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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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<教室日記>2013・10・29(火) |

講師 大野まみ ドローイング <教室日記> (作品紹介―14)
一昨日日曜日に、今年最後のイベントであるキッズコースの教室展が終了した。 昨年、11月から描き溜めた「アイデア漢字」「自分の顔描く」「人の顔を描く」「手を描く・足を描く」「パステル画」「絵手紙」「デッサン」「デッサン画模写」「図鑑絵」「毛糸アート」「ボタンアート」「オリジナルポスター」「定規アート」「自由画」など、様々なメニューを展示した。 親御様、オジー様、オバー様、お友達など、総勢93名の来訪者があり、台風の接近のため、参加人数の減少を予想していた割りには、減少は小幅にとどまった。 なにしろ、普段曜日ごとに相手をしている子供たちが、二日間で、まとめて来るのだから忙しい。 午前10時開始とともに、次々と子供や親御さんが訪れる。


中には、テンションがいつもより上がってしまい、わがままいい放題、し放題の子もいる。 こういう子の頭を、大人の見学者の目を盗んで叩く。 さすがに、目の前では叩きづらい。 気を使うのである。 また、来年小学生のS君が私に抱きついて離れない。 キャーキャー騒ぎながら、頭の毛を掻き回された。 お母様がお迎えに来るまでそのまま。 何もできない。 正直、終わってホッとした。
今年の催しものは、来週の日曜日開催、大人コースの「秋の特別教室」のみとなった。 夏を過ぎるとあっという間に、秋が過ぎていく。 今更ながらそのスピードに驚かされる。
さて、作品紹介である。 作品紹介14人目は、大野まみ講師のドローイング。 大野まみ講師は、私の二番目の弟子である。 普段は、まみちゃんと呼んでいるが、ここでまみちゃんははばかれるので、まみさんと呼ぶことにしよう。
まみさんは、前回でご紹介したアート21杉並教室の開設当時の生徒さんだった。 20年前の話。 杉並教室の一番最初の生徒さんが、よく話題に出る私の高校の同級生である河合君、そして三番目に教室に入会してきたのが、大野まみさんだった。 当時は結婚前だったので、溝部まみと名乗っていた。 まみさんの旧姓である。
当時30代をちょっと出たくらい。 橋崎君とは、確か同級だったか、一つ下かで、年令が近かったのを覚えている。 まみさんは、初めから絵が上手く、イラストレーションのプロになりたいと言っていた。 私は、その頃雑誌のイラストを生業としていたので、出版関係の絵しか教えることができなかった。
イラストレーションは、用途によって、大きく三つに分けることができる。 一つは、出版関係のイラスト。 二つ目は、デザイン関係のイラスト。 三つ目は、タブロー的なイラストである。
出版関係のイラストは、個性重視。 イラストに個性がないと使ってくれない。 また、対編集集者との単純な関係であり、編集者の気まぐれな判断が全てなため、出版関係に潜り込むのは、相当困難と言えよう。 私の場合は、大学時代に各出版社に売り込みに行き、卒業と同時に、ある大手出版社でささやかながら、使ってもらった経緯がある。 そして、それをきっかけに、様々な出版社のイラストを手掛けた。
デザイン関係のイラストは、技術重視。 個性は問われないことが多い。 何でもこなす技術を要求される。 デザイナーまたは、アートデイレクターとの関係であり、さらに、クライアントが絡む。 デザイン業界では、クライアントは神様なので、クライアントがクレームをつけると、良く出来たイラストでも平気で描き直しをさせられる。 私もこの業界に一時期、足を突っ込んでいたが、描き直しを拒否して、以後仕事が来なかったことがある。 しかし、いいこともあり、ギャラが出版業界の5倍~10倍(昔の相場)で、比較的にすぐに使ってくれる。 売り込みに行って、その場で仕事を頼まれたこともある。
三つ目のタブロー的なイラストは、個人的に制作するイラストのこと。 個人的に描きたいものを自由に描くが、カットイラストと違い、構図を取るようなものを指す。 つまり、画面の作り方は、絵画に似ているが、絵画の永久不滅な考え方を基盤としているのに対し、タブロー的なイラストは、今の感覚、時代性を反映する感覚を基盤としている。
ちなみに、タブローとは、油彩画のような1点ものの絵のことで、最近では使われなくなったが、絵を描く者は、覚えておいて損はない。 タブロー画家と言うと、一般的には、油彩画家を意味していた。 代表的なタブロー的なイラストは、ちょっと古いが、ヒロ・ヤマガタやテッセンなどの作品がある。 タブロー的なイラストは、ナイーブアートと言われることが多く、販売目的に描かれることが多いと言えよう。
さて、まみさんには、このタブロー的なイラストを描くよう勧めた。 すでに、カットイラストは経験していたので、もっと複雑なイラストを勧めたのである。 そこで、まみさんはネコの絵を描いた。 構図を取り、裏庭にネコがいて、背景には障子がある。 そんな絵だったように思う。 時間を掛け、画面を作っていったが、一つ分かったことがある。 まみさんは、この手の絵が苦手だったこと。 苦手なものを描くのが勉強というものであるが、まみさんは、時間を掛けて描き込んでいくタブロー的イラストは、自分の求めているものではないと、この絵を描いて気付いたのかもしれない。
もっと直接的で、もっと感情的なもの。 短時間で描けて、その時の気持ちを表現できるものをまみさんは求めていた。 そこで、ドローイングという描き方をやってみるかと提案した。 ドローイングは、私の基本的な制作スタイルである。 言わば、描き方においては、専門だった。 まみさんは、このドローイングに飛びついた。 こうして、まみさんのドロ-イング描写は、この時に始まった。
線の引き方など基本から教え込んだ。 まみさんは、飲み込みが早く、あっという間に上達した。 水を得た魚だった。 イラストレーターのまみさんが弟子なのは、彼女がドローイング描写の最初の生徒だからである。 つまり、彼女こそ私のドローイングの最初の弟子なのだ。
今、まみさんは、自分のドローイングを進化させ、驚くほど達者な腕をみせる。 都会的でシャレていて、ハイセンス。 ドローイングイラストを描かせたら、彼女の右に出る者はないと私は思う。 現にまみさんのイラストは、業界でも高く評価されている。
ご紹介の絵をご覧になれば、お分かりだと思う。 気持ちいいくらい伸びやかに描かれている。 これほどの伸びやかさは、私にも真似ができない。 まさに、水を得た魚が大海を目指して泳いでいく。 どこまで、行くのか、どんな絵を見せてくれるのか、
私は、それを楽しみにしている。
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テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術
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