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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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アート講義(番外編・総合) ‘11/09/13(火) |
<制作技術についてー2>
6回目のアート講義は、制作技術パート2。
前々回、描写技術と制作技術の違いの話が出た。 今回は、制作技術の具体的な話をしてみようと思う。 なぜ、これほど制作技術を繰り返し解説するかと言えば、「制作」とは、ほとんど制作技術のことだからである。 制作=制作技術 と、考えている。 それで、「制作」を語れば、制作技術も当然登場するわけである。
制作技術は、段取り技術であり、制作の大枠であると前回の「描写技術と制作技術の違い」で述べた。 つまり、描くこと以外は、全て制作技術と考えて良い。 制作技術は、段階分けすることができる。 段取り技術なので、当然こういう考え方ができるのだが、ここでその段階分けをしてみよう。 何かを描いてみたいと思うところから、制作技術は始まるので、最初は、「発想」になる。 この場合の発想は、「何か」に当たる部分の発想なので、最初の発想という意味で「第一発想」と呼ぶことにする。
① 第一発想 ② エスキース(試作)、または簡単な確認のための下書き。 ③ 描き始め・制作序盤 ④ 描き進み・制作中盤 ⑤ 第二発想(制作の中盤あたりで、大体、皆、行き詰まる。それで、新たなアイデアが必要) ⑥ 描き進み・制作中終盤 ⑦ 描き進み・制作終盤 ⑧ 仕上げ
と、こういう一般的な段階分けができる。 人により、また制作によっても違ってくるのは、行き詰まり方にあるので、制作中終盤や制作終盤で、第三発想や第四発想が必要になってくる場合もある。
さて、上の段階分けを、もっと簡単に分けてみることができる。 簡単に分けると、制作の段階的なポイントが見えてくる。 つまり、絞り込むと三段階になる。 これが、制作の重要な三段階分けである。 すなわち、発想・中盤・仕上げ。
ものの始まりは、常に大事なので、発想が大事な段階として最初に挙げられる。 次が中盤。 中盤までは、事故さえなければ、おおむね順調に進む。 中盤でたいてい、壁にぶつかる。 第一発想では足りないと気が付いたり、例えば顔の描写が上手く処理できないとか、色々な問題を抱えてしまう。
そして、上手く中盤を乗り切ったとして、最後にやって来るのが、仕上げである。 この段階分けで、一番厄介なのは実は、仕上げだと言える。 この仕上げが、その制作の全てを締めくくるので、これをおろそかにすると、後で後悔する。 絵を10年描いている人でも、この仕上げを重要とは考えない。 なぜか、中盤過ぎるともう仕上がった気分でいる。 それでは、いつまで経っても絵は良くならない。
考えてみれば、お分かりだろう。
野球の試合に例えると、勝ち試合を締めくくるピッチャーをクローザーと言うが、正に試合をクロウズ(終りにする)するピッチャーが、もし打たれて逆転負けしたら、それまでのホームラン・タイムリーヒット・ファインプレーが、全て消し飛んでしまう。 何事も最後が重要なのは、何もスポーツの試合に限らず、絵の世界でも同じことが言える。
制作技術で、または、制作で、一番重要なのは仕上げだと覚えよう。 プロでも仕上げだけは、手を焼く。 だから、仕上げを完璧にできるプロは存在しないと、断言できる。 なぜなら、最後の最後に皆、必ず迷うからである。 真剣に描けば描くほど、その気持ちに比例して迷いも増幅する。 あの有名な「モナリザの微笑」も、ダビンチが、最後まで手元に置き、直し続けた。 ある日本の洋画家が、小川を描いた作品を、十年以上も直し続けたという逸話もある。 そのくらい直すことが良いという話をしているのではない。 それだけ、迷うと言う話をしている。 実際、直し続けたために絵が悪くなる場合もある。 直し続けて良いことはないと、私は思う。 おそらく、絵描きのほとんどが、そう思っていることだろう。
しかし、本人はどうしても直してしまう 何十回も何百回も見ていれば、気になる所は、尽きない。 そういうものである。 けれども、結果が良くなるか悪くなるかに係わらず、直してしまうのが、描き手の性分というもの。
この仕上げ方については、ある程度要領はある。 完全ではないが、あることはあるので、次回にご紹介しよう。 研究所レベルでも、ご紹介したがここで繰り返し、できるだけ分かりやすく説明したいと思っているので、 乞うご期待。
田屋のアート講義は、‘09/4/23(木)を以って終了しました。
「研究所レベル」・「大人コース(中・上級)レベル」・「大人コース(初級)レベル」・「キッズコース」・「高齢者のための絵画指導」の五講義(各60テーマ)は、左欄のカテゴリーで、閲覧出来ます。
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