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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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版画と絵とはどこが違う? <大人コース 中・上級レベル> ‘08/3/27(木) |
版画は基本的に印刷である。絵は基本的に一点ものである。
そう定義できる。
以前、版画をやっている人が、言っていた。版画とは、同じものが二枚以上できないと、版画ではないと。 これは、一点ものを描いている人間にはうらやましい話である。同じものが二点以上あるのは、夢のような話である。
そのせいか、版画は、現代の日本において一段低いものとしての扱いを受けている。これは、日本の美術界の残念な現状である。
では、大量生産される版画と、一点ものの絵とはどこが違うのか考えてみよう。
版画作品が二枚以上あるということは、一点ものと違って、ある制約の中での制作となることは確かである。これが、版画家の悩みのタネであるだろうし、ジレンマであることは、容易に推測できる。
例えば、一点もの(一般的にタブローというので、以後タブローと言う)は、描いているものが全てであるので、仕上げの最後にちょっと筆を入れたりすることが、自由である。途中においても、ビジュアル面だけに終始できるので、目で確認し、修正も加筆も制約がない。タブローの一番便利な点である。
これが、版画となると、まず、最初に考えなければならないのが、手段である。木版なのか、石版なのか、エッチングなのか、シルクスクリーンなのか、版画の版をどのように選択するかが、最初に来る。
もちろん、版画家はいつも通りのやり方をするであろうから、これは大袈裟ではあるが、基本的な考え方は、版選びから始めることに異論はあるまい。
版には、それぞれに特徴と欠点がある。版の種類は、ざっといって、木版のような凹凸版・油と水の互いに弾け合うことを利用した石版(リトグラフ)。凹であるが、銅版の腐食を利用したエッチング・シルクの細かい目を利用したシルクスクリーンなどがあるが、その欠点の制約の範囲内での制作になる。 欠点については長くなるので省くが、いずれにしてもタブローのような、ある意味気楽な制作というわけにはいかない。
また、作品を売る場合でも、両者に違いが生じる。 タブローは、一点しかないので、その絵そのももの値段となるが、版画は、二点以上大抵百点はあるので、百点を持って版を潰し、限定としたりする。各作品の下に15/100とかの表示があるのは、100点刷ったうちの15点目という意味である。
版画と絵とはどこが違うかといえば、制約の中での制作か、制約のない制作かということになると思う。どちらもアートなので、方法が違うということであり、芸術性を損なうものではない。
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