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アート21教室日記
田屋優・・・・・・画家、現代美術作家  西船橋の絵画教室、研究所主宰               (掲載内容の無断転用禁止)
プロフィール

田屋優

Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。
  画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。
 
「西船絵画教室アート21
 アート21研究所」
http://www.art21japan.jp/

 南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
  

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アート徒然日記 ‘10/05/2(日)
<Wちゃんの気持ち>

   水曜キッズコースにWちゃんと言う子がいる。 
「わ」の付く子であるが、4月一杯で教室を辞めることになった。 塾の関係である。

   小学2年生の4月に教室に入会したが、辞めた時は6年生。 丸4年余り教室にいたことになるが、入った当初から大人しい子で、ほとんど喜怒哀楽を出さない。 
   だから、初めはポツリといて、私も気に掛けた。 他の子と馴染まないのである。 水曜教室のメンバーは、今とは大分様子が異なり、大人数で大きい男の子が中心となっていた。 Wちゃんはそんな時にやって来た。 だから、いつもポツリといた。 

   そのうち代替わりして、Wちゃんの数ヶ月後から入会した「み」の付く同じ学年のMIちゃん、「ま」の付く弟と一緒に来ている、やはり同じ学年のMAちゃんが入会して来て、この子達が水曜教室の中心的存在になって行く頃から、Wちゃんに笑顔が出始めた。

   皆、同じ学年であるので、すぐに仲良くなる。 Wちゃんが教室のドアを開けた瞬間の笑顔は、仲間に遇える喜びを表していた。 それでも相変わらず寡黙で、 ほとんど喋らないし、私には必要以上のことを喋ったことはないので、ドアを開けて入ってくる瞬間の顔で、その子の気持ちを推し量ったのである。 先生としては、こういう子は気になる。 

積極的に話したことは、私の記憶ではない。 だからと言って暗い子ではない。 本人の態度とは裏腹に、驚くほど明るく大胆な絵を描く。 絵は、不思議なほど明るい。 大きく口を開けて笑っている顔や、アイデア一杯の工作は、私を驚かせたものである。 

先週の水曜、教室最後の日、終わり間際に皆に包みを渡した。 プレゼントと言って配った。 その日は、二人休んだため、休んだ子に渡してくれと、包みを頼まれた。 それから先生にと、私にもプレゼントをくれた。 「ありがとね」と言って、礼を述べた。 
皆に配ったのは、Wちゃんの気持ちからであろう。 私のは、親御さんの気持ちかなと思い、丁寧なご挨拶に感謝した。

「じゃねエー」と言って、皆帰って行った。 皆帰り、Wちゃん一人になった。 親御さんのお迎えの前に「トイレを借ります」と言って、Wちゃんはトイレに行く。 
そのうち親御さんがお迎えに来て、Wちゃんと一緒に帰って行った。 「お世話になりました」と、相変わらず必要以上のことは言わなかったが、帰り際、珍しくWちゃんは私の顔をちらっと、まともに見た。
それが、印象的だった。 

教室は、私一人になった。 その日は、そのあと6時から大人の予約が入っている。 準備がてらトイレに立つ。
   
トイレに入り、ビックリした。 

二つあるトイレットペーパーが二つとも、紙の引き出しが三角形なっていた。 良く清掃後のトイレに行くと、こうなっていることがあると思うが、そうなっていたのである。 
その日の子供教室でトイレを使ったのは、Wちゃんだけである。その前は、私が使用しているので、そういう風にはなっていなかったことは、分かっている。 

普段、そんなことをする子ではない。 今日初めてしたのである。 

それが、Wちゃんの精一杯の気持ちだったのかと思い、他のどんな言葉よりうれしく、思わず、胸にこみ上げて来るものを飲み込んだ。 
     


田屋のアート講義は、‘09/4/23(木)を以って終了しました

「研究所レベル」・「大人コース(中・上級)レベル」・「大人コース(初級)レベル」・「キッズコース」・「高齢者のための絵画指導」の五講義(各60テーマ)は、左欄のカテゴリーで、閲覧出来ます。
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