら、その後、2週間掛かったこともある。 良いか悪いかの問題ではなく、結局、最後まで迷いに迷うのである。 制作で、責任を持ってできないのは、仕上げだと言っても良いかもしれない だから、仕上げに入ったら、何度もチェックすると覚えよう。 何度もチェックして、安心を得るしかない。 それほど、厄介なのが仕上げである。
藤田嗣冶が言っている。
「1回見るか、100回見るか」
我々は、100回見ることにしましょう。
田屋のアート講義は、‘09/4/23(木)を以って終了しました。
「研究所レベル」・「大人コース(中・上級)レベル」・「大人コース(初級)レベル」・「キッズコース」・「高齢者のための絵画指導」の五講義(各60テーマ)は、左欄のカテゴリーで、閲覧出来ます。
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テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術
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