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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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絵で人を説得せよ <研究所レベル> ‘08/12/9(火) |
「絵で人を説得せよ!」とは、制作の一つの基本を端的に述べた言葉である。
制作の終盤で、どこまで描くのか迷う時がある。仕上げの話ではない。仕上げに入る前の制作の終盤のことである。 以前、「音がするまで」という日記を書いた。短い文章なので全文を紹介しよう。
・・・・「私が制作している時の、一つの基準に(音がする)がある。音がしたら、仕上げに入る。
色々な音があり、<ザー>とか、<シュウー>とか、<バリバリ><バッキ!>様々であり、描いている絵によって、擬音めいた音がする。これは、何を意味しているのか?
画面上に一つの調和が生まれると、「音」がするのである。したがって、さらに描き進むと「音」は消える。当然、音の大小があり、小さいと制作続行。ところが、たまに「音」が途中で変わってしまうことがある。「音」が絵のイメージを決めるので、これはありがたくない。
良い絵と呼ばれるものは、必ず音がする。絵から受けるもの、受けるインパクト、衝撃、それは、実は「音」なんだと私は考える。」・・・・・・・・・
以上が、全文である。
このことは、仕上げに入る前の話で、「音」がしたら、仕上げに入る。
この場合の、「音がする」とは、制作要領の話であり、制作にも目印が付いていると、言いたかったのである。
では、制作側の感情面から言ったら、どうなるのであろうか?
制作は、不思議なことであるが、感情が入れば入るほど、良い絵になるという保障がない。 普通に考えると、感情が入れば入るほど、良い絵になるような気がする。気合が入ると言う言葉が、あるぐらいだから、気合を入れるべきだが、どういう訳か、当てにならない。
絵の制作の不思議なところである。それで、制作する側は、結構冷めていることが多い。感情が顔に出るほど満タンにしなくても、何とかなることを知っているものである。
絵の制作では、感情は心の奥底で燃えていれば間に合う。だから、感情的に描いたりすることがあるが、それは、スタイルであり、自己啓発である。それが、そのまま絵に出るなんて甘いことは考えてない。
だから、制作側の感情面とは、本当の感情そのものの話で、外面的なことではないことを、確認しておこう。
さて、心の奥底に密かに燃える熱いものがある。この熱いものは、感情であり、情熱でもある。情熱は、よくハートで例えられるように、頭で考えることと別扱いになる。 頭で考えたことは、よりクールであり客観的である。それとは逆にハートは、情熱的で主観的である。
この二つの相反する感覚が、いつも描き手を悩ませる。
これは、どういうことかと言えば、前述した「音がするまで」という目安は、客観的な目安で、いわば、頭が考えたことと例えられる。もし、ハートが「音がした時」に拒否したらどうなるか?
まだまだ、と言えば、制作続行である。「音」は遠ざかっていく。次に「音」がした時に、また拒否されたら、何を目安にしたらいいか分からなくなる。
それでは、困る。 制作は、闇の中を歩くような時があるので、目安は必要である。 そこで、登場するのが、「絵で人を説得せよ」という二つ目の目安である。これは感情的になった時の目安と考えて良い。
つまり、「絵で人を説得せよ」とするためには、まず自分が説得されないとならないのが、順番である。自分が説得されれば、言い換えると、自分が納得すれば、人も納得するという確かな順番がある。
「音がするまで」の穏やかな終了ベルを無視したら、次は、感情に任せるしかない。そして、感情の激しい終了ベルは、人を説き伏せるような激しいアピールになるであろう。
それは、自分が納得した時であり、人が納得する時であり、絵で人を説得した時である。 描き手は、常に感情的に描くとは、限らない。穏やかな制作も、同じ制作である。したがって、二つの目安が必要になる。 ただ、あくまでも、要領の話なので、どのぐらいの「音」がするまでとか、どのくらい納得すれば良いかとか、肝心な話は、意地悪く省いて終わりにする。
あとは、自分で考えるべし。
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