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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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輪郭線を破壊するとどうなるか? <大人コース 中・上級レベル> ‘09/1/20(火) |
輪郭線を、破壊したのは、言わずと知れたドラクロワである。 18世紀末に生まれたこの画家は、19世紀の1863年に65才で、生涯を閉じるまでに、「ドラクロワの三つの革命」と称される偉業を成した。古典美術と近代美術は、ドラクロワの出現によって、変わるのである。
その一つが、輪郭線の破壊である。
輪郭線を破壊するとどうなるか?
皆さん、考えたことはあるか。
古典美術は、輪郭線によって成り立っている。正確な輪郭線を求め、正確に色を乗せていく。それを繋げて、全体を構成する。 もちろん、全体像があって、その部分の描写の話であるが、これは、どういうことかと言えば、画面は輪郭線の繋がりと、全体としての構成との、言わば、二構成と言うことになる。 ルネッサンスは、16世紀なので、ダビンチしかり、ミケランジェロしかり、ラファエロしかりということになる。
彼らの芸術は、二構成の芸術と言うことも出来る。二構成は、それはそれで難しいが、では、輪郭線を破壊すると、どうなるか?
つまり、輪郭線を破壊すると、多構成と言うことになる。 このこと、お分かりだろうか? よく分からない人のために、ここで例を挙げよう。
ここに透明なゴム風船があるとしよう。 いくつもある。これに、絵具が入っていたとする。赤だったり、黄色だったり、風船一つに一色づつ入っている。透明なゴム風船なので、中の色がそのまま透けて見える。
この風船を並べて絵にしたとする。巨大な絵が出来そうであるが、あくまでも、例えなので各人の想像力に任せる。 この場合の透明なゴム風船が、輪郭線に当たる。中の色は、輪郭線によって守られている。これが、ここで言う二構成。 中の色を、一構成と数え、風船全体の組み合わせが、一構成で、二構成となる。 二構成の特徴は、各部分ごとに分解できることである。部分が全体を形作っている。 つまり、輪郭線によってモザイクのように切り分けられているのである。
さて、ここでゴム風船を針で、割ってみよう。どうなるか?
一つ一つ綺麗に割ったとする。大変なことになることは、想像できよう。全ての色が隣の色と混ざるのである。混ざった色がどうなるかは、ここでは置いといて、少なくとも全体の組み合わせは、ガラリと変わってしまう。
絵とするためには、構成し直しであろう。 この場合、ハッキリとした部分がないため、曖昧な境界線で全体を作り上げないとならない。そのため、より複雑で、より感覚的な作業になる。 これが、多構成である。
話が飛ぶが、子供の絵は、小学生未満だと多構成なことが多い。小学上級生になればなるほど、二構成に拍車が掛かる。これは、単に輪郭線が描ける描けないということであるが、これが、大人であると、初心者が二構成、経験を積んで多構成になっていく。
なんとなく、お分かりいただけたと思うが、二構成の進歩形が多構成であることは、美術史上明らかであるが、これも、好みの問題で、輪郭線に拘る人もあり、崩すことに面白さを見出す人もありで、人様々である。
ただ言えることは、常に輪郭線を描くことをしている者は、一度、それを取っ払ってみてほしい。多構成の面白さは確かにある。それを経験してみるのも、また勉強である。
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