ワンタッチ、ツータッチ描法と、私は言ってます。
水彩は、ワンタッチ、ツータッチ描法だと、覚えてほしい。ぐだぐだ塗らない。それが、一番水彩のいい所を引き出すのです
二回しか塗らないわけでは、ありません。スリータッチもフォータッチもありますが、あくまで、執拗に塗らない例えです。
紙にサッと塗る。また、サッと塗る。この、「サッと塗る」感覚が、ワンタッチ、ツータッチ描法というわけです。水彩は紙の白さを活かした描き方なので、濃くは塗りません。{アートQ&A「水彩画は厚塗りしてはいけないか?」<大人コース(初級)レベル>参照}また、同じところを、何度も塗りません。
明度を保つ上でも、ワンタッチ、ツータッチ描法が、適切な描き方となります。
水彩は、とても日本的だし、繊細です。油絵はぐだぐだ塗ります。正反対と、いえるでしょう。
しかし、本来、描くということは、ワンタッチ、ツータッチ描法なんです。実は、油絵はぐだぐだ塗るようですが、それは、訂正を繰り返しているだけで、絵具の一番上は、ワンタッチ、ツータッチ描法なんです。
水彩は、このワンタッチ、ツータッチ描法を、より顕著にした描き方といえるでしょう。一発勝負的な描き方は、失敗と成功の危ない綱渡りになります。結論の早い、短気な描き方で、とても日本人的な描き方だともいえます。水彩が、日本人に好まれるのは、その繊細さと、結論の速さではないでしょうか。
さて、この手短な制作は、何を、生み出すでしょうか?
まずは、新鮮な感覚を生み出しそうです。制作時間の短縮は、感覚を新鮮に保つのに役立ちそうです。
感じたことを、すぐ絵にできるのは、より感覚的ですが、ここには、大きな落とし穴もあります。短絡的になってしまう可能性があるのです。
早く描けるとは、早く絵の制作が終了することなので、いいかげんになりやすいこともいえます。水彩で、丁度いいところで仕上げるのは、ハッキリ言って大変です。描き込みすぎたり、あっさりしすぎたりと、なかなか、うまく収まってくれません。
この短絡的になりやすい傾向を、防ぐ方法はありますが、長くなるので、また、今度とします。
やはり、制作は、数あたるしかありません。最初は、誰でも、エイトタッチ、テンタッチぐらい、いきますので、気にしないで描いて下さい。そのうち減ります。ワンタッチ、ツータッチ描法が、最終目標ぐらいに考える気楽さが、大事です。
なぜなら、ワンタッチ、ツータッチ描法は、結構、難しい描き方なんです。
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