|
|
プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
|
|
最近の記事 |
|
|
カテゴリー |
|
|
カレンダー |
08
| 2023/09 |
10
日 |
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
- |
- |
- |
- |
- |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
21 |
22 |
23 |
24 |
25 |
26 |
27 |
28 |
29 |
30 |
|
|
最近のコメント |
|
|
FC2カウンター |
|
|
FC2ブログランキング |
|
|
ブログ内検索 |
|
|
RSSフィード |
|
|
|
ボアンカレ予想 <エピソード> ‘08/12/13(土) |
数学の世界には、魔物が住んでいる。
NHKのBSを見ていたら、そんな魔物の話をしていた。NHKの特集番組である。
20世紀の数学の巨人、ボアンカレが、一つの予想を立てた。 ロープを付けたロケットを宇宙に放たち、宇宙を一周して地球にたどり着いたとして、ロープを全て回収出来たら、宇宙は丸い、回収出来なかったら、宇宙は真ん中に巨大な穴が開いている。 宇宙のカタチを知る手掛りがあるとしたのが、ボアンカレ予想である。
凡人には、縁のないことであるが、話としては面白い。 この予想は、結局、出題した本人も解けないまま、他界した。
しかし、この予想は、数学界に大きな難問として残った。 番組では、この問題に立ち向かった各世代の様々な人々を紹介している。皆、優秀な数学者ばかりで、天才の名を戴く者達である。
ロープが途中で捻じれる問題が解決しないとか、それを解決するために、宇宙の構造を変えてしまうとか、見ていて面白い。 一生をこの問題に捧げた人々の紹介が続く。 ある数学者は、息子が数学者になりたいというので、息子にある簡単な問題を出した。これが解けたら数学者になれると。
結局、息子は、どうしても解けないと、父親に言う。 その父親が出した問題が、ボアンカレ予想だった。父親が言いたかったのは、数学の世界には、魔物が住んでいる。
この問題が解ける解けないに、一生を費やす数学者の生き様が凄まじい。 数式だけで宇宙のカタチを算出するのは、我々、一般人には理解を超えている。 想像力とは、凄いものである。想像力と数式に長けてないと、出来ないことだけは分かる。
結局、この問題は、あるロシア人青年によって決着を見せる。ペレリマンである。
16才で数学オリンピックに参加資格をとった彼は、物理学にも長けていた。彼は、この問題を数学と物理学との両方でアプローチした。 アメリカのさる大学にて、彼によって、この謎解きが公開された。
公聴した数学者達は、仰天した。見慣れない物理学の記号が出てきて、理解できなかったのである。 数学者達にとって、悪夢の日となった。
長い時間を掛けて、解答が検証され、認定された。 生涯を賭けて、この問題に挑んだ天才数学者達の見果てぬ夢は、こうして幕を閉じた。
この偉大な業績を残した青年は、その後、公の場に出ることは、ないとのことである。逃げるようにヒッソリと暮らしているらしい。 一体、彼に何があったのであろうか。陽気だった性格は、一変し、人との交流を避けるようになり、陰気になった。
番組では、やっとその後の彼を探し当て、彼の元恩師が訪ねようとして断られた。
元恩師が、語る。
「彼に、一体何があったのだろうか? 何を見てしまったのであろうか? 彼は、たった一人で、この難問を解決した。どれだけの精神的負担を抱えたことか。壮絶な戦いだったのではないだろうか」
数学界には、他にも解けない難問が、いくつかあるという。 とても興味深く、面白い話であったが、恐ろしい話でもある。
こと絵の世界では、こんな恐ろしい話は聞いたことがない。
スポンサーサイト
|
|
|