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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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アート徒然日記 ‘11/06/28(火) |
<沈黙の効果>
ケーブルテレビの時代劇専門チャンネルで、毎週日曜日の午後6時から「剣客商売」を放映している。 5時からは「鬼平犯科帳」。 毎週楽しみにしている。
この「剣客商売」で、藤田まこと演じる秋山小兵衛が、面白いことを言った。
「何事も口に出して言うと、力が抜けるものだ」
何気ない言葉であるが、心に引っ掛かる。
確かに、そういうことはある。 言葉を発しない方が、力が貯まるようなことは、誰でも経験したことがあるだろう。 黙っているほうが本気度が高い気がする。 本気になればなるほど喋り続けるのは、落語家と漫才師くらいだろう。 普通の人間は、寡黙になる。 絵を描いている者も、寡黙な人は優秀な感じがしてしまう。 何か心に秘めたものがあるような気がして、単なる無口とは思えないものだ。 黙って座っているだけで、芸術のオーラが漂っているように感じてしまうのだから、不思議だ。
そういう人間を何度も見かけたことはあるが、まあ、私の今までの経験からすると、そういう寡黙も無口の線で落ち着く。 世の中それほど見た目通りとはいかない。
さて、これとは逆の話になるが、私が18才だか19才だったか、絵のことをしきりに喋りまくっていた時期があった。 ある時、母親が言った。
「そうやって喋っていると、絵を1作描いたような気になってしまうね」
母親の指摘するとおり、喋っている分だけ絵はおろそかにしていた。 やはり、喋ってしまうと体の中に貯まった情熱が、発散されることは確かである。 絵を描いて発散させるか、喋って発散させるか。 若い時は特に、絵を描いて発散させるのはつらい。 そこでついつい楽なほうを選んでしまうということだろう。 やはり、絵を描く者は寡黙でありたい。 そのほうが良さそうだ。 良さそうだが、心に秘めたものがあるために寡黙なのも、どうも頂けない。
絵描きは絵を描くことが仕事である。 仕事であるためには、合理的な考え方をするし、合理的な考え方をすると計画的になる。 計画的な考え方をしている人間が、何か心に秘めたもののために寡黙になったというのは、どうもしっくりこない。 上手くいかないので悩んでいるというのが、当たってしまう。 単なる悩める人になる。 それでは陰気臭い。
私が言う寡黙とは、貫禄みたいなもの。 人格者。 その人の中身がずっしりと詰まっているので、言葉少ない。 良いですね~、こういうの。 まあ、憧れのようなものなので、身近な人にはいない。 実際、そんな人は絵描きにいないかもしれない。 絵描きは、感性を磨くのが商売なので、中身がずっしりと詰まるような人生修行は、避けて通る傾向がある。 したがって、中身がぎっしりと詰まった絵描きはいない。 と断言できる。 絵描きの実際は、多弁。 皆良く喋る。 残念ながら私も多弁であるし、私の師匠の映周先生も多弁である。 映周先生は頭のてっぺんから足の先まで芸術家であるが、良く喋る。
願わくば寡黙でありたい。 男として、人間として、格好良くいきたいものであるが、事実上、人格者と一番縁遠いのが、絵描きであると言える。 絵描きが人格者になったら、絵は描けない。 それは、間違いない。 感性や感覚を仕事上の重要要素としたら、大人に成り過ぎてはいけないのである。
そこで、一言。
「口に出しても、我が内に秘めたる情熱の炎に問題なし」 秋山小兵衛もビックリ。
田屋のアート講義は、‘09/4/23(木)を以って終了しました。
「研究所レベル」・「大人コース(中・上級)レベル」・「大人コース(初級)レベル」・「キッズコース」・「高齢者のための絵画指導」の五講義(各60テーマ)は、左欄のカテゴリーで、閲覧出来ます。
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