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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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先を急ぐな アートQ&A<大人コース(初級)レベル> ‘08/4/18(金) |
「急いでは、事をしぞんじる」という言葉がある。
何事も、平常心が大事であるとの、戒めであるが、このこと、絵にも通じて言えることである。
なぜ、急ぐか?
例えば、絵が仕上がりそうなので、早く仕上がったところを見たい。それで、急いで仕上げる。それで上手く行くなら問題ないが、そうはいかない。そういう時は、意地悪にも、急いだための支障があるものである。
「九十九里を以って半ばとす」という、また別な戒めがある。
古来、急ぐための失敗を、戒める言葉は、沢山ある。それほど、人は急いでいるようである。
絵の世界においても、気の利いた戒めは少ないが、「急ぐな!」ということは、万国共通である。 このこと肝に銘じよう。
例えば、わが教室で水彩をやっている人がいて、描き始め、中盤、終盤と段階を経ていく時、難しい絵は、二ヶ月ぐらい掛かることがある。 当然、二ヶ月近く経過すると、早く終わらせたい。終盤に差し掛かった頃から急ぎ始めるのである。気持ちは分かる。痛いほど。でもここが、踏ん張りどころである。
趣味で絵を描いているからといって、いい加減にしていい理屈はない。やはり、キチッと仕上げなくてはいけないし、本人もそのことは良く分かっている。 ということは、キチッと仕上げる意識が働いた瞬間に、作業は仕事になる。趣味が趣味を超える瞬間は、こういった終盤に訪れることが、珍しくない。
絵の先生としては、はやる気持ちを鎮めるアドバイスをすることになる。 「ここからが、勝負」とか、「ここからは、一歩一歩、慎重に」とか、水彩の場合は、アドバイスが頻繁になる。 難しいのは、失敗をさせるタイミングである。失敗しないと絵は上手くならない。そうかといって、最後の最後で失敗するのは、トラウマになってしまう。失敗させながら、失敗させないのが、講師の経験ではないかと思ったりもする。
油絵の失敗は、グライダーの墜落に似て、徐々に落ちる。失敗は失敗であるが、ダメージも少ないので、また、飛び立つことが可能である。 水彩は、ジェット機の墜落である。ストンと落ちる。あっという間に落ちるので、ダメージも大きい。
いずれにしても、生徒さんには失敗してほしい。失敗しないと上手くならないことは、明白である。私が、生徒さんより絵が描けるのは、山ほどの失敗をしてきたからに、他ならない。
一度も親に怒られたことがない子供が、どう育つか考えてみれば、お分かるだろう。 この子が、初めて人に怒られた時を考えると、恐ろしい。
先を急ぐなかれ。失敗を恐れるべからず。格言は、色々である。しかし、人が、絵が、熟成していく経過には、こういった先達の言葉どおりの人生がある。
それは、常に戒めであるし、失敗から学んだ教訓である。
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