|
|
プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
|
|
最近の記事 |
|
|
カテゴリー |
|
|
カレンダー |
02
| 2023/03 |
04
日 |
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
- |
- |
- |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
21 |
22 |
23 |
24 |
25 |
26 |
27 |
28 |
29 |
30 |
31 |
- |
|
|
最近のコメント |
|
|
FC2カウンター |
|
|
FC2ブログランキング |
|
|
ブログ内検索 |
|
|
RSSフィード |
|
|
|
ある日、線の変化を教えた <キッズコース> ‘08/10/14(火) |
以前、在籍していた男の子の話である。中学に進学するため、6年生の3月でめでたく教室卒業したのであるが、6年生の時に、ある実験をしてみた。
線の変化という難問である。
鉛筆一本で出来ることであるが、内容は、キッズコースレベルではない。大人コースレベルである。 その子は、絵の上手い子であった。一つ上のお兄ちゃんがやはり、中学生になり、めでたく教室卒業した。6年生になる時、父親から電話があり、絵をもっとやらせてみたいと言い出した。もちろん本人の希望でもある。
それで、キッズコースには珍しく、週2回来ることになった。
週2回来ると、色々なことが出来る。6年生でもあるので、技術系を多く取り入れた。 その中の一つが、線の変化という問題である。
「鉛筆の線を、3cm間隔で変化せよ」というのが、問題である。 初めはその理屈が飲み込めなかったようで、こちらの意図とは、別な描き方をしていたが、そのうち要領を覚えた。
さて、どんな問題か説明しよう。
絵は、変化の連続で描くものである。大きい絵も小さい絵も、変化の間隔が違うだけであり、そのような変化は、画面を豊富にし、単純化を防ぐ効果がある。
大人コースレベルであるが、さらに言うと、ドローイングの基本と言える。 ドローイングは、一回または二回塗り描法なので、一本の線の持つ重要度は高い。 したがって、変化もより濃密になるわけである。
ドローイングにおいては、変化こそ命と言って過言ではない。それで、鉛筆による変化の練習はドローイングの基本となるわけである。 それを、小学6年生にやらせてみるのである。実験的な意味がお分かりだろう。
絵画教室では、自然に競争が生まれる。絵の上手い子同士は互いを意識する。 あいつより上手い。あの子より上手い。そう思いたいのであろう。 その少年もやはり、そう考えているようであった。だから、技術を教えてもらいたがった。
小学生に大人の技術は教えない。それが、子供の絵の教室のルールである。 それで、このドローイングの基本を、教えた。ドローイングの基本は、技術ではなく知識である。 何回か練習したあとで、四つ切の紙を渡し、横にした紙の左上から右に向かって線を描かせた。右まで行ったら、その下の段の左からまた始める。 こうやって、紙の下まで線を描けというのが、問題である。
これを何枚か描かせ色を塗らせた。 面白い絵が出来上がった。小学生レベルの絵ではない。少年も面白かったようである。
少年に言った。「こんなことが出来るのは、小学生では君だけだぞ」
少年は、満足そうにうなずいた。彼へのプレゼントであった。
スポンサーサイト
|
|
|