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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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大傑作 <キッズコース> ‘08/9/9(火) |
以前にも書いたが、小学低学年の絵に傑作が多い。
つたない描き方であるが、それが、驚くほどの描写を生む。そういう絵に限って、「ウチの子は、何と絵が下手なのだろう」と、親御さん達は、思っていることだろう。 もしかしたら、家で、描いたものは、捨てられているかもしれない。
親御さん達は、きまって技術崇拝である。絵の良し悪しは、技術で決める。それも分からないでもないが、間違いである。 小学生の絵は、いずれ中学生以上になれば、嫌でもそれなりに大人の絵になっていく。
早い子は、小学3年生で変わり始める。それを良しとするか、否かは難しい。 小学生の絵は、やはり小学生レベルである。技術があるといっても、大人のそれとは、比べようもない。
こと、絵に関して言うと、駄目な絵と、普通と、良い絵の三つしかない。これは、大人も、プロも一緒である。
駄目な絵は、絵の基本的な考え方が間違っている絵をさす。 例えば、小学生レベルで言うと、マンガの絵を真似て上手いと思っている絵が、該当する。 5年生・6年生の高学年に多く、現に、わが教室にもいる。何度注意しても直らない。それがいけないことだと、分からないので、耳をかさない。
以前にも述べたが、低次元の絵のスタイルほど害になるものはない。マンガが悪いのではない。簡略化されたマンガというものを、真似て上手いと思う考え方が害になる。
普通の絵は、そのまま普通と言うことである。これは、子供の絵にはほとんど見られない。意外に思うかもしれないが、一生懸命描かれた絵は、技術ウンヌンではなく、良い絵ということになる。
子供の絵では、ほとんどが駄目な絵か、良い絵かの二つしかないと言える。 つまり、純度が低いか高いかという話である。もちろん後者のほうが多い。
これは、絵の世界で言えば、かなり優秀な成績である。 大人の絵も、プロの絵も必ず「普通」が混ざる。実は、この普通が曲者で、一生懸命描いてないことを、意味する。 なぜ、一生懸命描かないか?
これが、成人の成人たるところで、慢心とか手を抜くとか情熱の出し惜しみとか、色々な欲がらみが多い。 この程度描けば上手いと思われるのではないか・・・
言いたいことは、なんとなくお分かりであろう。 こういう中途半端なものを、「普通」と位置付けるのである。これには、皮肉も戒めも込められている。
さて、話を子供の絵に戻そう。
子供の絵は、純度が高い。純粋なのである。一生涯それほど純粋な気持ちを持っている年代が、以後訪れないのは、他ならぬ親御さん達が一番ご存知であろう。
絵は、純度の高さを評価する世界である。だから、つたない絵でも傑作、大傑作が生まれるのは、まさにこの年代なのである。 だから、ウチの子の絵は、なんと下手なんだろうと、思うなかれ。技術的な上手いヘタは、子供の絵にはない。大人びた絵こそ子供の絵ではない。
子供の絵は、メッセージ性が特に強い。伝えようとしているメッセージこそ大事である。どう描いたのではなく、何を伝えようとしているのか、それを考えてほしい。
このこと、ゆめゆめお忘れなく。
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