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アート21教室日記
田屋優・・・・・・画家、現代美術作家  西船橋の絵画教室、研究所主宰               (掲載内容の無断転用禁止)
プロフィール

田屋優

Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。
  画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。
 
「西船絵画教室アート21
 アート21研究所」
http://www.art21japan.jp/

 南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
  

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アート講義(番外編・総合) ‘11/3/11(金)
<抽象画とは何か?>

  久しぶりにアート講義をしてみようと思う。 
抽象画の初級講座である。 抽象画にも色々あるが、一般抽象絵画の説明とする。
  
  さて、最近、ネットコースの体験コースで抽象画を希望した方がいた。 抽象画の体験用の資料はないので、ワザワザその方のために作った。 「抽象画とは」というテキストを作り、抽象画の簡単な見本画を描き、その見本画解説テキストも作った。 本人から「頑張ります」というメールも届いたが、送られてきた作品を見て驚いた。 意味不明である。 結局、添削不可の返信メールになった。 

  本人には気の毒だが、添削のしようがない。 それで抽象画のことを少し説明しておかなければと思うようになった次第。 抽象画ほど誤解されている絵画は他にない。 
  文章は長いので、興味のある方はお付き合い願えれば幸いです。

ということで、その方の絵がどうして意味不明であったかをご説明しよう。 つまり、提出された作品と私との共通項がなかったのである。 自分以外の人の絵に、自分と共通項があるから感想も言えるし、批評もできる。 本人しか分からない記号やカタチで描いたものを、さあ、どうですかと見せられても返事に困る。 つまり、そういうこと。 
  
  おそらく、具象画(一般的な絵画で具体性のあるもの、または何が描かれているのか分かるもの)は技術がないので描けないが、抽象画なら何とかなるだろうと思ったと思う。
  わけの分からないものを描けば抽象になる。 自分のイメージを描けば抽象になる。 そんな風に考えたことは容易に察しがつく。 そして、自分でもわけが分からない絵を描いても、専門家なら分かるだろう。 だから、添削よろしくお願いします。
  と、こういうことだろう。 

しかし、それは無理な話である。 本人でも分からないような絵や、本人しか分からない絵は、他人ではもっと分からない。 それが道理である。 専門家もしかり、魔術師ではない。 あえて言えば心理学者なら相手になってくれるかもしれない。 心理学者なら人間の心理という共通項を持っている。 
    
  絵は分かりやすくないといけない。 なぜなら絵は、自分の夢や理想、イメージや感動などを人に伝達する手段だからである。 具象画しかり、抽象画しかり。
  しかし、抽象画は絵に具体性がない分、共通項が具象画より少なくなっている。 したがって、抽象画の共通項を勉強しないと意味不明となる。

  では、抽象画のわけの分かる絵、言い換えると共通項は何かという話になるが、これは初心者にはいきなり難しい話になってしまう。 絵の構成要素について語るしかないので、参考程度に聞いてほしい。  

  まず、抽象画を簡単に説明すると、具象画と抽象画は背中合わせの絵画であるといえる。 どういう意味かというと、向いている方向は違うが基本が同じということ。
  例えば、望遠レンズで遠い景色を覗いたとする。 ピントが合った状態が具象画、ピントが合ってない状態が抽象画ということが言える。 
  望遠レンズで覗くとピントの幅が短くなるので、ちょっと引いただけでも、ぼやけてしまう。 何が何だか分からないものになってしまう。 しかし、それはピントが合った時にハッキリと見えるものがぼやけているので、色的にも構図的にも配置的にも同じことになる。 何だか分かるか、分からないかの違いだけ。
  
  ということは、抽象画を描く時に何を描いているのか具体性はなくても良いが、色や構図、画面上の配置などは具象画同様キチッと抑える必要があるということ。 
  この色や構図、画面上の配置などが絵の構成要素で共通項になる。 他には描写技術やアイデアもあり、具象画の構成要素と全く同じである。
  つまり、抽象画の勉強方法は具象画の勉強方法と同じになる。 具象画の基本的な勉強方法が、一般的にデッサンから始めるなら、抽象画もデッサンからということになる。  

  というのが、抽象画の大まかな説明である。 お分かり頂けただろうか?
つまり、絵を普通に勉強した先に抽象画があり、初心者がいきなり描けないようになっている。 別に描いても良いが、人に見せて感想を聞かないこと。
  
  さて、最後に皆さんが抽象画に出くわした時の見方をご紹介しよう。 こう考えると良いという話である。  
  
  まず、その絵から何を感じるか。 どんな絵でもそれが一番最初に来る。 何が自分に伝わって来るのか。 
  絵はつまるところ、最初の印象で決まる。 どのようなリッパな理屈や、理想があってもつまらないものは、つまらない。 そして、つまらないものは、映画やドラマと同じで、絵の世界でも評価は低い。 
  世に名画というものがあるが、芸術性が高いだけでは、名画にならない。 必ず理屈を超えた魅力がないとならない。 魅力は理屈ではない。 直感。 
  
  したがって、皆さんが抽象画を見る時に、好き嫌いだけで見ても結構いいところをつくと思う。 ヘタに理屈で考えるほうが危ない。 直感はウソをつかないが、理屈はウソをつく。
  だから、嫌いだったらもう見る必要はない。 自分には関係がない絵と切って捨ててしまうのが正解。 
  もし、興味を持ったら、その時はどうしてなのか考えよう。 その絵の中に必ず自分の好みの要素が隠れているはず。 そしてそれを見つけた時に、皆さんは抽象画に一歩近づいたことになる。 


田屋のアート講義は、‘09/4/23(木)を以って終了しました。

「研究所レベル」・「大人コース(中・上級)レベル」・「大人コース(初級)レベル」・「キッズコース」・「高齢者のための絵画指導」の五講義(各60テーマ)は、左欄のカテゴリーで、閲覧出来ます。


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