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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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<教室日記>2013・5・14(火) |

通信講座水彩画見本 <教室日記> (会員展直前)
教室のホームページにもお知らせしているが、今月の25日(土)・26日(日)は、大人教室の「会員展」がある。 5月の恒例行事だ。
発表会なので、皆、このために作品を描いていると言っていいだろう。 ある意味、晴れやか、ある意味、恥ずかしい。 自分の作品を見てもらいたい人もいれば、見てもらいたくない人もいて、人それぞれ、想いが行き交う。
発表すること、参加することに意味があるとしているので、半強制的に参加してもらっている。 そうでないと、尻込みする人が多く、そういう人は、必ず、「まだまだ」だからと言う。 絵で「まだまだ」と言い出したら、切りがない。 「十分」と言える人が、いったい何人いるだろうか。
義務化するから、皆、渋々出品する。 恥ずかしいと思う反面、結構、よく描けていると思うかもしれない。 また、恥ずかしいままの人は、恥ずかしいので、来年はもう少し恥ずかしくないもの出そうと思うかもしれない。 いずれにしろ、刺激を受けることは確か。 それで、少し頑張る。 それで、少し上手くなる。 それでいい。
絵の制作には、節目がない。 ダラダラといつまでも続く。 だから、こういう発表会が、必要なのである。 自分で節目をつける。 教室が、節目をつけさせる。 どっちも同じ意味。 同じ目的。
作品展まで、あと、2週間もない。 出品作品が出来上がった人はいいが、そうでない人は、自分の作業日数を指折り数えて、焦り始める。 昨年の会員展以降、ほとんど、1点しか描いてない人がいる。 石膏像を描いているのだが、デッサンの最初のほうに描いた、瓶や貝を終え、石膏像に移ってから、もたつき出し一年が経った。 石膏像は、人体なので、難易度がグーンと上がってしまう。 それで、今描いているのが、九枚目。 同じ石膏像を9枚描いている。 紙の右肩に番号が振ってある。 「9」
一年近く描いているのに、仕上がらない。 カタチは取れた。 しかし、濃淡調整で、ほとんど迷路に迷い込んでしまった。 4月下旬、この方(30代前半の女性)が、とうとう、切れてしまった。 作業時間が終了すると、ほとんど、挨拶なしで、帰って行った。 とても、大人しい人なので、大変珍しい。 私に対しても、不満ともとれる言い方を、この日していた。 土曜日の夜なので、周りには、生徒さんが何人もいた。 何となく皆、気まずそう。 あと、3回しか作業できないので、本人は、焦りに焦ったのだろう。 一年近く描いて、仕上がらないデッサンを出品したのでは、泣くに泣けない。 他に出品できる作品は描いていない。
私のアドバイスも一年間聞いていると、何の役にも立たないのだろう。 同じことを何回も言われている。 言われた通りに何回も直す。 しかし、結局振り出しに戻る。 上手くいかない。 だんだん、分からなくなってくる。 気が付いたら、会員展間近になっている。
私に、腹を立てているのか、自分にかは分からない。 おそらく両方だろう。 帰るその人に、その場にいた人が、皆、慰めの言葉をかけていた。 趣味で描いているのは確か。 しかし、その時の彼女には、趣味を超えた何かがあった。 たとえ趣味で描いていても、そういうことが、実際に起こる。 目的意識と言うか、達成意識と言うか。
29才になるO君も、一年近く、アクリル画を描いている。 昨年の会員展以降デッサンからアクリル画に転向した。 会員展で、他のアクリル画の作品に刺戟を受けたらしい。 以来、アクリル画の模写をしているが、川の表現に手間取り、川だけで、5ケ月掛かっている。 何回も塗っては、直し、塗っては直しを5ケ月続けて、やっと、川らしい雰囲気が出てきた。 その彼が、先日来て言った。
「これで、会員展までに仕上がらなかったら、泣きますよ」
皆、それぞれに苦労し、制作している。 これぞ、まさしく制作の現場。
先の彼女のデッサンは、結局、私が、整理して、まとめやすいようにした。 彼女が、次にやって来た時、そこから始めて仕上げるように言った。 オマケしたのではない。 その彼女も、何度かは、濃淡が画面上で合った瞬間があったはずである。 しかし、通り過ぎてしまったのだろう。
濃淡調整は、ピタッと合う瞬間がある。 そこで、止めれば、いいのだが、気が付かないと通り過ぎてしまい、また、画面は混沌としてしまう。 私は、ピタッと合う少し手前に巻き戻した。 彼女のデッサンも、O君のアクリル画も、その後、完成した。 二人のホッとした表情が、頭の中に残った。
ただの趣味と言うなかれ。 二人が得たものは、趣味の楽しさではない。 喜びである。
<ボランテイア活動をしています> 公益NPO各団体の支持を得た活動です。
通信講座テキスト一部を実費(500円)で、提供します。 対象者:おおむね60才以上の方・障害のある方・12才以上大学生まで。 ● デッサン講座・水彩画講座・パステル画講座 ● お問い合わせ : taya@art21japan.jp (コピーして下さい) ● 注意 :教室お問合せと混同するので、件名は「ボランテイアお問合せ」でお願いします。
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テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術
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