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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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慣れが力を生む <大人コース(初級)レベル> ‘08/11/13(木) |
私が、教室でよく使う言葉に、「慣れ」という言葉がある。
初心者が何かを描く時に、「これは、難しいですか?」と聞くことがよくある。 ちょっと、難しそうだと、「チャレンジしてみましょう」と言う。 「描けるかな?」と言えば、「結構、なんとかなるものですよ」と言う。
「初め難しそうでも、慣れます。慣れ、慣れ。」と続ける。
これは、初心者に対する常套句である。暗示に掛ける。
初めて何かを始める時には、まず、手が動かない。上手く描けない。余りにもヘタなので、自分に幻滅したくないなど、本人が抱える問題は、少なくない。
だから、「少しジャンプしてみましょう」と誘い、後ろからソッと押してあげる。 「大丈夫、大丈夫です」と暗示に掛ける。 描き出したら、「そーその調子」と言って励ます。描き終えたら、「頑張りましたね。最初は、上手く描けないと思うかもしれませんが、そのうち慣れます」 「描けば、描くほど慣れてきますよ」と言う。
今まで、何回もそうしてきた。そうして、描けないと思っている初心者の、最初の一押しをしてきた。 私が、すべきことは、それでいいと思っている。そういう人が、難なく描き始めることを、私は知っている。 あれほど、怖がっていた人が、一年もすると、ドンドン新しいことにチャレンジしていくのである。
今までに、何回も目撃してきた。一体そうなる理由は、何なのであろうとお思いか?
それが、慣れなのである。
「一年描いて上手くなったのは、先生のおかげです」と言う人がいる。これも以前書いた事であるが、一年で驚くほど上達する人はいない。それは、確かである。絵の世界は、それほど簡単ではない。
では、なぜ本人がそのように思うほど、上達したかと言えば、上達と言うより、本人が初めから持っていたものが、外に出たのである。 私の指導が良かったので、上達したというより、本人の資質が素直に出てきたと考える方が、説明が付く。
だから、教える側は、力の入った肩を揉みほぐすだけでいい。揉みほぐせば、後は、元から持っているものが、ドッと出てくるのである。 そういうものである。
私は、マジシャンではない。どんなに私が優秀でも、たった一年で、本人が感謝するようなレベルまで持ってはいけない。
私が、肩を揉みほぐし、少しずつ本人の中にあるものを、外に出してあげれば、後は、その本人が勝手に描き始める。 描けば、要領も覚え、自然に前へ、前へと進む。一年経てば、結構な絵を描くのである。それが、慣れである。
昨年の、11月ごろMさんと言う人が、教室を訪ねてきた。絵手紙をやりたいと言う。とにかく絵が下手なので、私でも出来るだろうかと言っていた。40代後半の女性である。
全4時間の「お試しコース」をやっても、まだ迷っていた。「お試しコース」をやっても迷う人は、珍しい。 まだ、自信がないと言う。結局一時間ぐらい掛けて説得した。こっちも後には引けない。自信がないと言えば、大丈夫と言うしかない。過去の実績が私を駆り立てる。
「慣れる」と言う言葉を連発したように思う。
先日、11月に入っての木曜日にその人がやって来た。あれから、絵手紙を描き続けている。3時間で6枚ぐらいを描いて、私に見せてくれた。 普通3時間だと、4枚が良いところである。それも、一つづつシッカリと描いている。
Mさんに言った。「だから、言ったでしょう。描けば慣れるって。一年でこれだけ描けるようになったのだから」
Mさんは、少しニコリとしただけである。しかし、その顔に自信が満ち溢れていた。
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