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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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絶対不可能なこと <研究所レベル> ‘09/3/11(水) |
アートの世界で、これだけは絶対制作不可能と断言できるものはあるだろうか?
今回は、そういう話をしてみる。
さて、アートの世界で不可能そうなことを挙げてみよう。状況的に不可能なことは、沢山ある。 例えば、火星でスケッチをしたい。火星の大地に立って、そこで、火星の風景を油絵にしたいと思っても、今は不可能である。地球の深海5000mの世界を目の前で、絵に描きたいも同じ。 流れる小川に絵を描きたいも無理だろう。こればかりは、今後も無理そうである。
状況または素材が、すでに無理であるが、もっと、普通なことで無理そうなことが意外とあるかもしれない。
プールの中で、水彩画は描けない。空からダイビングしながら、油絵は描けない。 肉眼で太陽は描けない。時間は描けない。空気は描けない。空気を彫刻できない。
どうも、違う。そういうことではない。
食べ物のニオイを表現できない。温度は描けない。自分の後姿は描けない。右利きの右手はデッサン出来ない。
これも違う。
さて、色々考えたが、どれも無理そうである。本当に無理なものは、数え切れない。 そういうものにチャレンジするのは、本人の勝手であるが、そういうことでなく、もっと、現実的で身近なことで、意外と制作不可能なことはありそうだ。
例えば、油絵具で和紙に描けるか、というのはどうか?
普通に考えると無理である。無理と言うより、和紙に油絵具の油の成分が滲み込んで、汚くなる。 つまり、絵具と支持体との相性が悪過ぎるのである。和紙と油絵は、水と油と同じで正反対の特性を持っている。避けるべきである。
それでは、どうしても和紙に油絵具で描いてみたいと思ったら、どうなるか?
ここからが、本題である。
和紙に滲む汚い油の問題をクリアしないとならない。どうしたら、綺麗に描けるか。それから、研究すると言うのはどうか。 何が言いたいかと言えば、出来ないと思えば、それは出来ない。出来ると思えば、出来るかもしれないということ。
これが、制作の基本理念である。
もちろん、前述の「本当に無理なこと」ではなく、無理そうだと、あきらめるか、あきらめないかの話としてである。 制作と言うものは、チャレンジ精神なくしては、始まらないのである。「為せば為るのである」 我々が、日常的に制作していることも、同じである。常にチャレンジしているから前に進むのである。 絵がどうも上手く描けないと思うことは、実は絶対不可能のことを描こうとしているかもしれない。誰も描けないことかもしれない。
ある抽象画家が、水を表現したいと願った。流れる水、淀む水、光を帯びて輝く水。 生命の源の水を描こうとして、不思議はないが、私からすると絶対不可能なことのように思える。なぜなら、具象ではなく抽象だからである。
抽象で水を表現するなら、プールの中で、水彩画を描く方が、簡単に思える。不可能としか言いようがない。
しかし、本人は大真面目である。
このことは、何を意味するか?
我々を取り巻くアートの世界は、様々な人々の夢と幻で成り立っている。実現できなかった夢が幻となって漂っている。 アートの世界は、追い続ける夢と漂う幻で、魑魅魍魎の煙の中にある。そこは有益で、有効な情熱と、無益で、無意味な情熱の残骸が幾重にも折り重なっている場所でもある。
そんな中で、ただ確かなことは、「何としても手に入れる情熱」だけが、ハッキリとした居場所を確保している。 そして、その情熱は、自ら発するエネルギーによって、白く燦然と輝やくのである。 その周りには、幻の影はない。幻は、遠く追いやられ、近づくことを、拒否されている。
不可能と思ったら何も出来ない。それは、確かである。 もし、自分のしようとしていることが不可能だと思えたら、それから、仕事が始まるのである。 ゆっくり重い腰を上げて、考えてみよう。どうしたら、可能になるか。何ヶ月掛かってもいいではないか。
そこから始めなさい。
「絶対不可能なこと」 そんなものはない。
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