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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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橋崎弘昭氏 <エピソード> ‘08/11/29(土) |
わが、教室スタッフに橋崎先生がいる。特別教室のパステルの先生である。
普段は、橋崎君と呼んでいるので、ここでは、普段通り橋崎君と呼ぼう。話を進める上で都合が良いので。
橋崎君は、私の一番弟子である。 彼と初めてあったのは、池袋のデザイン学校で私が教えていた頃であるので、かれこれ17年も前になる。 彼は、29才で外資系の会社に勤めていた。
それまで、絵を描くチャンスに恵まれず、30才を前にしてラストチャンスと思って、やって来たと、本人が言っていたのを思い出す。たまたま、面接をしたのが、私であった。 橋崎君は、生徒の中で年齢も高かったせいもあり、他の生徒に付き合うより、私や、私の仲間に付き合って酒を飲むことが多かった。
私も橋崎君も他の絵の仲間と、何回教室に泊まったか数えられない。電車が無くなって帰れないのである。 翌日仕事のある者は、教室から出勤して行った。彼にとっても私にとっても懐かしい思い出である。 彼は、初めイラスト科に所属していたが、一年もしないうちにファインアート科に転向してしまった。私たちの画家仲間の影響をモロ受けていたのである。
その後、私がその学校を辞めることになった時、彼もしばらくして辞め、私の弟子となった。 当時、彼を教えたくても場所がなかった。それで、私の師である映周先生と私の妹がやっていた武蔵野市の「アトリエオアシス」に彼を紹介し、映周先生にデッサンの指導をもう一度最初からお願いした。
彼は、いきなりビーナスの木炭デッサンを描く羽目になった。映周先生は、デッサンと言えば、ビーナスしか知らないかのようである。 こうして、橋崎君は、最難関のビーナスだけを、その後長く描くことになった。
最初のうちは、映周先生がドンドン直すので、彼も、何をどう描いたらいいか分からず、泣きが入っていたのが、可笑しかった。 30代前半の橋崎君は、結婚して横浜に住んでいたので、仕事場・武蔵境・横浜の往復を毎週3年間続けた。その間、月に一度の裸婦クローキーもこなした。
3年経った時、映周先生から電話があり、「もうそろそろ、良いと思うのだが、どう?」と言ってきた。 こうして、彼は、基礎を終了した。映周先生に直接指導を受けたのは、私と私の妹と橋崎君しかいない。映周先生も80才になったので、この3人だけとなるであろう。
当時、私は杉並区の阿佐ヶ谷に住んでいた。阿佐ヶ谷駅近くに杉並区の公民館があり、そこの工芸室で、毎週私と橋崎君が絵を描こうということになった。 すると彼は、どうせ借りるんなら、そこで生徒さんを集めて教室を開いたらどうかと、言い出した。 アート21杉並教室の始まりである。
今でも、映周先生に会うと、「橋崎君はどうしてる?」と聞く事がある。 先生にとっては、孫弟子にあたるが、やはり、かわいいのかなと思ったりする。
彼を称して、ブルトーザーと映周先生に言ったことがある。決して早く走らないが、止まることなく、ゆっくり着実に前に進むという意味である。 映周先生が言っていた、「よくもまあ、遠いところから、3年間も通ったもんだよなあー。途中で来なくなると思ったけどね。中々出来ることじゃないぞ」
先生は、そう感嘆した。 橋崎君は、自らの行動で、その絵に対する情熱を証明して見せた。
今も、ブルトーザーは、ゆっくり前に進んでいる。 17年前に初めて会ったその日から、一度も絶えることなく、燃やし続けた情熱は、深い愛情とともに今もある。
それが、彼のペースなのである。
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