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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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形の理屈 <高齢者のための絵画指導(入門編)> ‘09/1/28(水) |
形については、以前にもお話した事があります。 「形のとり方」というところで、説明しましたので、一部抜粋してみます。
<絵手紙でも、水彩でも、油彩でも、形のとり方は、同じです。梱包方式というのがあります。私が、勝手に名付けたのですが、そうですね、例えば、ヤカンを描いたとします。お湯を沸かす、あれです。 つまんない例えかもしれませんが、ヤカンは、結構まじめに描くと、難しいです。上に、取っ手がありますし、横っちょに注ぎ口が、あったり、下は、デブッと丸くなっていたりで、単調ではありません。
それを、梱包したとします。ヒモも掛けましょう。すると、ヤカンの形が、大雑把な形に変わってしまいます。ヤカンの形は、その中にあります。このように、まず、大雑把な形として捉えることを、梱包方式といいます。>
と、まあこんな具合です。 他にも、丸や三角、四角など、物の形を簡単にして捉える方法があります。教える側が頭を絞った結果でして、いかに簡略化するかが絞り所です。
私の教室でもデッサンをしている方が何人もおります。なぜデッサンをしているかといえば、デッサンが必要だからやっている人がほとんどです。好きでやっている人は、ほとんどいません。
では、なぜ必要なのか?
目が、ものの形に付いて行かないからです。油彩を描いていたが、形が取れない。水彩をやっていたが、結局はデッサンの必要性を痛感してしまったとか、形に対する悩み事は少なくありません。
形が取れない。 これは、絵を習い始めた人の最初の壁であり、最初の悩み事だと思います。 そこで、形のとり方や形を掴む要領が生まれてくるのですが、では、形そのものに理屈があるでしょうか? 描く側の形を掴む時の理屈ではなく、形そのものの理屈です。
この理屈は描く側の理屈をひっくり返した理屈で、言っていることは同じですが、視点が違います。 ということで、視点を変えた考え方をしてみましょう。そこに形のヒントが隠されているかもしれません。
まず、6階建てのマンションがあります。地上から真っ直ぐ垂直に建っています。それを正面から見たとしましょう。各階の窓は、横に均等に並んでいて、地面と平行です。ドアも均等に取り付けられています。 マンションですと、水周りなど各階、同じ位置にある方が合理的なので、窓もドアの位置もタテにまっすぐ並んでいることでしょう。
これが、マンションの理屈です。設計者の合理的意図と建物の外観上のデザイン的意図とが、形を作り出しています。そして、それが、そのマンションの形の理屈になります。何が言いたいかお分かりでしょうか?
もう一つ例を挙げてみましょう。 皆さん、サザエのつぼ焼きを食べたことがありますか。あのサザエです。 食べた後のサザエを暇つぶしに眺め回してみましょうか。結構厄介な形をしていますので、これを絵に描いたら、また悩み事が増えそうですね。
だから、眺めるだけにしてみましょう。大きく開いた口の部分に蓋がしてありました。 それを、引っ張り出すと、スルスルと内臓などが細く出てきます。余程上手く取り出さないと、途中で切れてしまいます。 私などは、早く食べたい一心で、いつも途中で切れてしまいます。だから、一番奥にあるものを見たことがありません。 最後まで、切れずに出てきたら、ものすごく細いものでしょう。
蓋に付いている所は、でっぷりしてます。それが奥にいくにつれ、細くなります。それが、サザエの外壁先端部分の細い所まで、とぐろを巻いて侵入しているのです。
大きな入り口とは裏腹に、時計回りに回転しながら狭い袋小路へと行き着くのです。 そして、その先端部分は、入り口に向かって真っ直ぐな芯が入っているように、不思議な中心線を持っているのです。
もう、お分かりでしょう。何を言いたいのか。 ものの形には、それ自体の理屈があります。ただ見て描くのではなく、その理屈を理解した上で、良く見て描いたとしたら、どうなりますか? すぐに、描き出さないで、相手の理屈、事情を考えることをしたら、きっと少し違った結果が出ると、私は思います。
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