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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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木炭少女 <エピソード> ‘08/4/26(土) |
土曜教室のあーチャンと、みーチャンは、この4月で小学4年生になった女の子。
この二人は、なんでも一緒である。 教室に入ったのも一緒、その時同じ服を着ていた、来るのも一緒、休むのも一緒である。その上、誕生日も、生まれた病院も一緒、色が白いのも、愛らしいのも、背丈も一緒である。 ついでに、トイレも一緒に入っていた。それでいて、赤の他人だから不思議な二人である。
性格は、さすがに違う。ちょっと、おっちょこちょいで、あまり物事を気にしないのが、あーチャン、しっかりしているのが、みーチャンである。
ある時、子供たちに木炭画を描いてもらうことになった。 木炭は、ご存知ない人のために、説明すると、木の炭と書くので、そのまま炭と思ってもらえれば、ほとんど当たっている。炭の画材用の高級品である。
我々が子供の頃には、火鉢がまだあり、冬には火鉢やコタツで、暖を取っていた。その火鉢の中に炭が入っていた。木を焼いて酸化させたものであるが、直接掴むと、手が真っ黒になる。だから、今で言うトングで、炭を掴んだものである。
この木炭も真っ黒になる。真っ黒な絵を描くのが、木炭画である。手でこすって、薄い所濃い所の黒い濃淡を楽しむのであるが、当然手が真っ黒になる。
子供は、何気なくその手で顔を拭く。だから木炭画をやると、顔が無事な子は少ない。問題は、汚れた顔をどうするかであるが、大抵の子は気が付くと顔を洗いに行く。 ところが、あーちゃんは、顔をこすってしまったのである。
前に、黒のクレパスを使った作業の時も、顔に付けてしまい、それをこすって顔を黒くしてしまったことがあった。クレパスは油性なので、石鹸でないと落ちない。みーチャンも手伝って大変な思いをした。
その時は、皆んなが、あーチャンの顔を見て、笑ってしまった。 今回は、どうか。
最初、一人の子が、あーちゃんの顔に付いた木炭に気が付いた。 「また、顔に付いてる」と言ったので、皆んなが一斉に、あーチャンの顔を見た。一斉に見られた、あーチャン、またかとばかりに、「もうー、嫌!!」と、両の手で顔を覆うように、こすってしまった。 木炭は、クレパスより良く肌に付く。こすった後の、あーチャンの顔を見て、皆んなが発した言葉は、 「ウワツ!!!」 それ以上、言葉が出ない。笑う子はいない。
あーチャンの白い顔は、一瞬にして、真っ黒け! 木炭少女が、そこにいた。 事態を察したあーチャンは、鏡も見ずに洗面所に駆込んだ。ほとんど、泣きべそをかいている。 みーチャンが、後を追いかけたのは、言うまでもない。
被害にあったのは、顔だけではない。首から下も相当である。この日に限って、エプロンを着せるのを忘れた。あーチャンは、いつも汚すので気をつけていたのだが。
そのことで、二人に散々なじられた。母親が迎えに来た時も、先生が悪いんだと言っていた。「そうだ、そうだ、先生が悪いんだ!」と変わる変わるに言う。
気まずい思いをしながら、二人を見送った。 それにしても、すごい顔だった。
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