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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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構図の理屈 <大人コース 中・上級レベル> ‘08/5/8(木) |
構図には、一応理屈がある。
一応と言うのは、マニュアルがあるという意味で、マニュアルどうり描くことが必ずしも正解でない。 さて、昨年、10月30日の研究所レベル<画面を知るー1/2>で述べた、「人間は、なぜか画面を均一に見れない」、<画面を知るー2/2>で述べた「目の通り道」の話。 また、今年4月15日に書いた大人コース初級レベル<画面右に重いものを置くな>での、「画面上の感覚的な重量場」の話など、構図のマニュアルを語る上で、これらは密接に関わってくる。
そもそも構図とは何であるか。
前述したように、人間は、なぜか画面を均一に見れない、そのため、画面上に感覚的な重量場ができる。その上、右から左に向かって見る傾向がある。
まず、これらを、考え合わせてみよう。何が分かるとお思いか?
これらの、人間としての傾向を踏まえて絵を描くとすると、この傾向を利用して絵を組み立てるのが、最も効果的な視覚になる。 その最も効果的な視覚を演出するのが、構図である。構図とは、効果的な視覚を生み出すための骨組みのことであると考えてみよう。
構図の理屈とは、人間の視覚的傾向の理屈と言い換えることもできる。 そもそも、人間の目が画面を均一に見れるのなら、構図は意味をなさない。 では、画面のどこに視覚的傾向があるか、どう均一に見れないか、であるが、これがいたって、難しい話になる。 市販されている構図の本に、図解入りの説明があるが、あれを見て、ピンと来る人は、相当な経験者である。大抵の人は、なるほど、で終わってしまうと思う。絵は知識でなく、感じ取れることが優先する。感じ取ったものが知識として経験に蓄積されるものである。したがって、構図の本をいくら読んでも、自分なりの発見をしないと身につかない。 また、その発見は、必ずしも構図のマニュアル本どうりでないかもしれない。では、間違った発見なのか?
冒頭で述べたように、<マニュアルどうり描くことが必ずしも正解でない。>とは、このことである。 つまり、自分で発見したものに間違いはない。自分で感じ取ったものに間違いはないのである。そう断言できる。
さて、ここで、話を整理しよう。
構図には理屈がある。では、どんな理屈かといえば、一般的な構図解説にある構図の理屈である。それは本屋さんの美術書の棚に沢山ある。しかし、読んでもピンと来ないであろう。
では、どうするか?ここからが、本題である。
絵の解説書は、読んでもピンと来ないものである。本が悪いのではない。使い方が悪いのである。 今の時代、知りたい知識は、すぐ手に入る。構図を勉強しようと思ったら、解説本はいくらでもある。どれも言っていることは、それほど変わらない。絵を良く知っている人が、知らない人にどうやったら分かってもらえるかと、知恵を絞って本にしている。
しかし、まっさらな土地に、苗を植えても植物は育たない。開墾し、肥料を与え、栄養ある土にして、初めて成果があるのである。 つまり、受け手の準備がどのぐらいかによって、本が役立つか否かが決まる。
何も考えずに、まずは、構図から勉強しましょうという段取りでは、ダメということ。 それは、全く意味のない行為といえる。
まず、絵を描くことが大事である。実践に優る教訓はない。 そして、描き進めていくうちに、構図ってなんだろうかと考えること。考えて自分なりの考えを出すこと。それが、未熟でもいい。
自分なりの考えを出してから、構図の本を読めば、自分の考えと何処がどう違うか良く分かる。それが、その人の実感として、頭に入るというわけである。 構図には理屈があるが、それは既製服みたいなもので、高価な注文服とは違う。服を購入するにあたっては、人それぞれ予算というものがあるが、構図の理屈は、是非自分のイメージを反映した注文服にしてほしい。絵の世界に予算はないのだから。
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