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アート21教室日記
田屋優・・・・・・画家、現代美術作家  西船橋の絵画教室、研究所主宰               (掲載内容の無断転用禁止)
プロフィール

田屋優

Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。
  画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。
 
「西船絵画教室アート21
 アート21研究所」
http://www.art21japan.jp/

 南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
  

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ユーモラスな絵は、子供は描かない <キッズコース> ‘08/2/13(水)
   子供の絵はとてもユーモラスである。これに異存はあるまい。ただし、子供は、意識してユーモラスな絵は描かない。

   以前、Mちゃんという小学一年生の女の子が、土曜にいた。ある時、自由の女神を描こうとした。理由は分からない。私に、「自由の女神」はどんなかと、聞いてきた。

   私も、急に聞かれてもすぐには、答えられない。あれこれ考えている内に、Mちゃんは自分で、勝手に描いてしまった。
   これの、面白いこと!!  頭に星の冠を被った、青いドレスを着た女神が、右のコブシを、上に「エイッ!!」とばかりに、突き出している。
   他の子に大受けであった。元気一杯の「自由の女神」のなんと溌剌としていることか。

   その子は、絵の上手い子であった。だから、皆に笑いものにされたと思ったらしく、以後、「自由の女神」が描いてあるスケッチッブックを、人が見ることを拒んだ。私ですら、拒否した。
   大傑作の「自由の女神」は、しばらく、本人の誤解が溶けるまで、お蔵入りになった。

   この傑作「自由の女神」は、本人がユーモラスに描こうとしたわけでは、もちろんない。一生懸命描いた結果が面白くなった。

   子供の、絵は一生懸命描かれている。特に、小学校低学年は、上手く描けない思いがあるので、大変な集中力で描かれた絵が多い。その、素直さが、人の心を打つ。
   
   逆に、5年生ぐらいが、上手いだろうと、いわんばかりに、描いたものは碌なものではない。私が、無視するので、面白くないらしい。

   小学高学年が、漫画などから得た、テクニックは、絵の世界では、下の下である。小さい子が、「上手い!」というので、調子に乗っているが、私は、一切評価しない。

   しかりつけもする。未熟極まりない悪行である。これを、繰り返すと、いわゆる、絵の世界の最初のワナにはまるのである。これに、はまったら、小学生から、以後絶対に、絵は、上手くならない。
   横丁の名人で、終わる。漫画が悪いのではない。利用の仕方が、高慢である。

これは、決して大袈裟ではない。だから、絵が上達するためには、先生が必要である。先生が、ワナから守るのである。それほど、ワナの数は多い。これは、本人が上手いと思って、油断する数だけある。

   小学生から、一人で絵を描いて、ワナにはまらないで無事成長する確率は、宝クジに当たる確率と、多分いい勝負であろう。それほど、低い。奇跡の確率である。

   さて、真のユーモアとは、本人の気が付かない所に発生しやすい。絵の世界ではユーモアも本当でなくてはいけない。人間の根源的なものを追及するのが、芸術であり、絵であり、アートである。

   しかし、「本当」、「本物」は、やたら転がっていない。こと絵に関して、大人は、もちろん小学4年以上で、すでに、この感覚を失い始める。これを、保つためには、絵を描かないか、先生にしっかりと、見張っていてもらうか、どちらかしかない。

   小学生の場合、大抵は、絵より勉強になるので、この感覚を失ったのにも気が付かないし、問題視されない。
   しかし、万が一、将来、絵の世界に進む気があるなら、もっと注意しないといけない。そういう子は、自分で、上手いと思っているし、もっとも、ワナにはまりやすい子でもある。

   そうやって、皆、潰され自然淘汰される。そして、そうなった本当のことは、誰も知らない。親もその子も。これは、絵の世界の、日常茶飯事である。

   ユーモラスな絵を、子供は狙って描かない。だから、アートになる。子供時代のほんのひと時のことであるが、プロが、逆立ちしても描けない絵を、平然と描く。ほんの短い期間ではあるが、どの子もこの時期、天才となる。
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