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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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スケッチの薦め <大人コース(中・上級)レベル> |
スケッチに関しては、10月9日の<エピソード>でも書いたが、手首の練習というと、一番ふさわしい。
デッサンを、今、やっている人がいるとする。これを、はた目でみて、デッサンをしているので、大抵のものは、描けると思っている人が多い。これは、違う。勘違いである。 デッサンをやっている人は、デッサンが描けるだけである。スケッチは、別な、はなしになる。 簡単にいうと、デッサンは、目を鍛えている。スケッチは、手首を鍛えているといえる。デッサンをしている人は、ゆっくり描くクセがついてるので、スケッチのような、早描きができない。特に動いているものには、極端に弱い。
デッサンは、静止しているものを、じっくり見つめて、描く練習である。逆に、スケッチは、動いているものを、すばやく捉える練習である。静止しているものをスケッチすることもあろうが、人物や、花、風景など、自然現象の中での作業は、モチーフの動きが伴う。だから、早く描く必要から手首の練習となる。
目と手首と両方、鍛えられている方が、作業しやすいのは、いうまでもないが、スケッチを進んでする人は、なぜか、少ない。水彩でも、油彩でも、中級レベルの人が、「デッサン力が足りない」と、頻繁に言う。スケッチ力が足りないとは、言わない。
さて、ここでの、解説は、<大人コース(中・上級)レベル>なので、少し難しい話をしよう。 絵は、色々な栄養を必要とする。形を捉える目、動きを捉える目、色彩を捉える感覚、構図、配置、アイデア、画面全体を見渡せる把握力等、様々な感覚、知的操作で成り立っている。
この、栄養素の中で、一番欠乏するのは、「動きを捉える目」である。「動きを捉える目」とは、動体視力に近い。動いているものを、追いかける目では、あるが、同時に手も動かすので、動体手力というのが、一番ぴったりくる。「動きを捉える目」とは、同時に「動きを捉える手」のことになる。 この、「動きを捉える手」は、どんな役割をするか。
絵の中に、一定の軟らかさを生むのである。ここからが、難しい話になる。 デッサンしかしてない人の絵は、この軟らかさが欠乏する。いわゆる、ガチガチの絵である。このことに、気が付いている人も、いるのではないか。どうしても、絵が、ガチガチになると、気が付いてれば、りっぱな、上級者である。
この軟らかさについて例を挙げよう。 例えば、家を描いたとする。築二十年としよう。少し離れた場所から、地面に立って描く。そのまま、描けば、直線の集まりで、家をかくことになる。縦線は垂直に、家の横は、透視がかかるので、家の右側は右下がり、左は、左下がりになる。キチッとした、家が出来上がる。よくある、不動産屋さんの広告にある、パースのような、家になることだと思う。
多分、デッサンしか、してない人は、こういう絵を描く。しかし、絵の世界では、これでは、つまらない。キチッとした線は、何も感じさせない。家にも、年輪はある。二十年経った家屋なら、その年輪を描きたい。それで、真直ぐな直線を、多少曲げる。家が軟らかくなる。 この感覚が「動きを捉える手」のことであり、絵の中に、一定の軟らかさを生む話となる。そして、この「動きを捉える手」は、スケッチによってのみ、手にすることができる。
抽象的な話になってしまったが、残念ながら、分かる人にしか、分からない。分からなかった人は、こういう話もあるのだと、心に留め置いてほしい。
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