|
|
プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
|
|
最近の記事 |
|
|
カテゴリー |
|
|
カレンダー |
08
| 2023/09 |
10
日 |
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
- |
- |
- |
- |
- |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
21 |
22 |
23 |
24 |
25 |
26 |
27 |
28 |
29 |
30 |
|
|
最近のコメント |
|
|
FC2カウンター |
|
|
FC2ブログランキング |
|
|
ブログ内検索 |
|
|
RSSフィード |
|
|
|
ユーモラスな絵は、子供は描かない <キッズコース> ‘08/2/13(水) |
子供の絵はとてもユーモラスである。これに異存はあるまい。ただし、子供は、意識してユーモラスな絵は描かない。
以前、Mちゃんという小学一年生の女の子が、土曜にいた。ある時、自由の女神を描こうとした。理由は分からない。私に、「自由の女神」はどんなかと、聞いてきた。
私も、急に聞かれてもすぐには、答えられない。あれこれ考えている内に、Mちゃんは自分で、勝手に描いてしまった。 これの、面白いこと!! 頭に星の冠を被った、青いドレスを着た女神が、右のコブシを、上に「エイッ!!」とばかりに、突き出している。 他の子に大受けであった。元気一杯の「自由の女神」のなんと溌剌としていることか。
その子は、絵の上手い子であった。だから、皆に笑いものにされたと思ったらしく、以後、「自由の女神」が描いてあるスケッチッブックを、人が見ることを拒んだ。私ですら、拒否した。 大傑作の「自由の女神」は、しばらく、本人の誤解が溶けるまで、お蔵入りになった。
この傑作「自由の女神」は、本人がユーモラスに描こうとしたわけでは、もちろんない。一生懸命描いた結果が面白くなった。
子供の、絵は一生懸命描かれている。特に、小学校低学年は、上手く描けない思いがあるので、大変な集中力で描かれた絵が多い。その、素直さが、人の心を打つ。 逆に、5年生ぐらいが、上手いだろうと、いわんばかりに、描いたものは碌なものではない。私が、無視するので、面白くないらしい。
小学高学年が、漫画などから得た、テクニックは、絵の世界では、下の下である。小さい子が、「上手い!」というので、調子に乗っているが、私は、一切評価しない。
しかりつけもする。未熟極まりない悪行である。これを、繰り返すと、いわゆる、絵の世界の最初のワナにはまるのである。これに、はまったら、小学生から、以後絶対に、絵は、上手くならない。 横丁の名人で、終わる。漫画が悪いのではない。利用の仕方が、高慢である。
これは、決して大袈裟ではない。だから、絵が上達するためには、先生が必要である。先生が、ワナから守るのである。それほど、ワナの数は多い。これは、本人が上手いと思って、油断する数だけある。
小学生から、一人で絵を描いて、ワナにはまらないで無事成長する確率は、宝クジに当たる確率と、多分いい勝負であろう。それほど、低い。奇跡の確率である。
さて、真のユーモアとは、本人の気が付かない所に発生しやすい。絵の世界ではユーモアも本当でなくてはいけない。人間の根源的なものを追及するのが、芸術であり、絵であり、アートである。
しかし、「本当」、「本物」は、やたら転がっていない。こと絵に関して、大人は、もちろん小学4年以上で、すでに、この感覚を失い始める。これを、保つためには、絵を描かないか、先生にしっかりと、見張っていてもらうか、どちらかしかない。
小学生の場合、大抵は、絵より勉強になるので、この感覚を失ったのにも気が付かないし、問題視されない。 しかし、万が一、将来、絵の世界に進む気があるなら、もっと注意しないといけない。そういう子は、自分で、上手いと思っているし、もっとも、ワナにはまりやすい子でもある。
そうやって、皆、潰され自然淘汰される。そして、そうなった本当のことは、誰も知らない。親もその子も。これは、絵の世界の、日常茶飯事である。
ユーモラスな絵を、子供は狙って描かない。だから、アートになる。子供時代のほんのひと時のことであるが、プロが、逆立ちしても描けない絵を、平然と描く。ほんの短い期間ではあるが、どの子もこの時期、天才となる。
スポンサーサイト
|
|
|