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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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柱時計 <エピソード> 08/6/28(土) |
わが拙宅の和室に柱時計がある。
大正時代のものだと思われるが、八角時計と言われているもので、ゼンマイ式振り子時計である。ゼンマイを巻き、振り子を振らすと、チクタクと音を立てて時を刻み始める。
一週間しかもたない。うっかりすると時計が止まっている。今の時代不便極まりない時計であるが、私の宝物である。
船橋の骨董屋で求めたものである。捜してやっと買えそうなものを見つけた。 骨董は、新しい状態に近いほど高い。私の買った時計は、文字盤が所々剥がれ、骨董価値としては、低いのであろうが、私はそこが気に入った。
手垢がついたような骨董は、時代の経過を思わせてくれる。新品同様の埴輪にどれほどの愛着を感じるだろうか。 時代の経ったものが好きである。骨董の話であり、年代ものの人間は、女房殿一人で十分間に合っている。
以前、東京都美術館でヨーロッパ美術の展覧会を見た。17世紀~18世紀あたりであるから、ルネッサンス美術より100年か200年ぐらい経っている。そこらあたりの巨匠と言ったらルーベンスであるが、ルーベンスの絵は少なかった。
会場には、王様の肖像が多くあったが、中に民衆の暮らしぶりを描いた絵があり、そこの所で、足が止まった。 超写実の絵である。当時の暮らしぶりを写真より如実に語っている。自分があたかも、その時代をタイムマシンで、覗いているような興奮を覚えた。 これを描いた画家の目の前には、こういう人々がいたんだと思ったら、ジーと来た。
時間の経過したものは、その時代の匂いがする。時間が匂いを運んでくるのであろうか。 私が、骨董を好きな理由である。ただ、私の小遣いで買える範囲の骨董は、限られている。だから、骨董を趣味にする気はない。一つ二つで我慢する。宝物は、一つ二つが適当であろう。
私のその宝物が、我が家で時を刻む。永久にとはいかなくとも、大事に使えば、50年、100年と、もつかもしれない。 人間の寿命をよそに、幾代も主人を代え、時計だけがそのすべきことを何十年と続けていく。 ロマンである。
大正の関東大地震を経験したかもしれない。昭和の戦争中も何処かの家の時を刻んでいた。その後、私が誕生した時は、何処で時を刻んでいたのであろうか。昭和を通り過ぎ、平成になり、おおよそ90年かそれ以上の年月を、ただ、時を刻むことだけに費やしてきた。 その時計も、何も語ってくれない。何事もなかったかのように、いつも通りただチクタク・チクタク・チクタク・・・
主人の想いとは裏腹に、黙々と、せわしなく時を刻む。 いつまでも、いつまでも、冷静に、正確に。
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