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アート21教室日記
田屋優・・・・・・画家、現代美術作家  西船橋の絵画教室、研究所主宰               (掲載内容の無断転用禁止)
プロフィール

田屋優

Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。
  画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。
 
「西船絵画教室アート21
 アート21研究所」
http://www.art21japan.jp/

 南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
  

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ボアンカレ予想  <エピソード> ‘08/12/13(土)
   数学の世界には、魔物が住んでいる。

NHKのBSを見ていたら、そんな魔物の話をしていた。NHKの特集番組である。

   20世紀の数学の巨人、ボアンカレが、一つの予想を立てた。
ロープを付けたロケットを宇宙に放たち、宇宙を一周して地球にたどり着いたとして、ロープを全て回収出来たら、宇宙は丸い、回収出来なかったら、宇宙は真ん中に巨大な穴が開いている。
   宇宙のカタチを知る手掛りがあるとしたのが、ボアンカレ予想である。

凡人には、縁のないことであるが、話としては面白い。
   この予想は、結局、出題した本人も解けないまま、他界した。

しかし、この予想は、数学界に大きな難問として残った。
   番組では、この問題に立ち向かった各世代の様々な人々を紹介している。皆、優秀な数学者ばかりで、天才の名を戴く者達である。

   ロープが途中で捻じれる問題が解決しないとか、それを解決するために、宇宙の構造を変えてしまうとか、見ていて面白い。
   一生をこの問題に捧げた人々の紹介が続く。
ある数学者は、息子が数学者になりたいというので、息子にある簡単な問題を出した。これが解けたら数学者になれると。

   結局、息子は、どうしても解けないと、父親に言う。
その父親が出した問題が、ボアンカレ予想だった。父親が言いたかったのは、数学の世界には、魔物が住んでいる。

   この問題が解ける解けないに、一生を費やす数学者の生き様が凄まじい。
数式だけで宇宙のカタチを算出するのは、我々、一般人には理解を超えている。 想像力とは、凄いものである。想像力と数式に長けてないと、出来ないことだけは分かる。

   結局、この問題は、あるロシア人青年によって決着を見せる。ペレリマンである。

   16才で数学オリンピックに参加資格をとった彼は、物理学にも長けていた。彼は、この問題を数学と物理学との両方でアプローチした。
   アメリカのさる大学にて、彼によって、この謎解きが公開された。

公聴した数学者達は、仰天した。見慣れない物理学の記号が出てきて、理解できなかったのである。
   数学者達にとって、悪夢の日となった。

長い時間を掛けて、解答が検証され、認定された。
   生涯を賭けて、この問題に挑んだ天才数学者達の見果てぬ夢は、こうして幕を閉じた。

   この偉大な業績を残した青年は、その後、公の場に出ることは、ないとのことである。逃げるようにヒッソリと暮らしているらしい。
   一体、彼に何があったのであろうか。陽気だった性格は、一変し、人との交流を避けるようになり、陰気になった。

   番組では、やっとその後の彼を探し当て、彼の元恩師が訪ねようとして断られた。

   元恩師が、語る。

「彼に、一体何があったのだろうか? 何を見てしまったのであろうか?
   彼は、たった一人で、この難問を解決した。どれだけの精神的負担を抱えたことか。壮絶な戦いだったのではないだろうか」

   数学界には、他にも解けない難問が、いくつかあるという。
とても興味深く、面白い話であったが、恐ろしい話でもある。

   こと絵の世界では、こんな恐ろしい話は聞いたことがない。
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