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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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<教室日記>2014・7・22(火) |
 会員 菅加奈子 水彩画
「作品紹介-5」 一昨日の20日の日曜日に、「夏の特別教室」があった。 特別教室は、年三回。 春、夏、秋に開催し、今回は、夏編。 午前教室と午後教室の二つがある。
午前教室は、興味はあっても、中々受講時間にできない人のために設けたミニ講義。 今回は、三つのカテゴリーを用意した。 パステル初級とパース(遠近法)、そして、前回の春編で好評だった「色についての基礎知識」 参加者6人。
午後教室は、2時から5時まで「裸婦クロッキー教室」 モデル協会派遣のモデルさんを描く。 参加者7人。 連休中なので、参加者は少なかった。
が、この午後教室終了後に、個人的な催しものがあった。 わが教室会員の Ki 君が、結婚することになり、8月末には、福岡に旅立つ。 そのお祝いとお別れ会を「裸婦クロッキー教室」終了後の午後5時に予定した。 参加者は、Ki 君の馴染みの生徒さん達。 今回、ご紹介の菅さんもクロッキー教室後、そのまま、「おめでとう会&お別れ会」に参加した。
菅さんは、今年の会員展には、二点出品した。 今回ご紹介の作品と、もう一つは、模写作品。 模写作品は、パース(遠近法)を得意とする水彩画作家の作品模写で、この作家の作品は、何度か描いている。
菅さん自身、昨年の「夏の特別教室」の午前教室に参加し、パースを受講している。 パースは、単なる理屈なので、理屈を覚えてしまえば、どうということはないが、皆、なぜか、パースは難しいと言う。 パースが難しいという人は、二点透視が難しいと言っているのだと思う。 一点透視は、消失点が一つなので、難しいわけがなく、また、三点透視も、よほど、変わった建物でない限り、消失点を割り出すのは、一点透視とほぼ同じ。
ただ、二点透視は、アイレベル上に、消失点がいくつもできることがあり、それが混乱の原因だろう。 いずれにしろ、菅さんが、パースを得意とする作家の作品模写をするのは、パースの理屈を自分の中で、十分に消化したいという気持ちの表れのような気がする。
さて、菅さんは、今年の秋で丸6年の在籍になる。 小柄でチャーミングなこのお嬢さんは、決して出しゃばることはしないが、すっかり教室に馴染み、皆と和気藹々と語る姿は、微笑ましい。
微笑ましいと言えば、今回、ご紹介の絵も微笑ましい。 白イルカ。 海の愛嬌者である。 どうして、こんなに愛嬌たっぷりの顔をしているのか、自然界の不思議であるが、ポイントは、そのオデコだろう。
まず、大きなオデコが目に飛び込んでくる。 そして、笑みを湛えたような大きな口、両端に追いやられた小さな目。 どれをとっても、アイらしい。 菅さんは、水族館で泳ぐ白イルカが気に入り、何枚も写真に撮っていた。 その中から、絵にしたいと言ったが、候補を選び出すのには、時間が掛かった。
菅さんは、2008年の10月に、水彩画で入会した。 未経験。 そのため、最初の2年間は、水彩画の模写や、自分で撮った写真を見て描いていた。 その後、デッサン力に疑問を抱いたのだろう、デッサンを希望した。 初めから勉強し直しと思ったのかもしれない。
瓶、貝と続き、単品描きの基礎デッサンを終了。 次がデッサンコースの本科で、石膏デッサンを描く。 最初が、足の石膏デッサン、次が石膏像のアグリッパ、その次がメジチ。 だが、足の石膏は、他の生徒さんが使用中。 アグリッパも使用中で、その次の、メジチ像を描くことになった。 描くハメになったというのが、正しいかも。
つまり、三段跳びになった。 デッサンは、徐々に目を馴らす必要があるため、難易度の低いほうから高いほうへと、順に描いていく。 三段跳びしていいハズはない。
しかも、石膏デッサンになると、基礎デッサンより、三段跳びしたくらい難易度が、まず、上がる。 つまり、菅さんは、計六段跳びしたことになる。 これについては、私も責任を感じるが、基礎デッサンを終了した時点で、デッサンする目は相当培われているので、何とかなると思った。
と、この話はこれくらいにしよう。 ここから先は、昨年の作品紹介で書いたことだし、まあ、菅さんが悪戦苦闘したことは、言うまでもない。
さて、今回、ご紹介の白イルカについては、私も色々アドバイスした。 主に構成面でのことで、技術的なことのアドバイスはしていない。 菅さんは、水彩画については、すでに十分な慣れと巧みさを身に付けている。 黙っていても、ある程度のレベルの絵を描く。
経験というものは、貴重なものである。 未経験で入会しても、月日を重ねると、表現を身に付けていく。
遊んでも5年。 絵を描いても5年。 それなら、5年前の自分とは明らかに違う自分になっていたい。 菅さんは、昨年、心ならずもメジチ像で苦労してしまったが、今年は、水を得たイルカのように、伸び伸びと描いている。
5年前の、まだまだ未熟な菅さんは、今、ここにはいない。 今、ここにいるのは、少しづつ余裕を見せ始め、少し豊かになった菅さんである。
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