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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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ぬり絵の効果 |
わがキッズコースでは、見本を見て描く「ぬり絵」というのが、メニューにある。普通、子供のぬり絵は、見本がなく、輪郭線だけのもので、好きに色を塗る、幼稚園児対象のものが、イメージされるが、見本があるので、自由に描けない。ある制約の中での、ぬり絵である。
このぬり絵の狙いは、観察力に尽きる。だから、幼稚園児から小学6年までを対象としている。ぬり絵というよりも、模写に近い。 幼稚園児は、色分解が、おおむね3段階ぐらいで描く。花の絵なら、花の赤、葉っぱの緑、茎の茶、といった具合である。小学1年以上は、緑を2段階ぐらいに分ける。3年以上は、各箇所を、2段階から3段階ぐらいに分ける。それ以上の学年は、もっと細かく、もっと繊細にといった具合に、描き分けていく。
子供の観察力は、年齢とともに増す。普通はそうであるが、観察力が年齢に比例しているかは、各人各様である。そういう調査を、このぬり絵でやっている。
だから、時々抜き打ちで、ぬり絵をやる。小学高学年になると、馬鹿にして、嫌がる。嫌がるが、やってみると、結構いい加減に描いている。ものを観察するのには、訓練がいる。そこのところは、子供なので、分かってない。
絵を描くという行為は、頭の中にある、虚像と、目の前にある実像との差を縮める作業ともいえる。目の前に実像があっても、大抵は、半分ぐらいしか、実像を見てない。それで、絵を描いてしまうのは、残りは、虚像で補っていることになる。つまり、見たもののイメージが、頭の中にあり、それを、引っ張り出して、残りを描いていることになる。
子供は、この傾向が強い。だから、子供の絵は、リアリテイが欠如している。虚像の占めるパーセンテイジが、大きいのである。その証拠に、見たこともないようなものを描かせると、全く描けない。頭の中に、それについての、虚像がないので、補えないからであろう。
子供の頭の中に、虚像が占める割合が大きいのは、おそらく、観察力が未発達のために、頭の中の虚像が、更新されない状態で、温存されるからではないかと、考えられる。 成長するにつれ、観察力も増し、虚像は更新され、実体に近づくのであろう。
ただ、このぬり絵は、あくまで、調査のためであって、それ以上ではない。
子供の頭の中は、虚像だらけでも、子供らしくていいのである。この虚像の中にこそ、大人が真似ができない、自由空間というべき、発想と、エネルギーが潜んでいる。ぬり絵は、その分量を量るのに適当なのであって、幼い子が、実体に近いものを描くのも、問題を残す。
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