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アート21教室日記
田屋優・・・・・・画家、現代美術作家  西船橋の絵画教室、研究所主宰               (掲載内容の無断転用禁止)
プロフィール

田屋優

Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。
  画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。
 
「西船絵画教室アート21
 アート21研究所」
http://www.art21japan.jp/

 南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
  

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計画を立てる <大人コース 中・上級レベル> ‘09/1/23(金)
   制作を始める前に、計画をたてよ、と言うのが今回の話である。

しかし、計画を立てない制作も現にある。油彩制作では、あまり具体的な計画を立てる人は、少ない。出たとこ勝負が油彩の面白い所であるし、せいぜい、マチエール作りぐらいであろう。

   計画は、必要があるから立てるのである。必要性は、訂正・修正がどのくらい出来るかで決まる。
   油彩制作は、描き直しが可能であるが、例えば、細密描写などの細かい写実制作の場合は、行き当たりばったりの制作では、不味かろう。

   訂正が一番可能な油彩制作でも、制作内容によっては、計画を立てる必要があるし、また、訂正が一番難しい水彩画も、これも描き方によっては、出たとこ勝負的なこともする。
   例えば、ドローイング描写では、間違った線を絵の中に取り込みながら描いていく。
   だから、訂正はしない。
つまり、計画を立てる制作は、全ての絵具について言えることになる。
   
   さて、なぜ、このような当たり前のことを言うかである。

わが、教室でも、色々な人が色々な制作をしている。油彩の粗い制作をしている人が、次の作品は、細かい絵を描きたいということもある。しかし、制作方法は同じである。同じ描き方で描き始める。それでは、上手くいかない。

   もうお分かりだろう。描き方は絵具で決まらない。制作内容で決まるのである。このことを、ほとんどの人が気が付かない。
   文章化すると、そんなことは当たり前だと分かっている人が、制作の現場では、制作方法を変えられないのである。

   さて、計画を立てる制作の具体的な話をしよう。

私事になるが、私の今やっている制作を、例に取る。
   私の作品は、計画しないと完成しない。
つまり、訂正があまり利かないのである。絵具はアクリル、支持体は麻紙。

   紙に描くため、うす塗りの部分が多い。そのため訂正しずらい。
その上、画面が大きい。今現在描いているのが、200号2枚である。正方形の200号を横に二つ繋げて400号としている。

   まず、これだけでも、計画の必要性はお分かりだろう。

計画としては、簡単なA4版に入るぐらいの全体アイデアからスタートする。色鉛筆で着色。続いて同じ麻紙とアクリルで少し大きなエスキースを描く。これによって、とりあえずの全体像を把握する。

   次が、部分エスキース。この時、実際に描く描き方と同じ描き方をして、色の変化や色の組み合わせ、カタチをチェックする。
   そして、30号を横に二つ繋げたぐらいのエスキースを描く。

ここで、ほぼ仕上がりまでが、イメージ出来る。色を塗り重ねるので、作業手順もメモして置く。あとは本番であるが、制作方法は、計画的なものと、出たとこ勝負のドローイングとの二本立てなので、実際、本番でどうなるかは、分からない。

   この制作が、約8ケ月から1年ぐらいの制作である。

大きいと全てが大変になる。単純に言って、大きさと制作期間は比例する。
   私も初めからこんな大きなものを描いていたのではない。段々大きくなり、それに伴って、制作段階も複雑化したのである。

   今回のことで言いたいのは、制作内容によって、描き方も変わり、大きさによって計画の度合いも変わるということである。
   「まあ、いいや」では、絵は良くならない。そして、そういう基本的な考えを、いいかげんにしたまま、上手くいかないと悩む人は多い。

   物事には、原因がある。絵の制作のほとんどは、理屈で考えると解決する。だから、原因をしっかりと見極めると、意外と単純な過ちが多いものである。
   無駄に悩むなかれ。原因を考えよ。
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