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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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色足し算 <キッズコース> ‘08/3/20(木) |
火曜に通う「ま」ちゃんと、水曜の振り替えで来た「み」ちゃんは、同じ小学校の5年生の同級生で仲良しである。「み」ちゃんはよく火曜日に顔を出す。いつも一緒に小学校から直接教室に来て、ほとんど共同作業みたいに絵を描いたり、工作したりする。
二人とも絵が上手で、私の言うことは、なかなか聞かず、一筋縄ではいかない。 何もいわなくとも、勝手に何かやりだす。教室としては、こういった創作意欲は歓迎する。ただ、癖になるので、その日のメニューは、一応説明する。
「これを、やりなさい」と釘は刺すが、ほとんどその通りにやったためしはない。 自分らで、アイデアを出し、アレンジしてしまう。私は、渋い顔をするが、その実、好きにやらせている。 創作的な行為を邪魔するほど、野暮ではない。
ある時、長く紙をつなげ、色見本みたいに、端から順に色を塗ったものを作り始めた。初め、何してるんだろうなと思ったが、いつものことなので、気に留めなかった。いつも通り好きにやらせていた。
大体、形ができたところで、「それは、何?」と尋ねた。「色足し算」と、「ま」ちゃんが答えた。 よく見ると、初めの一色から、次の色を足し、また、足していく表であった。つまり、混色の表であった。
私もこれには、かなり驚いた。この子達は、学校で習う算数感覚で、色の足し算をしたのである。1+1=2の、単純足し算の延長である。 算数では、どんなに足しても数字の組み合わせが変わるだけであるが、色は違う。この子達は、そんなことはお構いなしに、混色したが、ちゃんと順に足すと、色の持つ秘密にたどり着く。
色は、三原色と混色によって成り立っている。その僅かな分量によって、微妙な色が生まれる。実際にやってみても、ホントは、明度や彩度が落ちてうまくいかないが、理屈はそうである。 やはり、絵具の製造元の機械による混色は、明度・彩度ともに落とさずに色を混色するので、自前は遠く及ばないが、理屈は合っているので、そうする行為自体は、正当である。 「色足し算」と、「ま」ちゃんが事無げに言ったが、その行為の意味するところは、とても意味深い。豊かな、小学生らしい発想に実に私は、仰天していたのである。 「ヘエー!!」というのが、私の漏らした感想であった。
子供は、思わぬところから真実に迫る。それは、大人たちの想像を超える。大人のアイデアってなんだろうかと考えてしまう。我々大人、いや、絵の関係者として、アイデアをもう一度考え直したほうがいいのかもしれないと、そこまで、考えてしまった。
そんな衝撃を私に与えながら、「ま」ちゃんと、「み」ちゃんは、セッセと仕上げて、「先生! 出来たよ!」と言った。「面白いのが出来たね」と、私は言っただけである。どおせ、説明しても分かりはしないし、調子に乗るのがオチである。
それは、経験から分かる。
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