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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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<教室日記>2013・6・25(火) |

会員 大野太一 アクリル画 <教室日記> (会員作品紹介-3)
今回ご紹介する作品は、大野君のアクリル作品である。 大野君は、今年29才になる若者で、3月入会なので、教室在籍2年とちょっと。 デッサンを1年描いて、昨年の会員展以降アクリル画に転向した。 会員展以降、制作方針が変わることは珍しくなく、会員展で刺激を受けて、「ヨシ、今度はこれをやってみよう」 と思うのだろう。
ご紹介している作品は模写である。 模写は技術獲得等学ぶものが多く、教室としても奨励している。 模写は自分の身長分で描けない。 相手の描写技術、制作技術的身長に合わせるため、背伸びしても届かない場合がある。 したがって、選ぶ絵を間違えると仕上がらない。
大野君も選択ミスした可能性があった。 初めてのアクリル画で、背伸びしても無理だった可能性があったが、描きたいと思う気持ちが常に優先するため、本人の気持ちに任せた。 この模写の絵は、景色としては複雑ではない。 問題は川の表現にあった。 川を描いた絵なのだ。 だから、川が上手くいかないと絵にならない。 こういうシンプルな絵は、意外と難しいのである。 大野君は、この川の表現だけで5ヶ月掛かっている。 5ヶ月間、ただひたすら描き直しを繰り返した。 その粘りが、この模写作品を生んだ。 やってみれば分かるが、中々できることではない。 おそらく、たいていの人はあきらめるだろう。
私も色々アドバイスした。 しかし、描くのは本人である。 こういう表現はこう描くと指導しても、描くのは本人。 本人がそう描けないとどうにもならない。 私が描いてみせても、本人が描くとちょっと違ってしまう。 色の問題、筆の問題、原画との大きさの問題等障害は色々ある。 そんな中で、頑張らなければならない。 正直な話、私もしまいには、どうアドバイスしていいか分からなくなった。 本人の気持ちに任せるしかない。 あきらめた時に元気付けるのが私の仕事だと思っていた。
だから、ここら辺であきらめるはずだった。 少なくとも私はそう考えていた。 しかし、違った。 上手くいかないと言いながら描き続けた。 大野君は、あきらめなかった。 数ヵ月後、何とか川らしくなってきた時、大野君は何かを学んだと思う。 アクリルの技術だけではなく、もっと精神的な何かを。 「頑張れば、何とかなる」 ということかもしれない。 川が仕上がると、あとは問題らしい問題はなかった。 おそらく、問題はあったのだろうが、川ほどの問題はないと本人も思ったと思う。 それで、その後の制作は結構順調にいった。 選択ミスと思っていたものが一年後完成した。 「粘り勝ちだな」 と思った。
「創作の神様は、粘った者にしか微笑まない」
昔、デザイン学校の先生をしていた時に、何気なく生徒に言った言葉である。 この言葉を、今回、大野君に贈る。
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テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術
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