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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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描き込んだ絵の効果 <大人コース 中・上級レベル> ‘09/2/27(金) |
スケッチの話から、今度は逆な話をする。急ぐように速く描くスケッチから、今度はゆっくりじっくりの描き方の話である。
当然、スケッチの話ではない。屋外の制作ではなく、屋内の話として聞いてほしい。 なぜ屋内かと言うと、今回の話の描き込んだ絵とは、時間を掛けた制作のことであり、時には何ヶ月にも及ぶ制作のことなので、制作環境が一定している屋内ということである。
何ヶ月に及ぶ制作と言っても、断続した制作のことで、描き始めから描き終わりの完成までの通しの期間を指す。
わが教室でも月2回授業の人は、水彩画でも2~3ヶ月はザラである。油絵だと3~6ヶ月、長いと一年を超えることがある。 毎日描ける状況にある人は、別にしてほとんどの方が、仕事に就いていることだと思う。それで、月2回ぐらいの制作がやっとなのではないだろうか。現に生徒さんで月2がベストペースと言った人もいた。
だから、そういう制作頻度の方は、描き込んだ絵のような、時間の掛かるテーマを、選んだ方が良いと思う。 何故なら、制作にも色々あり、感を働かせながら描く描き方もあり、感ではなく、感覚を働かせながら描く描き方もある。 一般的に、前者は短時間制作に向くし、後者は長時間制作に向く。
月2回ぐらいの制作頻度だと、感が戻るまでに仕事に行く時間が来てしまう。それで、感覚的な作業を中心にする方が、適当と考えるのである。
さて、それでは描き込んだ絵とは、どういうものか? また、その効果とは? について話を進めてみよう。
水彩画を例に取る。
水彩画でも描き込む絵はある。ただ、紙が相手なので、油彩画のようなタフな描き方は出来ないし、適当ではない。
この場合の水彩画は、やはり少し複雑な絵を意味する。丁寧さと複雑さを必要としたら、自ずから時間は掛かる。時間を掛けて丁寧に描く、そして一つ一つ積み上げるようにして描く描き方である。
わが、教室では模写をする人が多い。模写は、まず技術的な面を言うだけでも、背伸びしないと、上手くいかない。背伸びしても足りないこともある。勉強するには、いい勉強方法であるが、選ぶ絵によっては、中々厄介である。
それで、月2回の人は、何ヶ月にも及ぶのである。
その掛かった時間は、明らかにオリジナルの絵より長い。水彩画なので、オリジナルの絵は、それほど時間を掛けてない。掛かったとしても、せいぜい6時間がいいところだろう。
それを、1回3時間、月2回、計6時間。3ヶ月で18時間を描けて描くとどうなるかと言えば、オリジナルほどの歯切れの良さはなくとも、もっと濃厚な絵になっていくのである。
それは、それで大変興味深い。なぜなら、絵は不思議なもので、掛かった時間が絵に出てくるのである。厚みが増すと言うか。 それを、狙ってワザと時間を掛けることもある。そういうことがある。
つまり、描き込んだ絵の効果とは、時間を見せる効果ということである。絵の一筆一筆に時間が織り込まれているのである。これは、絵の厚みを増すし、迫力も増すのである。
こういう描き方があること、こういう効果があることを、一つここで覚えておいてほしい。
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