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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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何でも試す <大人コース(初級)レベル> ‘08/12/17(水) |
これは、画材屋さんで買って来たものを、何でも試すという意味もある。 また、思いついたことを何でも試すという言い方も出来る。
例えば、画材屋さんで、何気なく絵具を買ってくる人はいないだろう。単品売りの絵具にしても、何気なくはなそうである。 だが、簡単な道具だとかは、何気なく買うことがある。
私が、目的なく買って来たものに、半紙があった。習字の時に描く時の半紙であるが、生半紙で、いわゆる滲み防止のドーサ引きをしてないものである。
私が、支持体(描く相手先、紙とかキャンバスのこと)とするものは、紙が多く、特に和紙を多く使うことから、何気なく買ってみたが、使用目的は皆無であった。 ほとんど、無駄買いに近かった。
そのまま、二年ぐらい仕事部屋に埋まっていたが、ある時、整理をしていたら、この半紙がひょっこり出てきた。その時は、何か興味が湧き色々描いてみた。 生半紙は滲みが凄いので、面白かった。
結局、この半紙を使った技法を、その後編み出すことになる。いまでは、なくてはならないものに、この半紙の座が確立している。
そういうことがある。
だから、という話になる。肝心なのは好奇心であろう。 画材屋さんで、何となく面白そうだと、手に取ってみても、具体的な使い道はないものである。それはそうである。それを買いに行ったわけではないので、当然であろう。
しかし、そこでそのまま帰るか、思わず買ってしまうかで、その後の制作に大きく影響することだってある。さりとて、無駄買いスレスレの話なので、私もこれ以上は言えない。 運・不運の話とも、ちょっと違うので、予定しない出会いは、あるもんだということにしておこう。
さて、思いついたことを何でも試すということも、意外な出会いを生むことがある。 ある時、水彩を描いているOさんが、ロウソクを持って来た。
「先生、マスキングテープがないので、これでやります」と言う。
マスキングテープとは、紙などの画面上のマスクをしたいところに貼るテープである。 カッターで切ってカタチを作ったりして、その上から色を塗り、乾いてから剥がすと、マスクの部分には、色が付かないのである。粘着力が弱いテープのため、剥がす時に紙を痛めない。
しかし、カッターで切る作業がある場合は、カッターを使い慣れている必要がある。 また、マスクをしているため、描いている時に、全体を確認しながら描くことが出来ないなどの難点がある。 色の濃淡を合わせるのには、経験と感が必要なこともあり、初心者にはお勧めではない。
Oさんが、手元にマスキングテープがなく、やむを得ず持ってきたのが、ロウソクである。30年以上も絵を描いているベテランのOさんは、仕方なかったのであろう。
そのロウであるが、これは、いたって簡単で、ただ画面に塗るだけでいい。また、色を付けたところのカバーにもなる。 ロウは水をはじく。簡単な理屈である。 ただ、一旦ロウを塗ったら、色は入れられない欠点があるが、画面上で、ちょっと白抜きをしたい時などには、最適である。夜景の小さな、転々と続く外灯とか、自然な白抜き感が出る。
しばらくロウは、使ってなかったので、思いつかなかったが、これなら初心者でも簡単である。苦肉の策が、忘れていたものを思い出してくれた。 今では、教室には、誕生日のケーキに立てる小さいロウソクを常備している。子供の教室のメニューにも、水彩ロウソク画として付け加えた。
なんでも、試してみるものである。絵の世界で、やって損なことはない。
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