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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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筆を使わない <大人コース 中・上級レベル> ‘09/4/7(火) |
皆さんは、絵を描くのに筆を使うものだと、考えていることだろう。 確かに、ほとんどの場合、筆を使う。 筆を使うのは、筆で描くのが当たり前だからということでしょう。
本当にそうだろうか?
筆を使い慣れると、自然に使いやすい筆が分かってくるし、たいていは高価な筆を求めるようになる。描きやすい高価な筆できれいな線を求める。 と、普通考えているのではないだろうか?
ところが、この考えは絵の世界では、必ずしも当たり前ではない。 技術がない子供の絵が、良いという言い方をする絵の世界のことである。きれいな線を描けることが良いことにはならない。
絵は、結果的に人のために描くと、何度も言ってきた。では、何が相手に伝わるかを考えたら、きれいな線を描けることが良いことにはならないことは、分かるはずである。 きれいな線で描くと、相手にはきれいな線が、伝わるのである。
言っていること、お分かりだろうか?
つまり、きれいな線が描けるということは、明らかに技術的なことなので、相手に技術的なことが伝わるということである。これでは、不味かろう。
かの有名なピカソは、上手くなりすぎたと言って、左手で描いたという逸話がある。
このこと、お分かりだろうか。上手くなりすぎては、いけないのである。線がきれいに描けたのではいけない。筆に必要以上に慣れてもいけないことになる。
理由は、技術が相手に伝わるから。 絵の世界の常識の一つである。
そんなこと、自分には関係ないと思っているのではないだろうか。 上手くなりすぎるほど、上手くなってみたいと、言っているのが、聞こえてきそうであるが、技術が先行した絵は、どの段階でもありうる。初心者でも、そういうことはあるので、決して人事ではない。上手くなりすぎてもいけないが、技術が先行してもいけないのである。
さて、わが教室の上級者(経験30年以上)が、筆をあまり使いたくないと言っていた。筆で描くと慣れてしまっているので、きれいに描けて、それがいやらしいと言っていた。 さすが、上級者である。
彼女は、一通り何でもこなす。 デッサン・水彩画・油彩画・パステル画・抽象画と幅広い。 抽象画を描く時には、画面に絵具を垂らして、画面を傾けながら絵具を滑らせて絵にするらしい。筆は使わないと言っていた。抽象画は筆を使わなくて済むので好きらしい。
私も、手で直接描いていたことがある。そういう描き方をすると原始的な気分になり、絵を描いている気分になるから不思議である。 筆を持った瞬間、文明の利器を持ったような気がした。
別に筆を使ってはいけないと、言うつまりはない。筆はやはり便利なものである。有効利用できる。 ただ、筆に頼ってはいけないと言いたいのである。もし、筆で描いた線が、上手で、いやらしいと思ったら、相当なレベルである。
そんな気持ちを、いつの日か抱くこともあるかもしれない。そんな日が来ることを楽しみにして、とりあえずは、技術が先走る絵だけは描かないように、気を付けながら、制作に励みましょう。
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