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プロフィール |
Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。 画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。 「西船絵画教室アート21 アート21研究所」 http://www.art21japan.jp/
南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
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人体の理屈 <大人コース 中・上級レベル> ‘08/9/16(火) |
人体には、理屈がある。医学上の理屈でもあるが、絵画的な理屈と考えてもらいたい。
こういう理屈は、裸婦クロッキーをしないと、身に付かない。 具体的にいうと、例えば、人が立っているとする。直立していれば、体重は両の足に掛かっているが、「休め」の姿勢をとると、どちらかの足に体重が掛かる。もう片方が、それを支えることになるが、それだけではない。
人が立っている時に、バランスを保つために重要なのは、腰の位置である。体重を支えている足のほうの腰が上がる。反対側が下がる。 上がった腰のほうの肩が下がる。反対側が上がる。さらに、重たい頭部が適切な位置を確保する。
バランスを保つために、各部所が微妙な調整をする。 当たり前のようであるが、これを絵に描くとなかなか難しい。
人の体は、全て繋がっている。だから、一つの動きは、他の動きに影響する。影響しまた影響し、バランス感覚という微妙な感覚で修正される。人が立つということは、それ自体非常に複雑なメカニズムを生む。
この人間の動き、仕組みが絵の世界で言う人体の理屈である。
前述したように、これを習得するには、裸婦クロッキーを繰り返し描くことで、記憶するしかない。 この動きは、ある意味当然の動きのため、誰でも気が付きやすいが、どこがおかしいかは、結構慣れていないと、指摘できない。
立っているポーズ以外にも、人体の理屈はある。 例えば、椅子に座っているところ、屈み込んでいるところ、寝ているところなど、全て繋がった人体のメカニズムの理屈で成り立っている。
以上が、大雑把な人体の話であるが、もっと、細かい話をしてみよう。
つまり、まず骨があるところから始めなければならない。人骨は、あるべき所に骨があり、これは、人種を問わない。ないところには絶対骨がないのである。当たり前の話であるが、これを絵に描くと、あり得ない所に出っ張りを描く人がいる。
また、あるべき所の骨がないとか、人体に慣れていない人は、結構平気でこういう不思議な絵を描く。
さて、骨の上には、筋肉が付いている。各部所の筋肉は、それぞれの骨を繋ぎ、動きを助けている。足を伸ばした時と、正座した時とでは、筋肉の盛り上がりが違う。これも当たり前であるが、絵に描くと同じに描く人が多い。
そして、脂肪および皮膚。
人体の動きには必ず理屈がある。不思議なところはない。こうなるからこうなると全て説明できるのが、絵で言う人体の理屈である。 したがって、人体を描こうとする人は、まずこの理屈を覚えないといけない。
裸婦クロッキーは、確かに難しいと思う人が多いと思う。だから、上手く描けなくともいい。 人体の理屈が少しでも頭に入るだけでも、裸婦クロッキーをやった価値はある。
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