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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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一日の制作と一年の制作 <研究所レベル> ‘08/9/30(火) |
制作の仕方も色々である。一日で描き上げる制作もあれば、一年掛かる制作もある。
どこがどう違うのであろう?
今回は、そういう話である。
一日で制作を終えるのは、制作スピードとしては、やはり早い。では、一日制作の意義は何であろうか?
例えば、油絵なども一日で描き終えることが出来なくはない。しかし、油彩画は大変タフな描き方が出来る絵具である。何度も訂正を繰り返すことができるため、長期に亘って制作が出来る利点がある。この利点を最大限に利用することを考えると、一日制作では勿体ないことになる。 だから、油彩画の場合は、一日で制作する意義はほとんどないだろう。
一日制作の意義とは、一日で制作する意味として、考えると分かりやすいかもしれない。 つまり、早い制作は、イメージを早く定着出来る。また、数多く描くことが出来る。少なくとも、この2点だけでも、一日で制作する意味があると言って良いと思う。
一日での制作を可能にする描き方といえば、まず、一番に挙げられるのがドローイング描写であろう。ドローイングは短時間で描き上げる描き方なので、一日制作には打って付けである。 また、スケッチも挙げられる。スケッチは練習に近い意味合いがあるが、ドローイング同様、短時間制作なので、イメージの早期定着と量産は、一日制作の条件を満たすことになる。
このように、制作には早く仕上げる効果がある。時間を掛けるばかりが、制作ではない。早く仕上げることによる制作上の効果が、あることを覚えておいてほしい。
さて、では一年の制作ではどうかという話に移ろう。
一日の制作から、今度は一年の制作になる。一年の制作期間は、これも長い。わが、教室でも一年掛けて油絵を描いた人がいるが、最後のほうは飽きてしまっていた。私が一年まで引っ張ったのであるが、そういう経験も時として必要である。
一年掛けた制作が、上手くいくとは限らない。大体は、上手くいかないものである。精彩を欠き、落ち着き先が見えないような絵になることが、多い。
では、なぜ一年も掛けるかである。
一年掛けると、最初のイメージはどこかに行ってしまう。誰でも描き始めは、具体的なイメージを持っているが、それが、いじくりまわしている内に、最初のイメージが消え、放浪の旅人のようになる。
皆が皆、そうなるとは言わないが、仕上げまでのある程度の目安はある。しかし運悪くそれを通り過ぎてしまう者もいる。制作は、ある意味、欲があるから描けるということがあるため、このような現象を生む。
こうなると、仕上げるのは、大変である。最初のイメージがないため、方向がない。画面上にその方向を求めることになるので、なかなか、仕上がらない。 結果、一年掛かるというわけである。
しかし、その意義は大きいのである。本人は不服であろうが、まず普通の制作では味わえない画面との格闘は、次の制作の糧となる栄養をふんだんに含んでいる。 つまり、良い経験なのである。
この経験も、長い目で見た場合必要な経験ということになる。だから、慣れた人は、ワザと一年もしくはそれ以上の制作を、宿題のように持っているものである。
一日の制作も、一年の制作も、ともに栄養がある。 以前に書いた制作の二重構造と同じで、細かいものを描くためには、荒いものとセットになる。早い制作は、時間を掛けた制作とセットになるという考え方がある。
物事は、相対的である。制作もしかり。お分かりか?
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