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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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<教室日記>2014・11・25(火) |
 会員 川村 恵 デッサン
「作品紹介-15」
ブログ作品作者紹介も今回を入れて、余すところ4人となった。 すでに、11月末である。 初めての方にご説明するが、今年の5月に開催した大人コース「会員展」の出品作品から18点をチョイスして、作品および作者紹介をしている。 今年の出品作品は全部で73点。 その中から模写作品を除いた残りからチョイスしている。 模写作品もいいのがあるが、ネット上での公開ははばかれるため、残念ながら、除くことになった。
とりわけ、苦労した作品など色々あり、私としても、選択には悩んだが、今年中には、作品紹介を終わらしたい意向もあり、バサッと18点に絞った次第。 それでも、終了は12月16日なので、選にもれた作品については、ご勘弁願いたい。
さて、作品紹介15人目は、川村 恵さんのデッサンである。 川村さんは、2013年の3月に入会した20代の女性。 もう3ケ月もすれば、在籍2年になる。 早いものだ。 ついこの前、入会したような気がする。
教室入会前に、1年以上の経験あったようで、初めからしっかりしたデッサンを描いた。 今年の会員展が初出品。
会員展は、毎年5月末にあるため、出品者は、前の年の12月入会者までとしている。 作品点数が少ないのと、クオリテイーが出品レベルに達しないためである。 しかし、この線引きは、時々、動くこともある。 前に動くことも、後ろに動くことも。
1月末に出品候補者として皆にお知らせするが、この時点で、1月入会でも出品候補者とする場合もあり、11月入会でも外すことがある。 初めから描ければ入会時期は関係ないし、未熟なままだと、翌年に回す。
また、出品免除の人もいる。 特に、高齢者で上達を望まない人もいるので、こういう方は、好きにやらせている。 会員展出品は、あくまでも、一年の成果を発表することにより、会員の向上心を扇ぐものとしてあるので、上達を望まない人には、無縁であろう。
さて、今回ご紹介の川村さんのデッサンをご覧頂くとお分かりのように、貝の縞模様が透けて見える。 実際、この貝は薄いので、表の縞模様が裏に透けて見える。 実は、川村さん以前の生徒さん達は、この部分は黒く描いて縞模様は、描かなかった。 縞模様は透けて見えるが、私も黒く描くよう指導した。 この貝を描くまでには、ボトルを3本描いている。 ボトルを3本描いたら、次は貝を3個描く。 その貝の最初が、この「巻貝」である。 この段階だと、透けた縞模様を描くのは、手に余るだろうと判断していた。
つまり、この「巻貝」の縞模様は、川村さんが初めて描いたのである。 川村さんが、縞模様を描いた最初の人になった。 その後、「巻貝」の縞模様は、皆が描くようになった。 今では、当たり前のように縞模様を描こうとする。 私が、何も言わなくても描いている。 川村さんが描いたのを、皆が知っているからである。
そして、分からなくなると、教室に置いてある「会員展作品集」に載っている川村さんのデッサンを参考にしている。 作品集が壁に掛かっていないなと思っていると、誰かのテーブルの上に乗っている。 そういうことがよくある。
今、川村さんは、二つ目の「ほら貝」を描き始めて久しい。 カタチ取りに手間取っている。 いつ見ても、カタチを直している。 デッサンのカタチは修正することに意味がある。 修正し修正して、目で見たものと頭の中で認識した映像を合致させる。 それが、デッサンにおけるカタチの反復練習だ。
そういう意味において、川村さんは、見事に実践している。 川村さんのいいところは、粘り。 なんでもそうだろうが、粘りが物事を解決する手段であろう。 すぐに、諦めたり、適当になったりしては、ものの上達は望めない。 粘り通して初めて何かが変わる。 そういうもの。
川村さんは、今年2月に都内へ転居した。 今は、ほとんど、東京を縦断して西船までやって来る。 淡々と通い、淡々とデッサンをしている。 なぜ、遠い所からデッサンしに通うのか、私も訳は知らない。 しかし、何かものを作り出そうとする情熱が心の奥底にあるような気がしてならない。 そのために、今はデッサンをしているのかもしれない。 飛び立つ前の準備かもしれない。 そんな気がする。
ならば、飛び立つところを見てみたい。
水彩の世界に飛び立つのか、油彩なのか。 いずれにしろ、その日は、そう遠くないだろう。 川村さんのしまってある情熱を、具体的に早く見せてほしい。 作品制作は、自己表現。 初めて縞模様を描いたように、何か、新しい表現で自己を主張してほしい。
そういう日が来ることを、期待しないわけにはいかない。
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