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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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マチエール作り <大人コース(中・上級)レベル> |
さて、厄介なマチエールの解説である。このために、辞めたり休んだりしている生徒さんがいるので、厄介なのである。私が、どうして、マチエールが厄介なのか、分からないので、これまた、厄介である。 したがって、解説をして、分からなければ、あとは、知らんという態度で臨むことにするので、あしからず。 カテゴリーは、具象の油絵としよう。また、内容は、研究所レベルであるが、関わった生徒さんは、大人コース(中・上級)レベルなので、敢えて、ここで、書くことにする。この解説は、長くなるので、ご容赦を。 三つの要素に分けて、順番に解説する。「有意義性」と「効果」と「技術」である。
まず、「有意義性」から始めよう。なんのために、そんなことをするのか、ということである。8/14日のエピソードに「マチエールが、マチマチ」というのを、書いたが、その中で、まず、「マチエールとは?」の説明をした。 ここで、もう一度繰り返そう。マチエールとは、絵の世界でいう絵肌のことである。絵肌とは、描き始めの画面の雰囲気作りのことである。 真っ白い画面は、愛想がない。どうだ、描いてみろと、いわんばかりに空虚なのが、最初の画面である。えらく取っ付きにくい。そう思った人は、多いのじゃないかな。
それで、何かを描く前に、取っ付きやすい画面にすることが、画面作りであり、マチエール作りである。そうすることによって、画面上の雰囲気を出し、次の段階に進み易くするということ。だから、マチエール作りをすると、描きやすいのである。 ここまでは、いいかな?
まず、これが、「有意義性」つまり、「なんのために、そんなことをするのか」の説明である。描きやすくするためなんです。
次に、「効果」である。
描きやすくするためなんですが、どうすると描きやすいかという問題がある。そのため、どのぐらい、マチエール作りをすればいいかが、次の問題になる。 マチエール作りを調子に乗ってやっていると、当然画面は、ゴチャゴチャになる。ここからが、意見が分かれるところであるが、ゴチャゴチャにしてほしいのである。ゴチャゴチャといっても、メチャクチャと違うので、間違わないように。やけくそで描いてくれとは、言ってない。 雰囲気作りのための、ゴチャゴチャである。これは、どんな意味があるかといえば、必要要素をここで、全部出してほしいのである。これは、分かるかな?
絵の要素の構成は、例えば、四角もあれば、三角も、丸も、バツも、直線、曲線、あと、もろもろの細かい形から成り立っている。もちろん、これに色が加わる。画面を豊富にすることが、絵の要素の構成となる。 画面の貧相化(絵の世界では、画面が貧相になることを、極めて忌み嫌う)を防ぎ、イメージを厚くする。それを、このマチエール作りの時にやってしまおうというわけである。
なぜ、いきなりそんなことを、するのかには理由がある。絵の要素を描きながら、足していくのは、実は、非常に難しい。相当な修練を要する。中・上級レベルで出来る業でない。 だから、私は、マチエール作りを覚えてほしいのである。私の言うマチエール作りである。
これが、「効果」ということになる。ここまで分かれば、問題ないが、大丈夫だろうか?もう、あっぷあっぷなのではないかな。初めにお断りしたとおり、知らん振りで、先に進む。
さて、マチエール作りは、せいぜいここまでであるが、どこまでが、マチエールなのかには、個人差がある。マチエールはマチエールとしてキチッと制作する人も、いるだろうし、境界線のないまま、次段階の制作に突入する人もいる。おそらく後者のほうが、多そうである。 なぜなら、マチエール作りは土台作りと考えるよりも、最初の制作として初めからマチエール制作として、制作の中に組み込んだほうが、余程描きやすいからである。
そして三番目である。
実は、三番目の「技術」は、マチエール作りの技術ではない。これは、制作技術のことである。(制作技術については、研究所レベルで、後日、解説するので、それを読まれたし)
制作技術について少し説明しよう。絵に必要な技術として、描写技術と制作技術がある。描写技術は、描写する上で必要な技術のことで、描く・塗る・写すなどのいわゆる、一般的に考えられている「絵を描く」行為そのものに必要な技術のことである。
しかし、それだけでは、絵は完成しない。考えるという作業が抜けている。絵を描いていると、この考えている時間は、馬鹿にならない。 この考える作業を、技術と捉えたのが、制作技術である。(一つ断っておくが、「制作技術」は、絵の世界の一般的な言葉でない。私の発想なので、ここだけの言葉として、記憶してほしい) 話を戻すが、雰囲気作りのための、ゴチャゴチャな画面はできた。さて、次にするべきことは、なんであろうか。 答えは、整理である。整理しながら、具象化する作業である。これは、頭を使う。よおく、考える作業の始まりである。 画面は、トップに引き上げてある。つまり、山の頂上にいる。整理しながら下山すると思えばいい。整理するのであるから、描写技術とは、違う。全然ないとは言わないが、中心となるのは、整理なので、制作技術というわけである。
これが、三番目の「技術」の説明である。どうだろうか? つまり、マチエール作りをすると、この三番目もセットになってしまう。そして、一番難しいのが、マチエール作りでなく、この三番目の整理なのである。この、整理が、どうも分からないらしい。私が、知らん振りするのは、ここである。
説明は、なんとか分かったと思う。整理しなければいけないことも、分かったと思う。画面を散らかしたら、整理しなくちゃならない。しかし、整理するためには、感覚が伴う。ハッキリした感覚をつかんでないと、整理できない。
これが、厄介である。感覚は、説明しずらいし、私にそれだけの文章力も、説得力もない。 だから、「壁に当たったら?パート2」で言ったように、「続けること、継続は力なり」という話になってしまう。 絵は感覚の世界なので、説明しづらいことは、説明できることより多い。当然、分からない中での、作業は多くなる。中・上級者は、マチエール作りの後の整理が、分からなくても、逃げ出してはいけない。続けることしか答えはない。
「創作の神様は、粘ったものにしか微笑まない」私が、知らん振りする所以である。
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