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アート21教室日記
田屋優・・・・・・画家、現代美術作家  西船橋の絵画教室、研究所主宰               (掲載内容の無断転用禁止)
プロフィール

田屋優

Author:田屋優
「絵の多角的分析」を研究テーマに、様々な角度から見た絵の本質を分析解説する。
  画家・彫刻家、田谷映周を師匠とし、兄弟弟子に画家・彫刻家、田谷安都子。 自身の弟子に橋崎弘昭、大野まみ、萩原正子。
 
「西船絵画教室アート21
 アート21研究所」
http://www.art21japan.jp/

 南船橋ビビットスクエア・カルチャースクール絵画部講師、ウエルピア市川絵画部講師、カーサ・デ・かんぽ浦安絵画部講師、NONSTOP会員。
  

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<アート一口講義25>2012・4・24
ネット水彩画テキスト5見本画・静物

通信講座水彩画見本

「画材屋さんに出入りせよ」

  画材屋さんに行ったことは、あるだろうか? 
絵を描くには、道具が必要である。 その道具の知識は、絵を描く者にとって、知っておかなければならないことだろう。 仮に、自分が普段使っている道具は、慣れているので、ある程度知っていたとする。 しかし、他の道具、例えば、他のメーカーの絵具だったり、他のメーカーの筆だったり、知らないことは多そうだ。 道具を変えただけで絵が良くなることはある。 
  その点、絵の道具はハッキリしていて、高いものは、まず、良いものと考えて良い。 絵具に関しても、高い絵具は、発色が素晴らしかったり、深みがあったりで、ほしくなること必至だが、とりあえず、知っておくだけでも良い。 
  そのためにも、画材屋さんに出入りして、暇つぶしに色々と見て歩くことも、絵のウチと考えよう。 

<教室日記>

  教室の受講料金は、年齢的な区分けはしていない。 おそらく、それはどこでもしていないだろう。せいぜい、シニアクラスがあって、料金がちょっとやすいとか。 しかし、それもいかがなものか。 運営する側の私情をはさめば、年齢分けして、料金を高めに設定したいところである。 
  なぜなら、手の掛かる相手の料金を上げたいと思うから。 つまり、小学生未満と60才以上と70才以上。 早い話、わがままを言う年代である。 小学生未満が手の掛かることはお分かりだと思う。 
  例えば、5才児が3人いると手一杯になる。 これを単純に小学生に置き換えると7~8人くらいの忙しさ。  お金を多く取りたくなる所以がここにある。
 
  では、60代はというと、やはり手が掛かる。 もちろん、この年齢は人によるが、入会したばかりの人が、受講予約もしないで、いきなり教室に来たことがある。 入会したばかりの人ということは、入会の説明をしたばかりの人ということ。 予約して受講して下さいと説明したばかり。 
  さすがに注意したが、「すいません」と言って、席に付こうとした。 結局追い返したのであるが、本人のいい訳は、予約が面倒だったらしい。 行ってしまえば何とかなると思ったのではないか。 魂胆が、見え見えだったので、追い返した。 この年代によくあること。 
  「めんどくさい事は、イヤ!」 その人が、教室に来た最後となった。

また、注意されると、本人に非があっても腹を立てる。 始末が悪い。 50代がギリギリで、60代になるとこういう人が増えてくる。 いきなり来たおば様も、腹を立てて帰って行った。 

  70代になると、教室のお知らせは読んでくれない人が出てくる。 読まないくせに文句は言う。 また、退会する時に、「しばらくお休みします」と言って辞めていく。 こういう辞め方は、通例なので、こちらも分かるが、体調不良をしきりに言うと思ったら、以後出て来ない。 本人は、退会を申し出たつもりでいる。 指導に行っている老人ホームで、何例かあった。 しかし、体調不良が単なる日常会話だったりするので、ややっこしい。  いまだに、対策ゼロ。

  まあ、小学生未満は、発展途上の子供たちなので、いずれは発展するだろう。 それに、親御さんの負担を考えると、料金の倍増は、望みづらい。 しかし、60才以上の方は、ひたすら逆発展途上なのだから、料金の倍増は、妥当かも。 
  と、暇な時に夢見た話。

テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術

<アート一口講義24>2012・4・16
Nデッサンテキスト7見本画

通信講座デッサン見本

「遠近法」

  遠近法を、別名「パース」という言い方をするが、パースの基本は、本人の目線の位置。 目線をヨコに伸ばした線上にものが集まる理屈を遠近法またはパースという。 単なる理屈なので、覚えてしまえば簡単である。 例えば、真っ直ぐな道路沿いに並んだビル群は、遠くなるほど小さくなり、最後には、一点となり、消滅する。 この消滅する点を消失点と呼ぶ。  消失点が一点の場合を、一点透視と呼ぶ。
  もちろん、消失点は目線の延長線上にある。 また、ビル街で、交差点の真ん中に立ったとする。 真っ直ぐに伸びた道路が二本交差しているとする場合、交差点の角のビルを正面に見ながら、右側のビル群は、一点透視で消えていく。 左側のビル群も、やはり、一点透視。 すると、消失点が二点になり、これが二点透視。 ビルを見上げて三点透視。 ただし、消失点はこの場合のみ、目線の位置にはない。  

<教室日記>

  教室は、日・月が休みのため、土曜日が週最終日。 しかし、土曜日は、午前授業があるため、朝10時から夜まで休みなし。 一週間で一番大変なのが、土曜日である。 午後1時から4時までのキッズコースが特にキツイ。 子供は、待ったなし。 エネルギーを吸い取られる。 そのため、4時過ぎるとホッとする。 一応ひと段落。 あとは、のんびりと、大人の生徒さんの面倒をみれば良い。 
  とある土曜日、デッサンをやっている20代半ばのK君とO君が、偶然、午後6時から9時まで予約した。 二人とも顔見知り。 二人とも酒好き。 7時頃になると、他の生徒さんもボチボチと帰って行き、二人だけが残った。   午後8時。 「君たちだけなので、飲みながらやるか?」と、声を掛けたら、そのまま、飲み会になってしまった。 
  ネコにマタタビ、若者に酒。 「マズカッタかな?」と、若干、反省。

テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術

<アート一口講義23>2012・4・10
Nパステルテキスト6本科応用見本画・静物

通信講座パステル画見本

「絵のルール」

  絵には、ルールがある。 絵のルールは、簡単。 「画面上に気になる所があっては、いけない」 と、これだけ。 絵のルールはこれが全てである。 「こうしなさい」というルールではない。 「こうしてはいけない」というルール。 絵画教室は、これを教えるためにある。 では、何が気になるかと、紐解いた瞬間、ダーと一杯出てくる。 
  色が気になる。 構図が気になる。 カタチが気になるなど、画面上の気になる所は、数え切れない。 この処理の仕方を一つ一つ覚えていく。 では、数え切れないほどのことを覚えるのは、大変過ぎると思うかもしれないが、そうでもない。  途中から、何となく分かってくる。 
  絵は、基本的に他の人に見せるために描く。 イメージを第三者に伝えるため。 それで、画面上にある伝わりづらいものを排除するのだが、途中から、何となく分かってくれば、残りは、自然に分かる。

<教室日記>

  ある時、40代の女性の生徒さんに言われたことがある。
 
「先生は、いつ来ても態度が同じ」だと。 「嫌なこともあるだろうに、顔に出さない」と。
  
  「よく言ってくれました」と、泣く仕草をしておチャラケたが、実際、嫌なことはたくさんある。 教室は、人がたくさん出入りするところなので、人間関係の摩擦には事欠かない。 
  
  西船教室を始める前に、杉並区で教室を始めたのが、教室の始まり。 当時は、公民館の工芸室を借用していたので、生徒数も僅かであった。 が、そこでの生徒さんとの摩擦で嫌になったことは、結構数多かった。 辞めようと思ったことも、何度もある。
  杉並教室は、夜だけの教室であったが、6年間続いた。 途中で船橋に引っ越したので、船橋からモチーフなどを車に乗せて通った。 遠方になったことを理由に、2000年になった時に、杉並教室を閉じたが、実際は、ほとんどの理由が人間関係に嫌気がさしたためであった。 
  私は、絵描きなので、そんな苦労は無用と判断した。 

2003年に西船橋で、また絵画教室を開くことになり、今10年目である。 では、人間関係の摩擦はどうなったのか?
 
  鍛えられたとしか言いようがない。 一応サラリーマン経験があるので、人間関係の摩擦には免疫はあるが、「先生」のワッペンを胸に付けてからの摩擦は、ちょっと趣きを異にする。

  杉並教室時代、二組の床屋さん夫婦がデッサンを習いに来ていたことがあった。 その中の男性が、私を「あんた」と呼んだ。 いつも、私を呼ぶ時に「あんた」である。
  腹が立ったので、「先生と呼んでくれませんか」と言ったら、以後来なくなった。
西船教室でも、50代のちょっとノイローゼ気味の女の生徒さんに噛みつかれたこともある。 夜中に何度も電話してきて、教室規則のことで噛み付かれた。 しまいには、「先生をネットで調べたら何も出てこなかった」と言った。 侮辱目的のようである。 
  その頃は、今のように教室ホームページもなく、ブログもなく、その上、大スランプ状態で、制作活動は年一作発表するくらいなので、ネットで検索しても何も出てこない。

  確かに鍛えられた。 しかし、それだけではない。 私がプロフェッショナルになったのである。 以前は、絵描きであるということを全面に出して、ものを考えてきた。 今は、絵描きでもあり、講師でもあると考えている。 だから、もう逃げ出さない。 職業に嫌なことは、付き物。 そう割り切っている。 だから、一々顔に出さない。 
  
  「先生は、いつ来ても態度が同じ」

そう言ってくれた生徒さんに、このことを言わなかった。

テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術

<アート一口講義22>2012・4・3
ネット水彩画テキスト1模写見本画・クレマチス

通信講座水彩画見本

「×の発想、△の発想」

  これも発想についての話だが、発想法の話ではない。 発想の種類の話。 発想には、×と△がある。 例えば、○から×を思いついたら、発想したと言えるだろう。 ○を普通に削ったとして△になっても不思議ではない。 しかし、○を普通に削っても×にならないだろう。 ×にするためには、発想が必要である。 つまり、○から出発して、×にたどり着いたら、途中でジャンプしないと×に着地しそうにない。 △だと、真っ直ぐに行けばたどり着く。 ジャンプすることが、すなわち、×の発想。 
  では、△の発想はダメ発想かと言えば、そうではない。 △の発想も絵を描く上では必要。 △の発想が多いと絵に厚みが出る。 ×の発想を大量の△の発想で上手く包んで膨らませたら、良い絵ができる。

<教室日記>

  教室に、小学2年生の女の子を伴って、母親が見学に訪れた。 娘にデッサンを指導してほしいと言う。 それも、大人と同じ指導を希望している。 驚いた。 
  デッサンは、技術であり、デッサンを指導すれば、デッサンという枠の中に、その子をはめ込むことになる。 子供は柔軟性があるため、容易に枠に入る。 しかし、一旦はめ込むとそこから出ることはできない。 つまり、デッサンしか描けない子になる。 
  一番大事な創造性を伸ばす時期に、デッサンの枠の中に押し込めたら、創造性を伸ばすチャンスは二度と訪れないだろう。 
  確かに、デッサンをすれば、母親の願いどおり、他の子より技術的には優れた絵を描くと思う。 しかし、それ以上のことはできない。 いわゆる、美術の障害児になる。 恐ろしい話しだ。 
  何度説明しても母親は納得しなかった。 親の見栄が、我が子の才能を、潰しにかかっている。 母親は、得心得ぬまま、帰って行った。 
  バカな親だと、思った。 

テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術

<アート一口講義21>2012・3・27
Nデッサンテキスト6本科応用摸写見本画・静物

通信講座デッサン見本

「発想法」

  ここでは、発想法についてお話ししよう。 発想には2種類あって、一つ目は、ある日突然「ポン!」と出る発想。 二つ目は、発想しやすい環境から「ヒョイ!」と出る発想である。 ある日突然出る発想には、発想法はない。 これは、才能がらみなので、一般的な発想法としては、二つ目の発想しやすい環境から出る発想が、発想法になる。 要領としては、発想しやすい環境を自分で作れば良い。 
  鉛筆と紙を机の上に置いて、「さあ」と力んでも、発想するものではない。 鉛筆と紙があるのなら、紙に色々取り留めなく描いてみれば良い。 それが、発想の元になる。 発想とは、何かのキッカケで出ることが多い。 何かを転がして行って、何かにぶつかる。 その衝撃が脳を刺激する。 つまり、脳を刺戟すれば良いのである。 そのためには、リラックスして、何かを描く。 それで、浮かぶ。

<教室日記>

  以前の話。 教室会員のHさん(女性)からメールが来た。 ほとんど半泣き状態のメール。 「先生! <海の風景>が、川に落ちました。」 <海の風景>とは、Hさんが数ヶ月を費やして描き上げたF6サイズの油彩画である。 キャンバスではなく、キャンバスペーパーに描いている。 入道雲が印象的で、教室での評判も良い。 その日、教室展が近くなったので、額を購入に出掛けたらしい。 日傘片手に近くのプランタン目指し、川沿いの道を急ぐ。 自転車で。 風の強い日であった。 <海の風景>は、袋に入れて自転車のカゴの中。 突然、突風が吹き、袋が舞い上がった。 右手は、傘を持ち、左手は、ハンドル。 宙を舞った袋は、そのまま川の中にドボン。 沈んでいく様子をただ黙って見つめた。 なす術なし。 思い入れのある作品は、自分の分身でもある。 Hさんの無念は、いかばかりか。 残念!

テーマ:アート - ジャンル:学問・文化・芸術