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アート21教室日記
田屋優・・・・・・画家、現代美術作家  西船橋の絵画教室、研究所主宰               (掲載内容の無断転用禁止)
プロフィール

田屋優

Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。
  画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。
 
「西船絵画教室アート21
 アート21研究所」
http://www.art21japan.jp/

 南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
  

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アート講義(番外編・総合) ‘11/07/12(火)
<ツボの話>

  画面にはツボがある。
そういう話をしてみよう。 久しぶりのアート講義である。

  体にツボがあるように、絵を描く画面にもツボがある。 このツボを、ちゃんと抑えていると、絵を理解していると思うし、はずしていると、絵のことを知らないと単純に判断できる。
  
  絵画教室に絵を習いに来る人は、当然ながらこのツボは分からない。 分からないというよりも知らないといったほうが、いいかもしれない。 
  考えてみると、私もツボの話はしたことがないと思う。 説明したところで、非常に感覚的なため、説明が難しいので、初めからしないと言ったほうがいいかもしれない。 ツボにはほとんど理屈がない。 したがって、普段の教室では、中々説明する気にならないため、この誌面を借りて、頭を整理しながら、できるだけ説明したいと思う。

  さて、説明しようと思った経緯は、一昨日の日曜日にあった、「夏の特別教室」である。 「特別教室」は、年三回、教室がお休みの日曜日を利用して行う。 春・夏・秋の三回。
  午前は、10時から12時30分までが、イラスト初級教室・パステル初級教室があり、午後は、2時から5時までが裸婦クロッキー教室。 毎回希望者が多く、熱気に満ちている。

  午前部のイラスト初級・パステル画初級教室の他、今回は、ドローイング初級・抽象画初級の希望があった。
  イラストは大野まみ講師が担当しているが、パステル画担当の橋崎講師がお休みなので、残りの三科目は私が担当した。 
  教室の広告にはドローイング初級と抽象画初級は載せていないが、生徒さんと話しているうちに、やることになった。 ここで言うのもはばかれるが、私としては気が進まない。 なぜなら、ドローイングも抽象画も、このツボが関係するからだ。 

  ツボは画面の抑え所にある。 ここを抑えないと画面がしっかりしない。 画面の構成上のツボであると理解してもらいたい。 このツボにあたる部分に何かを描く、または、ここを太い線が通るとか、空白にしないという意味になる。
  
  ツボは、いくつもあり、その場所は、常に流動的。 初めの真っ白い画面では、ツボの位置もそれほど多くないが、ひとたび、画面に絵具を垂らすと、ツボが活発に発生し、場合によっては、ここを抑えないといけないと言えるほど、1点に集中することがある。

  例えば、一つのツボがあるとすると、二つ目は大体、対角線上にある。 例えば、画面右下隅に点を打ったら、二つ目のツボは、左上隅に発生する。 そのまま、右に行って、画面ヨコ中央右寄りに点を打つと、四つ目のツボは、左下あたりに発生する。次は、右上少し下・・・・・。
  特にドローイングはこのツボを抑えないと、収拾がつかなくなる。 抽象画もほとんどの抽象画家は、このツボを意識しながら描く。
  図で説明すると、もう少し分かりやすいのだが、私の技術的な問題から図が載せられない。 
  
  一つ例を挙げよう。 皆さんが風景を写真に撮ったとする。 ファインダー(今だとデジカメや携帯の液晶画面)を覗きながら、ちょうど納まり良い画面を探ることだろう。 そのちょうど納まり良い画面が、ツボを抑えた画面であると言える。
  だから、皆さんもツボは、無意識の内に意識していることになる。 それが、画面のツボと考えないだけ。 

  だから、ツボを理解しない人の絵でも、ツボを抑えた絵は、風景画に多い。 風景はそこにあり、トリミングするだけなので構図が苦手の方でも、何とかなる。 ツボを無意識でも抑えやすい。
  これが、静物画だとモチーフを自分で並べないとならない。 それだけ感覚的になり、ここら辺からあやしくなる。 さらに言うと、ズーとグレイドアップして、真っ白な画面から始めるとなると、完全にお手上げだろう。 

  と言うことで、皆さんとは全く無縁な話でもない。 条件により、可能だったり、可能でなくなったりする。 
  感覚なので易しいツボの抑え方もあり、難しいのもある。 結果的に画面の落ち着きを言うことなので、絶対に分からない感覚ではない。 ご安心を。

  さて、ツボはどのように勉強するかと言えば、デッサンで習得できる。 やはり、デッサンが絵の基本であるのは、こういうことから来るのであろうか。 
  デッサン以外にも、他に習得する方法はあるが、デッサンが一番効率良いだろう。
  そうは言っても、簡単ではない。 
デッサンに必死に取り組んで、習得できるかどうかは保証できない。 少なくとも、ちょっとやったくらいでは、まずもって難しい。 

  絵の世界では当たり前の日常的な感覚であるが、一般レベルでは、その存在すら知らない。 
  こういうことが、絵の世界にもあります。

田屋のアート講義は、‘09/4/23(木)を以って終了しました。

「研究所レベル」・「大人コース(中・上級)レベル」・「大人コース(初級)レベル」・「キッズコース」・「高齢者のための絵画指導」の五講義(各60テーマ)は、左欄のカテゴリーで、閲覧出来ます。
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