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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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絵具の理屈 <高齢者のための絵画指導(入門編)> ‘09/1/29(木) |
絵具についてもやはり以前お話しています。 大人コース(初級)レベル「どんな絵具の種類があるか?」では、透明な絵具・不透明な絵具・水に強い絵具・水に弱い絵の具と、絵具の特性により四つの要素に区分けして、説明しました。 これは、あくまでも絵具の種類の話です。今回のテーマは「絵具の理屈」。さて、どういう話になるでしょうか?
これも以前書いたことですが、「水彩絵手紙で何を描こう」の中で、こんなことを書きました。
<水で溶くから水彩です。当たり前のことですが、よーく考えてみてください。水で溶くから水彩なら何を溶いても水彩になるわけです。 水彩は、水彩絵具を水で溶いて使うものである、という決まりはありません。 ただ、一般的に色的にも、発色や彩度などの面からも、便利なのでそうしているだけです。 飲んでいるコーヒーに筆を突っ込んで描いてみても水彩です。違うという理由がありません。 (中略) まず、簡単なところでは、花や葉を使って描くとしましょう。 花や葉を水に漬けたり絞ったりして色を求めます。自然の色ですから渋い色になるわけです。変色するかもしれません。そこが面白そうですね。 (中略) もともと、色は自然界から求めてきました。ですから、自然の色を使うことは、至極当然のことなのです。>
この抜粋文でお分かりでしょうが、今回の話の「絵具の理屈」は、この話の続きになります。 さて、始めましょう。
絵具はそもそも自然界から求めてきました。染料となる色は、植物の色成分から抽出しました。油絵の絵具の顔料は、無機質顔料だと天然鉱物顔料です。また、日本画の絵具は岩絵具で、やはり天然鉱石です。いずれも、鉱物を砕き、粉状にして色を求めます。 ちなみに、顔料は着色に用いる粉末で、水や油に溶解しないものを指します。染料は、水や油に溶解するものです。 油絵具で、有機質顔料だと、植物から採った染料を特殊な工程で固形化したものです。 いずれにしろ、自然界こそ絵具の大元になるわけです。 絵具は画材屋さんに行けば簡単に手に入る現代では、想像も出来ないほど、昔の人は、苦労して色を作り出してきました。
何色がほしいと願えば、その色の元になるものを探さないとならないわけです。西洋では、長いこと青と言えば、ウルトラマリンブルーでした。 それが、ある偶然からプルシャンブルーが、作り出されました。ウルトラマリンブルーに黒を混ぜてもプルシャンブルーにはなりません。ですから、確実に一色増えたのです。
画家の喜びは、どれほどだったでしょうか。これほど、色に苦労すると、その扱いは、実に丁寧に、的確なものになると思いませんか?
苦労して、苦心して自分の気に入った色を求める。もうこの行為自体がロマンですね。絵具は、画材屋さんだけにあるにあらず。自然界にこそある。あらためて、そう思わざるおえません。 そうは言っても、昔の人と同じ苦労を、ワザワザ現代においてすることもありません。
ただ、当たり前のように絵具を買いに行きますが、こういった、絵具本来の形に立ち戻ることは、決して無駄ではありません。絵を描くものにとって、絵具は、仲間であり友達です。 その生い立ちを知ることは、良いことだと思います。
絵具の理屈は、自然界にあり。
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